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劇団四季から学ぶ人的資本経営に関わるセミナー(研修)をしました

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人的資本経営に関わるセミナー

劇団四季から学ぶ人的資本経営に関わるセミナー(研修)をしました

某大手企業様で管理職やチームリーダー向けに経済産業省が掲げる人的資本経営にむけて自社の人材の指導育成力を高めるための研修をしました。
 
今回のテーマは
劇団四季から学ぶ人材育成術
〜人材の価値を最大限に引き出せば成果は変わり出す〜
です。
 
今回はリアルでの研修の予定が急遽オンラインでの開催になりました。感染拡大のためです。予定していた体感型ワークなどができなくなりましたので、かなりの緊急対応でしたが内容を変更してオンラインでも納得・理解できてすぐに実践できるプログラムに変更しました。
 

はじめまして、この記事を執筆した佐藤政樹と申します。劇団四季出身の研修講師として【受講生を惹きつけながら気づきと学びを促すことをモットー】に、講演会やセミナーの講師だけに限らず大手企業などでさまざまな研修を行っております。記事の内容をお読みいただき、もしご興味いただけましたら、ページ最下部のプロフィールや研修内容の詳細をご覧いただけますと幸いです。

今回の人的資本経営に関わるセミナー開催の背景と目的

今回ご参加された某大手企業様の受講者は、後輩などの指導にあたる責任のある管理職やチームリーダーの方でした。

組織は人なり。

人材の育成こそ企業の繁栄と存続に大きく影響します。組織に属する人を「資本」として考え、その可能性と価値を最大限に引き出すことで、組織ははじめて中長期的に企業価値を高めて繁栄することができます。

経済産業省が日本経済の発展のために「人的資本経営」をひとつの大きな指針として示しました。

そこで、人を育てるということを使命とし、そこにとてつもないエネルギーとお金をかけている劇団四季の世界観を通して、管理職やチームリーダーの方々に人体資本経営につながるような大きな気づきや新しい視点が得られるようなプログラムで構成させていただきました。

今回の人的資本経営に関わるセミナーの狙い

人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。
 
「経営陣が自社の中長期的な成長に資する人材戦略の策定を主導し、実践に移すとともに、その方針を投資家との対話や統合報告書等でステークホルダーに説明することは、持続的な企業価値の向上に欠かせません。」
 
これは社会全体でお互いに力をあわせて目的を達成しようと掲げた経済産業省の概要文の引用です。
 
2020年に起きた流行病は人々の意識の変化をもたらしました。実際に今回の研修をともに企画し作り上げた人材教育担当者は2020年以降の離職の多さが大きな問題になっていると今回のオンライン配信の会場でおっしゃっていました。誰もが知るような日本を代表する大手企業に入社した若手社員がほんの数年で会社をやめてしまう・・・。非常に驚きでした。
 
その大きな理由のひとつが会社に対する帰属意識の低下とのことです。なぜ帰属意識が低下するのか。流行病により物理的なコミュニケーションの量が減ったというのももちろんですが、これまでは人材教育に投資しなくてもなんとかなっていた諸問題が、流行病の渦中を通して顕在化し、人材に投資せずにしっかりとした教育をしていないがために仕事に対する意義や目的がみえなくなり、そこから帰属意識を見出せなくなっているのではないかと考えられます。
 
人的資本経営に関わるセミナー「経済産業省未来人材ビジョンより」
  
 
我が国は以下の表の通り世界的に見ても、会社に対する帰属意識やエンゲージメント(個人と組織の成長の方向性が連動していて互いに貢献し開ける関係)は世界最低水準です。
 
人的資本経営に関わるセミナー「経済産業省未来人材ビジョンより」
  
これらの経済産業省の表からも分かるように「人的資本」が、実際の経営でも課題としての重みを増してきているだけでなく、組織の宝である人材に投資して中長期的な成長を見込んでいくという機運が高まっているのではないでしょうか?
 
