コラム|佐藤政樹 劇団四季元主演 オフィシャルHP

夢と感動を届ける人材育成トレーナー 佐藤政樹
HOME > コラム > 新入社員が身につけるとよい話し方:結論ファーストのPREP法とは

新入社員が身につけるとよい話し方:結論ファーストのPREP法とは

LINEで送る
Pocket

「で、結局何が言いたいの?」と言われてしまうあなたへ

社会人になって最初の壁。それは、「自分の考えをうまく伝えることができない」という悩みではないでしょうか?

会議で発言したとき、「うん…で、結論は?」と先輩に言われた。
上司に報告したつもりが、「つまり何が問題なの?」と返された。
せっかく準備した提案も、なぜか流された。

そんな経験をすると、自信をなくしてしまいがちです。
「話すのって苦手だな…」「まだ社会人経験が浅いから仕方ない」と感じるかもしれません。

でも実はそれ、“話し方”の問題というより、“話し方の順番”の問題かもしれません。

本記事では、新入社員にぜひ身につけてほしい話し方の基本「結論ファースト」と、それを誰でも実践できる形にした「PREP法」について、理由と具体例を交えてご紹介します。
 

この記事を書いた人:佐藤政樹(研修講師・著者)
劇団四季出身元主役。「人を惹きつける話し方」(プレジデント社)著者。受講生を惹きつけながら“気づき”と“学び”を引き出す研修をモットーに、新入社員研修から行政・金融・教育・医療分野まで幅広く登壇。詳しくはページ下部のプロフィール・研修情報をご覧ください。

この記事の結論と要約:

結論から話す「PREP法」は、新入社員が信頼され、仕事をスムーズに進めるために欠かせない話し方の基本です。報告・相談・プレゼンの場面で「何を言いたいのかが伝わらない…」と悩む方にこそ効果的で、自分の考えを整理し、相手に納得感をもって伝える“思考力”も同時に鍛えられます。PREP法を習慣にすることで、話す力と考える力の両方が伸び、評価や成果にもつながります。「伝えるって、こういうことか!」と気づける内容です。この記事では新社会人だけでなく、プレゼンや報連相に悩むすべての人に役立つヒントが詰まっています。
 

新人研修ユニーク

元劇団四季主役が動画でプロ意識を伝える新入社員研修

なぜ“結論ファースト”が社会人の基本なのか?

なぜ“結論ファースト”が社会人の基本なのか?

ビジネスの世界で求められるのは、「伝える力」ではなく「伝わる力」です。ここでいう“伝わる”とは、ただ情報を届けることではありません。あなたの言葉が相手の理解を助け、行動を引き出し、結果につながること――これが、社会人としての「伝える」の本当のゴールです。

そのために欠かせないのが、“相手目線で話す”という姿勢。つまり「自分がどう話したいか」よりも、「相手がどう聞けば納得し、動きやすくなるか」を考えることです。

そして、この“相手目線”をもっともシンプルに体現するのが、「結論ファースト」という話し方。では、なぜ結論を先に伝えると伝わりやすくなるのか?

この先では、結論ファーストの具体的なメリットを、「相手にとっての利点」という6つの観点からわかりやすくご紹介していきます。

「伝わる社会人」への第一歩として、ぜひこの6つの視点をチェックしてみてください。

1. 相手の「脳内整理の労力」を減らせる

「結論が最初にない話」は、聞き手にとって非常にストレスの大きい聞き方になります。なぜなら、話の全体像や意図をつかむ前に、断片的な情報だけが先に届いてしまうからです。

その結果、聞き手は「これは何の話なのか?」「どこに向かっているのか?」を自分の頭の中で予測しながら聞くことになります。つまり、話の骨格を自力で構築する必要があるということです。

この状態は、知らず知らずのうちに脳の負荷を高めてしまうため、内容が頭に入りづらくなったり、途中で集中力が切れてしまったりする原因になります。

一方、最初に「私はこう思います」と結論を提示しておけば、相手はその結論を“軸”にして、後の説明や理由を受け取ることができます。聞き手の中に情報の受け皿が用意された状態をつくることができるのです。

このように、「話の骨格」をあらかじめ示すことで、相手の脳内整理の労力をぐっと減らし、話の理解スピードと納得感を高めることができる。それが“結論ファースト”という話し方の大きな価値なのです。

2. 「何を伝えたいのか」が明確になり、無駄な往復が減る

結論を最後まで引き延ばす話し方には、大きな落とし穴があります。それは、聞き手に「この話は何の話なのか」「何を伝えようとしているのか」が伝わらないまま、曖昧な情報だけが続く状態を生んでしまうということです。

