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突然のスピーチ・会議・プレゼンでアドリブ力を劇的に高める方法
ビジネスの現場で、突然話を振られて頭が真っ白になった経験はありませんか?
会議中に急に意見を求められたり、プレゼン後の質問タイムで予想外の問いを投げかけられたり、懇親会で突然スピーチを頼まれたり…。
心の準備ができていないまま人前で話すことになり、「えっと…」と声にならない音が漏れるばかりで焦る――そんな場面に覚えがあるビジネスパーソンも多いでしょう。
突然の指名に頭が真っ白になってしまうのは決して珍しいことではなく、「失敗したらどうしよう」「恥をかくのでは」という不安から来る自然な反応です。
しかしご安心ください。アドリブ力(即興で話す力)は生まれ持った才能だけで決まるものではなく、後天的に鍛えることが可能です。実は、アドリブ力は事前の準備や日頃の意識しだいで身に着けることができるスキルです。
本記事では、突然のスピーチや予期せぬ場面でも自信を持って話せるようになるための具体的な方法を徹底解説します。
ポイントは「コアコンセプト(自分の軸となる信念やテーマ)を持つこと」です。これらを身につければ、どんな場でも落ち着いてアドリブ対応できるようになります。それでは、緊張で頭が真っ白になる不安を克服し、アドリブ力を劇的に高める方法を一緒に見ていきましょう。
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アドリブ力とは何か?ビジネスで求められる「即興で話す力」
まず「アドリブ力」とは何でしょうか?「アドリブ」とはもともとラテン語の ad libitum(好きなように、気ままに)が語源で、演劇や音楽の世界では台本や楽譜にない演技・演奏を即興で行うことを指します。
転じてビジネスや日常会話では、予期せぬ出来事や問いかけに対して臨機応変に対応し、即興で話を組み立てる力を指す言葉として使われています。決まった原稿や資料がなくても、その場で自分の頭の中にある知識や経験を引き出し、筋道立てて話すスキルと言えるでしょう。
形式張ったプレゼンテーションや事前準備したスピーチは得意でも、「アドリブで一言お願いします」と言われると急にうまく話せなくなる人は少なくありません。しかし、アドリブ力は先天的な才能だけでなく、努力と練習で高めることができます。
ビジネスの現場では予想外のハプニングや突然の指名がつきものです。アドリブ力が高まれば、会議中の突然の質問にも冷静に対応でき、プレゼンで予定外のトラブルが起きても軌道修正しながら話を続けられます。
対人コミュニケーションにおいて信頼感を与え、リーダーシップを発揮する上でも即興で話せる力は大きな武器になるでしょう。
では、どうすればそのアドリブ力を鍛えられるのでしょうか?鍵となるのが、次に紹介する「インサイドアウト思考」と「コアコンセプト」です。
アドリブ力を高めるインサイドアウト思考と「コアコンセプト」を持つ重要性
突然のスピーチで慌てずに話すためには、普段から内なる準備を整えることが大切です。ここでいう「内なる」とは、自分の内面――すなわち考え方や信念、伝えたい軸(コアコンセプト)をしっかり固めることを指します。
この発想を端的に表したのがインサイドアウト思考です。 インサイドアウト(Inside-Out)とは、スティーブン・コヴィー博士の著書『7つの習慣』で中核となる考え方として紹介された言葉です。
簡単に言えば「問題の原因を自分の外側ではなく内側に求め、自分自身の内面を変えることで結果的に外の状況を良くしていく」というアプローチです。
逆に「アウトサイドイン(Outside-In)」は「あの人が○○してくれないからうまくいかない」「環境が悪いせいだ」と外部要因ばかりに目を向ける考え方を指します。
インサイドアウト思考では、自分の内面(考え方や行動)を改善・強化することで周囲の現状を好転させようとします。
この考え方を即興スピーチの場面に当てはめると、「緊張しやすい自分だからダメなんだ」「会場の雰囲気が悪いせいだ」といった外部要因への不満や諦めに目を向けるのではなく、自分の内面(準備や心構え)を変えることで状況を打開しようという姿勢になります。
具体的には、日頃から自分なりの軸となる信念(これを本記事では「コアコンセプト」と呼びます)を磨いておくことで、予期せぬ場でも落ち着いて話ができるようにするのです。
コアコンセプト(信念)とは?