表から分かるように、世界的に見ても我が国における人材に対する投資の意識は石器時代のままと言ってもいいでしょう。
 
しかし、創業以来、凄まじいほどのエネルギーとお金を人材への投資にかけてきているのが劇団四季なのです。創業者浅利慶太氏の人の育成に対する考え方や実践を例に一般企業が活かせる点をまとめてお伝えしました。

セミナー内の事例と具体的な人材育成のための内容

今回、某大手企業様の管理職やチームリーダーの方々にお伝えさせていただことのメインテーマが「人材の価値を最大限に引き出す」です。
 
私は劇団四季では実際に舞台に立つプレーヤーだけでなく、指導育成担当もしておりました。
 
人材の持っている能力を引き出せるのか潰すのか。
人材がプロとして育っていくのかアマチュアのままなのか。
相手との関係性がよくなるのか破綻するのか。
 
この僅かの差を決めるのは指導育成する側の関わり方でした。
 
主な内容として

・人材の可能性を引き出す関わり方とは
・学習理解度を促進する声かけの方法
・関係性をよくするための関わり
・答えは教えない
・自尊心を高める関わり方の秘訣
・私がしてしまった大失敗談
・ある新人との感動ストーリー
・本人が望むことを支援していくあり方
 
をお伝えさせて頂きました。
 
そのうちの一つである「人材の可能性を引き出す関わり方」をここでご紹介します。

人材の価値を最大限に引き出すのか、潰すのかの違いとは?

ここ接名したのが、引き出すために必要な基本的なコミュニケーションのスタンス(基本姿勢)として
 
わからせようVs理解しようとする
 
の違いです。
 
私たちはどうしてもわからせようとするスタンスでコミュニケーション取りがちです。
 
例えば若手や新人がある同じミスをしたとしましょう。わからせようとするスタンスのコミュニケーションの人は「前も同じミスをしたぞ」「何回言ったらわかるんだ」「いったい何やってんだ」「集中しているのか」と伝えてしまいます。
 
しかし理解しようとするスタンスの人でしたら「前回からどんなことを考えた?」「次に間違えないためにはどんなことができる?」「もう一度やるとしたら?」と問いかけることができます。
 
時代はどんどん変わっています。コミュニケーションの手法も変わっています。その変化に適応せずに自己変革をせず、いわば前者の昭和のコミュニケーションをしていると相手の中ではなにが起こるのか?
 
反発
心を閉ざす
去る
 
のどれかです。わからせようとするスタンスは言わば相手をコントロールすることです。作用反作用の法則でコントロールからは、反発しか生まれないのです。
 
人材の価値を最大限に引き出すために誰にでも今すぐできる事は、 自分自身のコミュニケーションの基本的なスタンスを「わからせよう」ではなく「理解しよう」に変えることです。
 
そのためには「問いかけの力」の向上は必須です。
 
箱根駅伝で有名な駒沢大学の名将大八木監督も昭和型の指導方法から今の社会の価値観に即した指導方法に自分を変化させました。その結果が総合優勝という名門復活です。
 
大八木監督ほどの方がこうしてどんどんと自己革新をしています。現在の可能性を開くためには、今までこうやってきたからとかこうするのが正しいといった自分の固定観念や思い込みを外し、積極的に自らを変化させていく意識が根底でありとても大事だということをお伝えしました。

人的資本経営に関わるセミナーのまとめ

繰り返しお伝えしている通り経済産業省が「未来人材ビジョン」で人的資本経営の重要性を訴えました。経済産業省の指針の通り、時代にとりのこされないためにもこれからますます組織は人材に投資していく必要があります。
 
劇団四季創業者の浅利慶太氏がこの「未来人材ビジョン」の人材育成のコンテンツを見たらどう思うのか?を一人で考えてしまいました。
 
私の中で浮かんできた浅利先生の言葉は「なにをいまさら。そんなことは当たり前だよ。四季はそれを命をかけてやってきたから今があるんだよ。」です。
 
劇団四季の財産は人を育てる方法論が確立されていること。それを進化させていること。全国にある専用劇場や立派なお稽古場は劇団四季の財産ではない。と浅利慶太氏は生前によくおっしゃっていました。逆を言うと人に投資していなかったら、劇団四季はすぐに衰退してしまうということです。
 
今の繁栄は過去から現在にかけて組織の財産である人を資本として考え、そこにエネルギーとお金をかけてきたから。
 
この劇団四季の考え方は、人的資本経営を指針にしている我が国の中小企業から大手企業すべてに学べる点ではないかと思います。
 
日本社会が豊かになるように私の経験を一人でも多くの方に伝えていこうと改めて感じます。
 
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