そのような話し方をされると、聞き手はつい口に出してしまいます。

「つまり何が言いたいの?」「で、どうしたいの?」

このような確認のラリーが何度も繰り返されると、本来必要のない会話の往復が生まれ、相手の集中力とエネルギーを無駄に奪ってしまうことになります。

聞き手が“意図を読み取る作業”に追われてしまえば、本題にたどり着くまでに不要な時間が発生します。さらにその過程で、聞き手はストレスを感じてしまうのです。

一方で、話の冒頭で「この話は何のための話なのか」「自分がどうしたいのか」を明確に伝えれば、相手は迷わず情報を受け取ることができ、確認や補足の往復を最小限に抑えることができます。

ビジネスでは、一度で伝わる話し方が高く評価されます。PREP法のような“結論ファースト”の話し方は、相手にとって理解しやすく、やり取りの効率も飛躍的に高まります。

3. 結論が先にあると、相手の判断が早くなる

ビジネスの現場では、上司や先輩に何かを伝える場面が日常的にあります。そのときに大切なのが、「相手がすぐに判断できるように話すこと」です。

忙しい人ほど、話を聞きながら「これは自分にどう関係あるのか?」「どう対応すればいいか?」をすばやく判断しようとしています。けれど、結論が最後まで出てこない話し方をされると、「これは相談?報告?依頼?」と考えながら聞くことになり、判断に時間がかかってしまいます。

一方で、最初に結論を伝えると、聞き手は話の目的や方向性をすぐに理解できます。それによって、的確なアドバイスを返したり、必要な判断をその場で下したりすることができるようになります。

また、経験のある上司ほど、結論を聞いた瞬間に「それならこういう方法もあるかもしれない」と、新たな視点やアイデアを思いつくことができます。話のスタートに結論があることで、相手の思考がすぐに動き出す状態になるのです。

つまり、結論を先に伝えることで、話の内容を正確に届けるだけでなく、相手の判断や行動をスムーズに引き出すことができるということです。

4. 相手の“時間”を尊重できる

社会人にとって、もっとも貴重な資源のひとつが「時間」です。上司も先輩も取引先も、限られた時間の中で日々、数多くの判断や対応に追われています。だからこそ、相手の時間を大切にできる人は、それだけで信頼を得やすくなるのです。

一方で、なかなか結論にたどり着かない話し方をしてしまうと、聞き手は「この話、何が言いたいんだろう?」と話の意図を探りながら聞くことになり、会話のスタートから思考のエネルギーを奪われます。

確認のやり取りが増えれば、それだけでコミュニケーションの所要時間は伸びていきます。お互いの時間には、確実にコストが発生しているのです。

結論のない話し方は、無意識のうちに“相手の時間泥棒”になってしまう可能性があるということを、忘れてはいけません。

その点、結論を冒頭で伝える話し方は、相手にとって非常に親切です。話の要点がすぐに把握できるため、「この人はこちらの時間をきちんと考えている」と感じてもらえます。

それは単なる話し方のテクニックではなく、相手への配慮がにじみ出た“ビジネスマインド”の表れです。

「自分の時間を無駄にされたくない」と感じるのと同じように、相手も同じように感じている。この意識を持てるかどうかが、信頼される社会人とそうでない人との分かれ道になります。

結論ファーストの話し方は、相手の時間を大切にする姿勢そのもの。その習慣が、あなたへの信頼や評価を積み重ね、やがてチャンスを引き寄せる力になっていきます。

5.提案や相談が“受け入れられやすく”なる

新入社員にとって、「自分の意見をどう伝えるか」は大きな課題のひとつです。一生懸命に考えて話したのに、うまく受け入れてもらえなかった――そんな経験はありませんか?

その原因は、内容そのものではなく、“伝え方の順番”にあるかもしれません。

最初に「結論」を伝えるだけで、相手の聞く姿勢は大きく変わります。話の要点がすぐにわかることで、相手は判断しやすくなり、内容にも集中して耳を傾けてくれるようになるのです。

また、結論から話せる人は、「考えが整理されている」「責任感がある」という印象を与えます。筋道の通った提案は、上司や顧客の心を動かす力があります。

内容が良くても、伝え方ひとつで受け取られ方は変わります。結論ファーストを意識するだけで、提案や相談の伝わり方は格段に良くなるはずです。まずは一言目で、「私はこう考えます」と伝えることから始めてみましょう。

6.“信頼できる人”という印象を持たれる

新入社員にとって、最初に目指すべき姿は「周りから信頼される人になること」です。そして、その信頼は仕事の実績だけでなく、日々の話し方や伝え方からも自然と生まれていきます。

前置きばかりで要点が見えない話し方をしてしまうと「この人はまだ自分の考えが定まっていないのかな?」という印象を与えてしまいます。

逆に、結論から話す人は「この人は考えが整理できてる」「任せても大丈夫」と感じてもらいやすい特徴があります。相手に無駄な推測をさせず、要点をスッと届けられる話し方は、それだけで安心感を与えます。

結論ファーストの話し方は「自分の考えを明確に持っている」という姿勢の表れでもあります。ただ言われたことをこなすだけでなく、自分で考え、意志を持って伝えている人だと受け取ってもらえるのです。

その積み重ねが「この人には仕事を任せてみよう」と思ってもらえるチャンスを広げていきます。

話し方は、単なるスキルではなく、その人の思考や仕事への姿勢を映し出すもの。だからこそ、結論ファーストの習慣を身につけることは、信頼を築くための確かな一歩になるのです。

話す順番に迷わない「PREP法」とは?