では「コアコンセプト」とは具体的に何でしょうか。それは自分が一番伝えたい中心メッセージや揺るがない信念のことです。言い換えれば、あなたの話す内容すべての土台にある核となるテーマや価値観です。
例えばビジネスにおいて「常に顧客目線を大事にする」という信念を持っている人であれば、それがその人のコアコンセプトとなります。また「データに基づいて論理的に考えるのが信条だ」という人なら、それが軸になるでしょう。
コアコンセプトは人それぞれ異なりますが、自分の中で明確になっていると即興で話す際の羅針盤になってくれます。突然質問を振られても、自分のコアコンセプトに立ち返れば何を言うべきか見えてきやすくなるのです。
言葉に詰まっても、「自分が本当に伝えたい大事なポイントは何か?」と心の中で原点に戻ることで、軌道を修正して話を続けられます。
例えば先ほどの例で「顧客目線」がコアコンセプトの人なら、会議で急に意見を求められても「常にお客様の視点に立つと、この件は○○だと思います」といった具合に、自分の軸からブレない意見を即座に組み立てることができるでしょう。
コアコンセプトが明確だと話の骨組み(結論部分)が常に手元にある状態なので、細部を即興で肉付けすれば一貫性のある主張が展開できるのです。
コアコンセプトの確立がアドリブ力向上につながる理由
では、コアコンセプトを明確にしておくと、なぜアドリブ力が向上するのでしょうか。その主な理由をいくつか解説します。
軸がぶれない安心感が生まれる
コアコンセプトという揺るがない軸があれば、突然質問されても土台がしっかりしている分パニックになりにくくなります。自分が大事にする価値観や信念が定まっている人は、「何を話すべきか」の判断に迷いません。常に軸に沿って考えればよいので、どんなテーマでも落ち着いて対応できるのです。結果として自信を持って話せるようになり、聴き手にも安心感や一貫性が伝わります。
詳細にとらわれず全体像で考えられる
内面の軸があると、その場その場の細かなディテールに引きずられず「自分が伝えるべき全体像」を意識できます。アドリブが苦手な人は往々にして細部の情報や台本通りに話すことに意識が向きすぎる傾向があります。しかし細かな数字や事実ばかりに気を取られていると、それらをド忘れした途端に話せなくなってしまいます。「自分は最終的に何を伝えたいのか」を内側から掘り下げておけば、細部が飛んでも軸さえ押さえれば話を続けることができるのです。「木を見て森を見ず」ではなく、まず森(全体像=コアコンセプト)を見るクセがつくことで、多少の想定外にも柔軟に対処できます。
心の余裕と主体性が身につく
コアコンセプトを確立しようと内省して常に準備していると「何か起きても自分次第でどうにでもできる」という主体的なマインドが育まれます。逆に準備不足だと「突然当てないでほしい…」と環境に翻弄されがちですが、内面からの準備があれば「よし来い!」と心に余裕を持って構えることが可能です。実際、日頃から自分の考えを言葉にしてアウトプットする習慣がある人は、いざという場面でも脳がすぐに言語モードに切り替わりスムーズに言葉が出てくるものです。内側に蓄えがあると精神的な落ち着きも違ってきます。
メッセージに芯が通り説得力が増す
コアコンセプトを持っていると、即興で話しても言いたいことの芯がブレません。軸のある人の言葉には一貫性と熱意が感じられるため、聴き手の心にも響きやすくなります。準備不足で場当たり的に話すとどうしても内容が散漫になったり信念が感じられなかったりしますが、内面から出てきた言葉には説得力が宿ります。結果として「突然の発言だったのに要点がしっかりしていてすごい」と評価されるような信頼感のある発信ができるようになるのです。
以上のように、内面を鍛えコアコンセプトを定めておくことは、アドリブ力向上の土台となります。では次に、実際のビジネスシーンでこのアプローチがどのように役立つか、具体的な場面別に見てみましょう。
シーン別・アドリブ力が活きる実例と応用法
この考え方は、さまざまなビジネスシーンで応用できます。ここでは会議、プレゼン、懇親会のスピーチ、ボランティアイベントといった代表的な場面ごとに、即興対応のコツと実例を紹介します。「自分の職場ではどんな場面で活かせるかな?」とイメージしながら読んでみてください。
シーン1会議で突然、意見を求められたら?
