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テレワーク/リモートワーク時代における新人部下育成法

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テレワーク時代の人材育成法

2020年に世界を襲ったコロナウィルスの影響で本当に世の中の価値観、働き方が大きく変わりました。政府もテレワークを積極的に推奨しております。
 
テレワークをやることになったのだけれども
 
テレワークで人を育てるにはどうしたらいいのか?
部下のモチベーションを上げるにはどうしたらいいのか?
 
そもそも
 
自分自身のモチベーションの管理ができない
オンラインでは部下とコミュニケーションが取りづらい
画面越しに伝わってるのかすらわからない
 
このような意見というのは非常に多く聞かれております。
 
そこで今回はテレワーク・リモートワーク時代における人材育成方法というテーマでお伝えてしていきます。
 
この記事を書こうと思った理由は、わたし自身の会社が(12名ぐらいの小さな少数精鋭の会社ですが) 2014年からテレワークをしてきたからです。
 
代表が、こういう時代がくるということを2014年から繰り返し言っていました。無駄な出社や無駄な満員電車もなしと 会議やコミニケーションは出来る限りテクノロジーを駆使した形で、と当時からです。
 
週に2回は必ずみんなで食事ミーティングの時間をとったり、月に2回は必ずみんなでプレゼンテーションする時間を持ちましょうという決まりはありましたが、それ以外は本当に各自が責任もって(自由だけども責任を持って)仕事をするということを2014年から行ってきました.。
 
その中で本当にうまくいったこととかあったのですがうまくいかないことも多々ありました。自由な環境にも関わらず新人がメンタルダウンしてしまったりとか、いろんなことが起きました。
 
そこで、こういった経験を含めて皆さんにテレワークでの人材育成の考え方やどうしたらうまくいくのかというヒントの部分をお伝えしていきます。
 
動画セミナーはこちら

テレワーク/リモートワークで絶対にNGな関わり方

まずはじめにテレワークで絶対NGな関わり方をご紹介していきます。

カモメ型

1つめがカモメ型という関わり方です。
 
空中を飛んでいる親カモメがいて、子ども(部下)が湖で泳いでいるとしましょう。その時に湖で泳いでいる子ガモメがなにか失敗したとします。
 
その時にだけ、空から即ぴゅーんとおりてバシャーンと水面に舞い降り、ばしゃばしゃ騒ぎ立ててその場を荒らし、そして空に帰っていくっていう関わりをしているマネジメントです。
 
例えば新人が期限守らなかったとかミスが起きたとか失敗したとか、その時だけすぐに反応し騒ぎ立てているような関わり方をしている人は要注意です。
 
これをカモメ型と言ったりもします。
 

テレワーク時代の人材育成法


 
問題が起きた源はそこに至るまでの自分の関わり方にあるかもしれません。そこを自覚せずにこれをやると信頼関係が一気に崩壊しますし、部下のモチベーションも下がる一方です。
 
完全にNGな関わり方です。これはオンラインやリアルに関わらずNGな関わり方なのですがリモートという温度感や肌感覚が感じにくい環境でやると加速度的に部下のモチベーションが下がり心も閉ざされています。

放置型

次に放置型です。
 
特にテレワークだと、人を放置しがちになります。テレワークで放置すると、部下や新人が、自分自身が本当に放置されているとリアルよりもさらに感じるようになります。
 
孤独感が醸成され「自分は何のためにこの会社入ったのか」「何のためにこの仕事をしているのか」など分かんなくなってしまい、悩んで悩んで負のスパイラルになってメンタルダウンしてしまったり、狭し視野の中での離職を考え始めてしまったりします。
 
