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世界の小澤征爾さんから学んだ真のリーダー像

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成果をつくるリーダーの特徴とは?

 リーダーから指示や命令を受けてから動くチームと、リーダーの目指すべきビジョンを共有して自ら考え創意工夫し行動に起こすチームとではパフォーマンスは明らかに違ってきます。後者のような、全員が一丸となって目標に向けて高いパフォーマンスを発揮する理想のチームのリーダーにはどのような考えや魅力があるでしょうか?

 
今回はオーケストラという、一級品の音楽を創りだすという使命に向けてチームをまとめあげている指揮者という観点でチームビルディングについて考えてみたいと思います。

 
 指揮者はマエストロとも言われます。すべてに権限がありオーケストラという組織の中ではトップのことを示します。そして、その指揮者と言えば日本人でしたら小澤征爾さんを上げる方が多いでしょう。

 
私は、世界的指揮者であるその小澤征爾さんとお仕事を共にさせて頂いたという貴重な経験があります。小澤征爾さんは、“音楽”という世界観を作りあげるために、どのようにチームをまとめているのでしょうか?ビジネスシーンにおいてチームを鼓舞し成果を作り出すリーダーとはどのような共通点があるのでしょうか?

世界の小澤征爾さん、チームを惹きつける魅力

 私が劇団四季に合格する直前の27才のときに、小澤征爾さんが指揮をするオペラにダンサー役として出演をさせて頂く機会がありました。小澤征爾さんはオーケストラの奏者だけでなく舞台上のソロシンガー・合唱・ダンサー・エキストラを見事にまとめ上げています。

 
全員が小澤さんの創りだしたい世界観を共有し、その世界観に向かって一丸と進んでいます。一瞬で大ファンになってしまった私は、指揮者・小澤征爾さんの魅力とチームのメンバーを惹きつけるそのリーダーシップ力をこのように感じました。
 

・年齢など関係ない、溢れるような情熱
・細部に徹底的にこだわるそのプロ姿勢
・誰とでもフラットな関係を築ける気さくさ

 
では、なぜ関わった人を惹きつけることができるのでしょうか?

私の心に刻み込まれた小澤征爾さんの情熱

 それまでは、年齢を重ねれば重ねるほど気力と情熱というものは下降していくものなのではないかとそれまでどこかで思っている自分がいました。しかし、小澤征爾さんと身近に接することによってその考えは覆されます。情熱の塊のような方なのです。

 
指揮者としてのミッションが“生きる”という事に直結しているのだと感じさせられるのです。そしてその情熱が人を惹きつけチームの士気をあげるのです。

 
一切の妥協もくもりもなく強烈にその情熱を見せるのが小澤征爾さん。小澤征爾さんのその姿は、一生私の心に消されることのない刻印となっています。

 
苦痛や困難が訪れても起き上がってチャレンジする姿には勇気をもらえますし、いつまでも情熱を持って自分の道を歩いて行こうという力にもなります。情熱や信念を持って仕事に取組む姿は、関わったメンバーにも好影響を与えそのメンバーの成長にも繋がります。

 
情熱を表に出す人と出さない人はいますが、人を惹きつけるリーダーは必ず秘めた情熱というものを持っています。逆をいうと、リーダーは情熱・信念をもって自分のビジョンを共有する必要があるのではないでしょうか。

指示・命令で動かすのではなく、心で動かすアプローチ。

 そして、小澤征爾さんはおそらく意識もしていないでしょうが、良い音楽のためには良いチームを作る必要があります。指揮者はオーケストラの監督です。権威もあり、「ああしろこれしろ」と命令したらチームもその通りに動きます。

 
しかし、指示・命令されたから動くチームと、監督が創り出したい世界を一緒に自分も創りだしたいと自ら思っているチームとのパフォーマンスは違うはずです。

 
小澤征爾さんは、「ああしろこうしろ」と命令しているのではなくて自分の造りたい世界を情熱を持って共有していました。そしてそのチームの一員である仲間のことを心から愛していたのです。

 
私のような端役のダンサーにも気配りもして下さり、ダンサー楽屋に直接本人が謝りに来てくれたこともありましたし、両親と兄弟をオペラに招待した際には、家族の記念写真を快く引き受けて下さいました。こうした一つ一つの気遣いがチームメンバーの心をつかんでいくのです。

あの人と一緒に仕事がしたいと思ってもらえるリーダーであるか?

 ここでビジネスシーンに置き換えると、権限があるから・社長であるから指示命令をすれば確かに皆は従います。けれども、ただ言われたことだけをやるチームになっていないでしょうか?

 
リーダーの本当に創りだしたいビジョンを自分も作りたい!と思って一人ひとりが創意工夫し情熱を持って取り組んでいるチームかどうかは、その差がものすごく大きいものとなります。

 
小澤征爾さんとのお仕事をした数年後、道端でバッタリ会ったことがありました。その時も、気さくに声をかけてくださいました。きっと小澤征爾さんは私以外の多くの携わった人間たちがファンになり、「また小澤さんと一緒に舞台を作りたい!」とか「最高の仕事をしたい!」と思っているに違いありません。

 
指導者・監督者としてただ指示命令しているのではなくて、小澤征爾さんのように良いものを作りあげるという明確なビジョンを共有して、一人ひとりに愛を持ってチームビルディングしていくこそが真のリーダーと言えるのではないでしょうか?

 
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