あるある場面:
定例会議や打ち合わせ中、あなたは発表担当でもないのに、突然こう言われます。
「○○さん、この件についてどう思いますか?」
――そんな時、ドキッとしませんか?
よくある心理状態:
心の準備はゼロ。頭の中は真っ白。
「えっと…自分は何を言えばいいんだ…?」と混乱してしまい、
気づけば出てきたのは「特に異論ありません…」という無難な一言。
上司や同僚の視線がさらにプレッシャーを強めます。
対処法:あなたの「コアコンセプト」が救ってくれる
こんな時こそ、力を発揮するのが 「コアコンセプト(信念)」 です。
たとえばあなたが「データに基づく判断を大事にしている」人なら、こう切り出せます。
「私はデータの裏付けを重視しています。この件についても、手元の数値を見ると…」
また「現場目線を大切にしている」なら、こう切り出してみましょう。
「現場の声を踏まえると、このような意見が挙がっています」
日頃から自分の中に信念が育っていれば、どんな場面でも 自分の軸 を起点に意見を組み立てられます。
即・使える3つのコツ
① 質問を“オウム返し”で考える時間をつくる
いきなり答えられない時は、まず質問を言い換えてみましょう。
「○○についての私の意見ですね?」
このひと言で、数秒間の余裕が生まれ、頭の整理ができます。
② 結論→理由 のシンプル構成で話す
焦ると話が散らかりがち。まずは結論を一言で。
「私の意見は○○です。なぜなら…」
要点だけ伝え、補足は質問が出てからでも十分です。
③ 会議前の“もしも”イメトレが効く
毎回の会議前に、「もし今ここで意見を求められたら?」と想定しておきましょう。
話す内容が当たらなくても、構えるだけで落ち着きが全然違います。
突然の指名に強くなれるかどうかは、準備と信念しだい。
あなたの「軸」を持っておくだけで、いざという時の言葉に芯が通ります。
シーン2プレゼン中、予想外の質問が飛んできたら?
あるある場面:
プレゼンの途中、あるいは終了後のQ&Aタイム。
「想定していなかった質問が突然飛んでくる!」
――そんな経験、ありませんか?
よくある心理状態:
台本どおりに話していたのに急に流れが崩れ、焦りが走る。
「しまった…準備してない内容だ…どう返せばいい?」
そう感じた瞬間、言葉に詰まり、あいまいな回答になってしまうことも。
対処法:プレゼン前に“軸”を決めておこう
こうした場面に強くなるために必要なのが、「コアコンセプト(=そのプレゼンの核心メッセージ)」を事前に明確にしておくことです。
たとえば新サービスの提案プレゼンなら、あなたのコアコンセプトは
「このサービスでお客様の〇〇という課題を解決する」
といった、伝えたい本質の部分です。
予想外の質問が来ても、まずこの軸に立ち戻ることができれば、回答に一貫性が生まれます。
こんな切り返しが理想です:
「ご質問ありがとうございます。一番お伝えしたいポイントは〇〇です。その観点から申し上げると…」
答えに迷ったら、“コアコンセプト(信念)”に戻って話を組み立てれば、軸のブレない応答ができるようになります。
即対応できる!予想外の質問への3つのコツ
① 質問は「チャンス!」と前向きに受け止める
ギクッとする質問が来ても、実はそれは“興味を持ってもらえた証拠”。
「これは深堀りのチャンスだ!」と考えて、笑顔でゆっくり反応しましょう。
表情が落ち着くと、頭も整理されてきます。
② ワンクッションで“考える余白”をつくる
即答できなくても大丈夫。「良いご質問ですね」「少しだけ確認させてください」などのひと言で、頭を整える時間が生まれます。
その数秒で、コアコンセプトを思い出してから、落ち着いて答えましょう。
③ リハーサル時に「質問される練習」をしておく
スライドの練習だけでなく、Q&Aも想定して準備を。
「このスライド、どう突っ込まれそうか?」と考えておくことで、本番も安心。
ただし丸暗記はNG。キーワードだけ決めて、即興で話す練習をするのがポイントです。
質問は、あなたの話をもっと深く知りたいというサインです。
想定外の問いにも、堂々と答えられる自分を作っていきましょう。
シーン3懇親会で「締めのスピーチ」を突然振られたら?
あるある場面:
社内外の懇親会や打ち上げの終盤。
司会者から突然こう言われます。
「では、○○さん。最後にご挨拶をお願いします!」
――え、いきなり自分が話すの!?