ですから放置するという行為は特にリモートテレワーク時代はNG行動です。

ロボット型

またロボット型というのもあります。
 
ロボット型というのはなにかと言いますと人間味も何も感じられない無味乾燥な関わり方です。
 
テレワークでは基本的に機械を通して関わっていきますので、普通通りに関わっても、どうしても感情や温度感や肌感覚がそがれてしまうわけです。
 
話す内容が仕事の進捗や業務目標だけになり、淡々ロボットのように関わっていると相手は心が落ちてきてしまうのです。
 
人間にしかできない行為は、感情や相手の気持ちを汲みれたりする部分です。
 
リアルでは肌感覚でなんとなく察知できることがあるのですがテレワークではよりここが削がれてきますのでロボ型もNGということも覚えておいてください。
 
以下の章でも述べますが、ある意味、テレワークの関わり方は私たちのコミュニケーションの本質を問われているのだと感じます。
 

テレワーク時代の人材育成法

テレワーク/リモートワークでの人材育成のメリット

テレワーク/リモートワークでメリットもやはりあります。そのメリットは何かといいますと、ずばり自己開示しやすい・起きやすいということです。
 
なぜ自己開示しやすいかといいますとリアルで直接面と向かって会わないずに画面越しに対話するので相手はリアルよりも緊張しなくなるのです。対面では緊張して言えないことも、思ったことを緊張しないで思ったことを言えたりもするのです。
 
私は研修講師として多くの方とオンライン研修で関わる機会がありますが、「緊張しないで素直に自分の意見が言えた」という方がやはり多いのです。
 
それとテレワークの場合、やはり自分の部屋など関わる相手はプライベート空間に身を置いていますので安心感があるのです。
 
こういった環境下においては、時に心が開きやすいので、相手がありのまま心を開いている状況で、一人の人間として関わっていけるのか、ここがとても重要なのです。

テレワーク/リモートワークでの関わり方の本質

テレワークやリモートワークで本当に求められるコミュニケーションの本質ということがあります。
 
人間にしかできないことでありテレワーク時代こそコミュニケーションの本質というものがより求められてきます。小手先のテクニックとかやり方論ではなく人間にしかできない叡智の部分です。
 
そのテレワークに必要なコミュニケーションの大前提が、小さな信頼関係の積み重ねです。
 
野球のピッチャーとキャッチャーで例えてみましょう。
 
ピッチャーがどれだけ素晴らしい制球力を持っていてもキャッチャーがピッチャーからのボールを受け取る気がなかったらそもそもボールが後にそれてしまいます。
 
信頼関係ができていなかったら素晴らしいボールを受け取ってもらえないのです。
 
ですからオンラインでのコミュニケーションをする上で絶対に重要な根底が「信頼関係の積み重ねを普段からできているのか」、「信頼貯金が貯まっているのか」ということです。
 
貯金がなかったらお金は引き出せません、それと同じように普段からよりコミュニケーションによる信頼関係の構築ができていなければ言葉や本音を引き出すことができないのです。
 
そのためにはどうしたらいいのか?
 
答えは「まず理解しようとする」関わり方です。
 
相手の表情や微妙な変化を普段からしっかりと見て、その奥にある相手の感情にフォーカスし、例えば「今何か不安になったりとかしている?」とか「今何か悩んでる事はある?」など些細な関わり方を積み重ねていく ことが求められます。

こころと感情の違いとは?

オンラインでの関わり方の本質を紐解く鍵が日本語に隠されています。
 
それが心と感情の違いです。
 
もし私が「心ってどこにありますか?」と質問したらあなたはどこを触りますか?きっと胸のあたりを触りませんか。
 
ここで心の状態を表した日本の慣用句を思い起こしてみましょう。
 
例えば日本の慣用句の中では、心が折れる、心が欠ける、心が砕ける、心が傷つく、など何故か心の状態を表す表現として物体のようなイメージがあります。
 
では仮に、心という器の物体が先ほどあなたが手を挙げた胸のあたりにあるとしましょう。
 
そして人間は心という器の中に感情を保管しているとイメージしましょう。
 
先ほどは、心は物体を想像させる表現が多いとお伝えしましたが感情はどうでしょうか? 例えば不安で”いっぱい”になるとか愛情を”注ぐ”とか”溢れる”とか”揺らぐ”とか、何か液体のようなイメージはありませんか?
 
