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子供の夢と可能性を紡いでしまう親とそうでない親の違いとは?

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 労働組合向けの講演やPTA向けの講演をすると、様々な父兄の方からいろんな質問を受けます。子育てに対する悩みを抱えている方が非常に多いのが良く分かります。

 
お話を聞いていて思うのですが、子供の夢に対して蓋をしてしまう父兄の方と、絶対に蓋をしない父兄の方がいます。蓋はしていないと思っているのに、実は子供の可能性に蓋をしてしまっているのに気が付いていない父兄もいます。

 
 私が子供の夢に対して父兄の方から質問を受けた時にお話する子供が夢を持つことの意味がよくわかる実際にあったお話をここで紹介させて頂きます。小学生の子どもを持つお母様から聞いたお話です。

 
 そのお母様のお子様には、すでに明確な夢がありました。「サッカー選手になりたい」という夢です。

 
彼は、Jリーグの下部組織であるジュニアチームの練習生でした。お母様は、サッカー選手になりたいという、その夢を聞いた時に、「プロに上がれるのなんてほんのひと握り。プロになれたとしても選手生命がとても短いスポーツだし、やめておきなさい」と、思わず口にしそうになったそうです。でも言いませんでした。

 
 彼はサッカー選手になりたいという夢を叶えるために、まず、日々の練習をがんばりました。お母様は、「夢が叶わず、挫折したらどうしよう?」などと考え、このままサッカーに熱中したままでいいものか、心配になったそうです。

 
しかし、お母様の知らないこんなことがありました。そのJリーグの下部組織は、ジュニアの中でもピラミッド式になっていて、上に昇格していくシステムになっています。

 
子どもたちは、トップを目指して練習に励むのですが、頑張らなければならないのはサッカーだけではありませんでした。そのJリーグのクラブは、学校の成績表を提出しなければなりませんでした。なぜなら、サッカーばかりで勉強をしない子どもは、将来的に通用しなくなるという考えのためです。

 
子どもたちは、夢を叶えるために自分から勉強を始めたのです。「勉強しなさい」とお母様が言う前に。

 

子供の夢について


 

 さらにお母様は驚きました。がんばっているのに成績が思ったように上がらないその子どもは、「塾に行かせてほしい」と自ら志願したのです!

 
彼はサッカー選手になるという夢を持つことによって自発的に考えるようになり、そして成績もグングン上がりました。その子の学校では、トップ20位はごほうびで名前が貼り出されるそうです。

 

 お母様は自分の子どもの名前が常に貼り出され続けているのを知って、子どもが自分の夢を口にした時に「やめておきなさい」と、思わず言いかけそうになった時のことを思い出しました。

 
「あの時、子どもの夢の芽をつまなくて本当によかった」と思ったそうです。子どもが夢を持つ価値とは、自ら考え行動できるようになることなのだと思います。

 

 その子は残念ながらJリーグ下部組織のジュニアユースには昇格できなかったそうです。しかし、自分で考える力を身につけ始めていたことで、地元で有名なジュニアクラブに合格しました。

 
夢を追いかけると同時に、しなやかな心も身につけていったのですね。この子は夢が叶ってサッカー選手になれるかもしれないし、叶わないかもしれません。

 
 しかし、自分で考え、判断して、創意工夫するという人間性を身につけた子どもは、いろんな可能性がさらにさらに広がっていくと思います。

 

以上が、実際に私が聞いたお話です。

 どうしても、お父さんお母さんは、「勉強しなさい」や「そんなこと無理よ」といってしまいたくなります。この話をすると、自分が子供の可能性に蓋をしていたことや、子どもの人生をコントロールしようとしていたかを自問するようです。

 
親という字は、木に立って上から見るという漢字だ、と言われるように、ついつい小言を言いたくなってしまいたい気持ちを抑え、子供を木の上に立って見守り、万全にサポートする体制を造りだし、可能性を信じ続ける役目なのかもしれません。

 
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