よくある心理状態:
ついさっきまで笑顔で食事と談笑を楽しんでいたのに、一気に緊張モード。
「何を話せばいい?失礼のないこと?ウケること?…頭が真っ白…」
グラスを持つ手が震えだし、周囲の視線にさらに緊張が高まります。
対処法:場の“目的”と“自分の信念”に立ち返る
こんな時こそ落ち着いて、「このスピーチの目的は何か?」を自分に問いかけてみましょう。
たとえば——
参加者全員に感謝を伝える
会の雰囲気を気持ちよく締めくくる
この「目的」を押さえたうえで、自分の中にあるコアコンセプト(信念)とつなげてみましょう。
たとえば「人とのつながりを大切にする」という価値観を持っているなら、それに沿って自然に言葉が出てきます。
「皆さんとのご縁に心から感謝しています。実は〇〇さんとのこんなエピソードがありまして…」
こうした内側からの想いをベースにすれば、飾らない言葉でもしっかり伝わります。
インサイドアウトの考え方に立ち返れば、気取らず・背伸びせずに、等身大のスピーチができるのです。
即席スピーチでも安心!2つの実践コツ
①「挨拶→エピソード→締め」の基本フォーマットを覚えておく
懇親会スピーチには王道の型があります:
挨拶:「本日はお集まりいただきありがとうございます」
ひとこと感謝・エピソード:「〇〇さんとの出会いでこんな学びがありました」
締め:「今後ともどうぞよろしくお願いいたします!」
この3ステップさえ頭に入っていれば、即興でも十分スムーズに話せます。
②「スピーチ=練習の場」と割り切る
スピーチを頼まれたらラッキー!そう考えて、積極的に引き受けてみましょう。
最初はドキドキしても、場数を踏めば踏むほど確実に慣れていきます。
照れずに一歩踏み出すこと、それ自体が“内面を鍛える”インサイドアウトな行動です。
突然のスピーチは、あなたの人柄や信念がもっとも自然に伝わるチャンス。準備していないからこそ、飾らない“本音の言葉”が、会場を温かく包みます。
「緊張したけど、話してよかった」――そんな実感を、あなたも味わってみませんか?
以上、シーン別の実例と対応法を見てきました。共通しているのは、事前に自分の中に軸(コアコンセプト)やネタのストックがあればあるほど、即興でも落ち着いて対応できるという点です。次の章では、そうした「内側の準備」を日頃から鍛えておくための具体的なトレーニング方法をご紹介します。
突然振られても対応できる!アドリブ力を高めるトレーニング方法
アドリブ力向上の秘訣は、日々の積み重ねにあります。ここでは、今日から始められる具体的なトレーニング方法をいくつか紹介します。どれも特別な道具や費用は必要ありません。スキマ時間にコツコツ取り組むことで、確実に「突然話を振られても大丈夫!」という自信がついてきます。
1. コアコンセプト(信念)のリストを作成する
最初のステップとして「信念リスト」で“話せる自分”を準備しましょう。
いざという時、言葉が出てこない。その原因は「伝える軸=コアコンセプト」が明確でないからかもしれません。
でも大丈夫。最初に取り組むべきは、あなた自身の信念を“見える化”することです。スマホのメモアプリでも、紙のノートでも構いません。
まずは「自分が大切にしている考え方=信念リスト」を作ってみましょう。
つくり方たったの3ステップ
① 自分が大事にしている価値観を“書き出す”
仕事や人生において「これだけは譲れない」と思う信条やモットー、座右の銘を書き出してみましょう。
たとえば:
誠実であること
チャレンジを恐れない
チームワークを重視する
5〜10個くらいを目安に、自分の中にある“言葉になっていない思い”を棚卸ししてみてください。
② 一言フレーズに“言語化する”
書き出した信念を、それぞれ短いキャッチフレーズに変換します。
長々とした文章よりも、「○○第一」「失敗歓迎」「現場主義」など、パッと頭に浮かぶ言葉にしておくと記憶にも残りやすくなります。
③ 優先順位をつける
リストの中で「これだけは絶対外せない」と思うものに星マークを。