心という器の中に感情という液体が入っていると考えましょう。
 
この器は人によってサイズや容量が違います。新人はこの器が本当にあなたが思っている以上におちょこのように小さいのです。ですから何かちょっとしたことでこの心の器の中の感情で満タンになってしまい溢れてしまうということです。
 
では溢れてしまう前に何が必要かといったら先ほどお伝えした信頼関係の構築です。
 
その人の感情にフォーカスし、マイナスの感情を先に汲み取ってあげること、この汲み取るという行為こそが「先に理解しようとする」という関わり方のスタンスなのです。
 
この、相手の感情にフォーカスしマイナスの感情汲み取ると言う行為は機械やAIにはできません。ですからテレワーク時代リモートワーク時代というのはいかに育成する相手の気持ちや感情にフォーカスしそこを汲み取ってその人の背景を知ろうとする関わり方が重要ということです。
 
新人の心の器の中に不安などのマイナスの感情がなくなったときに「この人は信頼ができる」「この人には自分のこの気持ちを話したい」と感じて気持ちを打ち明けてくれたりもするのです。
 
(腹を割って話すと言う言葉もあります。心の底に1枚の板があるとしましょう。相手の気持ちを汲み取りしっかりと信頼関係が構築できた瞬間にこの板を割ることができる。こんなイメージを持つとわかりやすいかもしれません。)
 
チャットでも結構です。普段から小さな小さなこの信頼関係構築のコミュニケーションというのをこまめにとっていきましょう。
 
オススメは、ありがとう、です。
 
ありがとうは本当に人と人とのコミュニケーションの潤滑油です。何回言っても損する事はありません。関わり方の中でありがとうを特に意識しましょう。
 
厳しいフィードバックが必要な場面もあると思います。その際は必ずブックエンドを意識しましょう。ブックエンドは以下の写真のように本と本を挟みます。本がフィードバックの本題としたら必ず前後ではプラスの言葉をしっかりと入れ込みましょう。
 

テレワーク時代の人材育成法


  
すると本は倒れません、つまり本題が相手の心にしっかりと入っていくということです。
 
入りの言葉として「今日は時間をとってくれてありがとう」でも構いません。終わりのプラスの言葉として「厳しいこと言ったけども期待しているから頑張れよ」「何か不安なことがあったら必ず伝えてくれな」などです。このブックエンドでしっかりと挟んでいき 信頼関係構築のコミニケーションというのがとても重要です。

テレワーク/リモートワークに必要な相互発信とは?

そして相互発信です。
 
このコラムの初めに私はテレワークを2014年から行ってきたとお伝えしました。私たちの会社は相互発信と言うものをものすごく大事にしてきました。部下とか新人とか関係なく、先輩やベテランや経営者の代表も どんどんと自分の今の気持ちや思いを発信していくということをとても大事にしてきたんです。
 
月一回の会議を私たちはエキサイトと呼びました。 エキサイトとネーミングしたのには理由がありまして、 自分のプレゼンテーションをきっかけにチームのメンバーをエキサイトさせていると言うことが目的だからです。
 
今私はこんな思いを持って仕事をしている、こんなことを大切にしている、こんなことを実現していきたい、こんな困難な状態にあるなど、プライベートなどのことも含めて自分のWill(自分の未来への意志)を皆に発表する時間を大切にしていたのです。
 
自分が今熱中していること、燃えていること、不安なこと、など自己開示を含めてプレゼン式で発表するわけです。それが相乗効果を生み出します。
 
1人3分から5分の時間を使って全員の前で発表すると言う時間を必ず作っていました。
 
オンラインやリモートワーク・テレワークでもこれは十分にできます。
 
この人のことを応援したいとどれだけチームのメンバーに思わせるのか、もしそう思わせることができたら自分もやってみようという気持ちが生まれます。私も挑戦しようという気持ちも生まれます。これを私たちは応援と挑戦の循環と呼んでいます。
 
ですからオンライン時代こそテレワーク時代こそこの相互発信というのをぜひ意識してみてください。下からの報連相を待っているだけではなくて上司の方経営者の方も仕事への想いなどをどんどん発信していくということです。