結論から話すことの大切さがわかっても、「実際にどう話せばいいのか」「具体的な型はあるのか」と感じる方もいるかもしれません。

そこでおすすめなのが、誰でもすぐに使えるシンプルな話し方の型「PREP法」です。

PREPとは:

P(Point)=結論
R(Reason)=理由
E(Example)=具体例
P(Point)=再主張(まとめ)

この流れに沿って話すだけで、聞き手が理解しやすく、納得もしやすい構造になります。

【実例】PREP法で会議発言をする時
たとえば、新入社員が会議で意見を求められたとき、こんなふうに話すことができます。

P(結論)
「私は、今回の販促企画はB案のほうが成果につながると考えます」
R(理由)
「ターゲット層との接点が多いSNSを、私自身が長く活用してきたからです」
E(具体例)
「たとえば、学生時代にイベントをSNSだけで告知し、3日で300人の集客に成功した経験があります。B案も似た手法です」
P(再主張)
「この経験を活かして、B案の実行面でも貢献できると思っています」

自分の体験をもとに語ることでリアリティが増し、発言に説得力が生まれますよね。どんなイベントをやって、なぜ300人も集められたのか、聞きたくなります。

【関連動画セミナー】

PREP法は話し方以上に「考え方」を鍛えるトレーニング

ここまでお伝えしてきたように、PREP法は単なる話し方のテクニックではありません。むしろ本質は、「話す前に自分の考えを整理する」ための思考トレーニングにあります。

PREP法で話すためには、「自分の結論は何か?」「なぜそう考えるのか?」と、自分自身に問いを立てる力が求められます。つまり、PREP法を繰り返し使うことは、思考の整理力を高め、自分の意見を持つ訓練にもなるのです。

私自身も、PREP法を使って日々トレーニングを重ねています。

具体的には、1分以内で伝えるYouTubeショート動画を、PREP法の型に沿って1年以上継続中です。テーマは、プレゼンや伝え方のTIPS。限られた時間で「何を言いたいのか」「なぜそう言えるのか」を毎回言語化する習慣が、確実に頭の中を鍛えてくれました。

また、読書後にPREP法で感想をアウトプットすることも習慣にしています。本を読んで終わりにするのではなく、「一番の学び」を結論と理由を持って整理し、自分の言葉で語ることで、理解と記憶の定着が格段に高まりました。

このように結論から話すPREP法は、「話し方を整える」だけでなく、「自分の頭で考え、伝える」ための力を養う実践的なツールです。それは、社会人にとっての土台となる力でもあります。

結論から話すことは、誰にとっても簡単なことではありません。特に新入社員のうちは、「自信がない」「間違っていたらどうしよう」といった不安から、つい説明から入ってしまいがちです。

だからこそ、結論から話すには“勇気”よりもまず思考の整理が必要なのです。

自分なりの視点や背景を持っていなければ、そもそも結論を出すことはできません。だからこそ、PREP法を使った日々のトレーニングは、「話す力」と同時に「考える力」を磨く最高の実践になります。

その場しのぎで言葉を並べるのではなく、

「なぜ自分はそう考えるのか?」
「この意見は、どんな背景や経験に基づいているのか?」

と自分に問いかけることで、あなたの発言には深みと説得力が宿っていきます。

PREP法は、話し方の型であると同時に、“話す前に考える”という習慣を育てるツールです。ぜひ明日からの報告・相談・プレゼンの場で、この「型」を味方にしてください。それが、信頼される社会人への第一歩になります。
 
新人研修ユニーク

元劇団四季主役が動画でプロ意識を伝える新入社員研修

【おすすめ記事】
「面白くて効果的な研修って?」驚きの成功事例とまとめはこちらでチェック

筆者の3分講師紹介動画

劇団四季出身の講師である筆者プロフィールはこちら

LINEで送る
Pocket

【下記画像をクリックして、無料動画セミナーを観る】 >>詳細が気になる方はこちらをクリック<<
 
話し方やプレゼンとともに
発声について学びたいというビジネスパーソンの方
士業、先生業、講師、コンサルタントの方
がとても多いので

発声について基礎を学べる1時間10分の無料の解説動画を作りました。

・発声に関する基礎知識
・声に一本芯が通る理由
・具体的な練習方法…他

などの知識と情報が得られますので、ぜひご覧ください!!

>>無料動画セミナーを観る<<

SNSでも発信してます
 
テーマ: 伝わる話し方, 二十代の生き方ゼミ タグ: , , ,

関連する記事

カテゴリー「伝わる話し方 | 二十代の生き方ゼミ」の記事

カテゴリー「プロの心構え」の記事