それが、あなたの“最重要コアコンセプト”です。
優先度を意識することで、話すときの“核”がより強くなります。
信念リストは“更新する前提”でOK。
人の価値観は、経験とともに自然に変わっていくもの。だからこそ、リストは一度作って終わりではなく、定期的に見直すことをおすすめします。
その都度「今の自分は何を大事にしているのか?」と向き合うことで、あなたの言葉にはどんどん深みが増していきます。いざ会議やスピーチで意見を求められたとき、自分が「何を語る人なのか」が明確だと、反応も速くなります。
信念リストは、言葉に詰まらないための“準備”であり、あなたの内なる軸を可視化する“最強のメモ”でもあります。信念が明確だと、言葉は自然に出てくるようになります。
2“声に出す”ことでアドリブ脳が目覚める
アドリブが苦手な人に共通するのは、頭の中で考えるだけで満足してしまうこと。でも、本番で口が動かないのは、「話す練習」をしていないからなんです。
アドリブ力を高めるには、実際に声に出して話すこと。考えたことを即座に言葉にする“回路”は、話すことでしか鍛えられません。
3つのおすすめ練習法
① 1分即興スピーチ|「今日のニュース」で脳を回す
新聞やネットニュースから気になる話題をひとつ選び、タイマーで1分。即興で自分の意見や感想を話してみましょう。
たとえば:
「○○というニュースを見ました。私はこう思います。なぜなら~」
台本なし、準備なしで、その場で構成を組み立てる訓練になります。1日1トピックでも、続けることで言葉の瞬発力がついてきます。
② ボイス日記|“書かない日記”で表現力アップ
夜寝る前、スマホのボイスメモに向かって今日あった出来事を話してみるだけ。最初は30秒でもOK。文字ではなく“言葉”で日記をつける感覚です。
「今日は○○があって、こんな気づきがあった」と、一日を振り返りながら自分の感情を言語化する習慣は、話す力をじわじわ育てます。
練習したら、できれば自分の話す様子を録音・録画して見返してみてください。最初は恥ずかしいかもしれませんが、「話すスピードはどうか?」「語尾が弱くないか?」など、客観的に自分のクセが見えるようになります。
フィードバックは、“言葉の筋トレ”に欠かせない鏡です。
声に出す習慣を続けていると、日常会話でも自然と“考えながら話す力”がついてきます。つまり、「話すための脳」が日常から活性化するのです。いざという場面でスッと口が動くようになるのは、この“日々の声出し”の積み重ねにほかなりません。
3“話の引き出し”はネタ帳でつくる!
アドリブで話せる人ほど、実は日頃からネタを集めています。急に話を振られても困らない人たちは、天才的な即興力があるわけではありません。
彼らの強みは、「話のタネを日常の中から拾ってストックしていること」。
あなたも今日から始められる習慣――それがネタ帳づくりです。
「突然スピーチをお願いされて、何を話そうか困った」
「会議で雑談を求められたけど、気の利いた話が出てこなかった」
「講師として、もっと話題に深みを出したい」
――そんな時に役立つのが、自分だけのネタ帳です。
ネタ帳の作り方|3ステップでOK
① 日常にアンテナを立てて、“タネ”を拾う
通勤中の一コマ、読んだ本の一文、職場でのちょっとした気づき。「これ、話のネタになるかも?」と思った瞬間に、スマホのメモアプリやノートに即メモ!
例:
昨日の打ち合わせで部長が言った一言
駅で見かけた親子のやりとり
本で読んだ面白いデータや比喩表現
箇条書きでOKです。「あとで振り返って思い出せること」が大事です。
② 分類・タグ付けで“使いやすく”整理する
ネタが増えてきたら、カテゴリ別にざっくり分けましょう。
たとえば:
【仕事】プレゼン・会議・営業で使える話
【雑談】小話・季節ネタ・時事
【自分史】失敗談・成功体験・趣味話
アプリならタグ機能も便利です。「感動」「笑える」「失敗」「業界別」など、あとで探しやすくしておくと超便利!