テレワーク/リモートワークでは目的管理が重要

そしてテレワーク/リモートワークで重要な目的管理です。
 
よく目標管理で、今、数字達成までどれくらいの過程や進捗なのか?この目標管理だけにフォーカスしてしまう人や組織がやっぱり多いんです。
 
もちろん会社の存続のためには目標管理というのとても大事ですよね、会社というのは存続するのが目的の1つですから。
 
しかし会社の雰囲気がこの目標管理だけになってくるとこのオンラインテレワークリモートワーク時代はメンタルダウンが進みやすくなってきます。
 
自分のこの仕事をしている意義がわからなくなり「自分は何のためにこれ働いてるんだっけ?」と悩んでしまうわけなんです。
 
この時に大事なことが、育成する側の目的を意義づけしていく目的管理です。
 
つまり「この仕事をなぜするのか」 「社会のどんな問題を解決しどう社会に役立っているのか」「誰の問題を解決しているのか」 その目的をしっかりと繊細に伝えてあげることです。
 
これはよく キャリア論としてレンガ職人の話で例えられます。
 
古代のヨーロッパであなたが灼熱の暑さの中歩いていたとしましょう。その時に煉瓦職人のグループがいました。あなたは「 今何をしてるんですか?」と話しかけたとしましょう。
 
ひとりめのレンガ職人は「今は見ての通りレンガを積んでるんです」 と答えました。「このレンガを積むことによって私は収入を得ているんです。レンガを積むことはお金を得るための私の仕事です。 邪魔しないでください。」 とも続けました。
 
あなたはそれは失礼しましたと言って ふたりめのレンガ職人に同じ質問をします。
 
ふたりめのレンガ職人はこう言いました。
「今私はレンガを積んでいます。目標として会社から今週中にこの高さまでレンガを積むように言われています。今月末には締め切りもあり壁を完成させなければいけません。」
 
あなたは、目標に向かって仕事をしている手を止めてしまったことにお詫びをし次の方に質問しました。3人めのレンガ職人にです。
 
3人めのレンガ職人はこう言いました。
「今私はレンガを積んでいます、今週までにこの高さまでレンガを積まなければなりません。この壁ができたらゆくゆくは見てください(完成図を見せて)この素晴らしい大聖堂ができるんです。この大聖堂ができたら私たちはこの街とこの街の市民に心の安らぎや平和をもたらすことができるんです。私は100年後200年後に素晴らしい文化遺産になるであろうこの大聖堂のためにこの一つ一つのレンガを積んでいます。」
 
この3人の煉瓦職人。
 
レンガを積むと言う行為は同じです。しかしその目的意識や仕事に対する捉え方によってモチベーションは全く違うはずです。
 

テレワーク時代の人材育成法


 
しかし現場はどうでしょうか?
 
特に新人は経験が浅く知識もまだないためどうしても目的意識に至らず目標、目標になってしまうのです。 そして心が疲弊しメンタルダウンしてしまうのです。
  
ですからレンガひとつひとつにいかに意義を見出させるような関わり方をしていくことが育成の上では非常に重要です。
 
特にテレワーク時代やオンラインリモートは時代っていうのは目的管理というのがより求められるのではないでしょうか。

テレワーク/リモートワークでは余白の設計も重要

そして最後は余白の設計です。
 
問えばリアルの会議では、始まる前や終わった後に雑談があったり、その雑談の中から相手のことをより深く知るだけではなく、「それいいね!」と新しいアイディアが生まれたり、また普段と様子が違って少し元気ないなっていうふうに感じたり。こういった人間としての温度感やぬくもりというものがありました。
 
しかしオンラインはどうでしょうか。
 
定刻になったら一斉に会議がスタートし時間になったら「はい終わり」とピシャッとそこで終了。全員が即退出。
 
ここであえてリアルのような余白をテレワーク・リモートワーク時代でもあえて設計していく必要があると思うのです。つまり雑談だったり仕事とは関係ない話だったり相談タイムだったり。
 
この余白のところでぽろっと本音が出たりとかするかもしれません。こうして人と人とのつながりを感じられる余白をあえて設計していく事が テレワーク、リモートワーク時代には重要ではないでしょうか。
 
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