③ 情報は“アウトプット前提”で仕入れる
ネタ帳づくりに慣れてくると、普段のインプットの視点も変わってきます。
ニュースを見た時に——
「この話、朝礼で使えるかも」
読書中に——
「この例え、あのプレゼンに応用できる!」
“誰かに話す前提”で情報を取り込むと、記憶にも定着しやすくなります。
ネタ帳は「あなたのためだけの話し方教科書」です。ネタ帳を日々更新していけば、突然スピーチを振られても、雑談を求められても、もう慌てません。
「最近読んだ本で…」
「実は先日、こんなことがありましてね」
あなたの中に話題の“引き出し”がいくつもあれば、自然と会話やスピーチに自信が持てるようになります。
スマホのメモアプリでOK。まずは1日1ネタ、気づいたことを書いてみましょう。ネタ帳は、あなたのアドリブ力を底上げする“秘密兵器”になります。
4″ちょっと遊び感覚”でOK!模擬Q&Aで場数を踏もう
「練習はちょっと苦手…」
「何をしたらいいかわからない…」
そう感じる方こそ、このステップが一番おすすめです。
アドリブ力を伸ばすには、本番に近い形で「話す」体験を少しずつ積んでいくことが大切。でも、堅苦しいことは一切なし。ここで紹介するのは、仲間と楽しみながら・一人でも気軽にできる、“遊び感覚”のトレーニングです。
やってみよう!3つの気軽な練習法
① 即興Q&Aゲーム|「質問→1分で答える」だけ!
友人や同僚とペアになって、即興質問→即答チャレンジをしてみましょう。ルールはシンプルです。
たとえば:
「最近、嬉しかったことは?」
「子どもの頃の夢は?」
「好きな映画とその理由は?」
こうした問いに、1分以内で答えるだけ。慣れてきたら、PREP法(結論→理由→具体例→結論)の型に当てはめて答えてみましょう。最初はうまくいかなくてもOK。回数を重ねることで、頭の回転がぐんぐん鋭くなります。
② お題スピーチ|30秒で“ちょこっと話す”練習
もう少し手軽に試したい方には、お題スピーチがおすすめです。
やり方:
家族や仲間にランダムなお題を出してもらい、それについて30秒~1分話すだけ!
たとえば:
「宇宙旅行について」
「私の好きな食べ物」
「理想の休日」
1人でも、テーマを書いた紙を用意して“くじ引き”のように引くだけで練習できます。都道府県名・季節のイベント・日常の小ネタなどもおすすめです。「短く、でもちゃんと伝わる」練習になるうえに、ネタ帳との相性も抜群なんです。
③ 動画に撮って自分を見てみよう
ちょっと勇気がいるかもしれませんが…できれば、自分の即興スピーチをスマホで録画してみてください。
再生してみると、意外と発見があります。
「思ったより声が小さいかも?」
「“えーと”が多いな」
「笑顔、案外出てるじゃん!」
自分の癖に気づけることで、次の改善ポイントがはっきりします。気軽に、“振り返りの鏡”として活用してみてください。
毎日のこのちょっとした練習が、“反射神経”になります。このような即興練習を日々少しずつ繰り返すことで、本番でも不思議と「言葉がスッと出てくる感覚」が育ってきます。
完璧を目指さなくていいんです。むしろ、うまくいかなかった体験こそが、本番での安心感につながります。「やってみたら、意外と話せた」その経験が宝物になるのです。
まずは一つ、どれか試してみてください。きっとあなたの中にある“言葉の回路”が、少しずつ目を覚まし始めます。
おわりに:アドリブ力は誰でも伸ばせる
突然のスピーチや予期せぬ質問に慌ててしまうのは、決して才能や性格の問題ではありません。日々の準備と練習次第で、アドリブ力は確実に高めることができます。自分の内面(考え方や準備)を変えていけば、外側の結果(本番でのスピーチ成功)もきっと変わるでしょう。
重要なのは、自分のコアコンセプトを持ち、内側に芯を通すこと。それがあるだけで、どんなに突発的な場面でもあなたの言葉には軸が生まれ、自信を持って話すことができます。
さらに日頃から今回ご紹介したようなトレーニングをコツコツ続ければ、頭が真っ白になる瞬間は減り、「むしろ即興の方が得意かも!?」と思える日が来るかもしれません。
あなたのコアコンセプトは何ですか? まだ明確でない方も、これを機にぜひ自分の軸について考えてみてください。
そして明日からは小さな場面で構いません、さっそく実践練習を始めてみましょう。準備した分だけ自信につながり、いざというとき必ずあなたを支えてくれるはずです。
さあ、次に突然マイクが向けられる時には、胸を張って笑顔で一言、語ってみませんか?あなたの内側にあるメッセージを信じて。きっと周囲の心に響く素晴らしいアドリブができることでしょう。
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