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マインドフルネスが続々と企業に取り入れられている理由と導入事例と方法

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マインドフルネスとは
・社員に健康的に働いてもらいたい
・最近、心の病気になる社員が増えている
・職場のギスギスした雰囲気を改善したい
・メンタルヘルスが問題になっている
・社員の離職を防ぎたい
 
こうした悩みや問題が、昨今、多くの日本企業で浮かび上がってきています。大きな社会問題としてメディアで頻繁に取り上げられています。
 
その解決策の一つとされているのがマインドフルネスです。マインドフルネスといえば、宗教やスピリチュアルをイメージする方も少なくないでしょう。しかし、グーグルや多くのグローバル企業でマインドフルネスが導入されているように、ビジネスにおいて多大な効果をもたらすということで注目されているのです。
 
マインドフルネスが具体的にどのような効果をもたらすのか?
マインドフルネスをどのように実践すればよいのか?
 
本コラムの中で詳しくお伝えしてまいります。マインドフルネスは、グーグルの社員たちだけの特別なスキルではありません。皆さんにも簡単に実践できます。このコラムでは具体的な実践方法を皆さんに伝授したいと思います。

マインドフルネスとは何か?

マインドフルネスの第一人者であるジョン・カバットジン氏によりますと、マインドフルネスは「意図的に、今この瞬間に、評価や判断とは無縁の形に注意を払うこと」と定義しています。
 
ざっくり言うならば、「あるがままの状態」こそがマインドフルネスともいえます。
 
マインドフルネスといえば、瞑想や呼吸をイメージする方が多いのですが、瞑想や呼吸はマインドフルネスな状態になるための手段に過ぎません。
 
皆さんは、普段からこんなことを考えたりしていませんか?
 
・あいつはおれの考えをまったく理解していない
・なんであんなことをやってしまったんだろう?
・月曜会社に行きたくない。もう今から憂鬱すぎる。
・今日中にあれもやらないといけないし、これもやらないといけない。ああもう、やること多すぎて嫌になる!
 
こうした状態は、思考が過去や未来に飛んでいたりします。マインドフルネスの定義とはまったく真逆、いまここにあらずの状態です。
 
しかも、気分はどうでしょうか?決していい気分ではないはずです。モヤモヤとか不安とか怒りとか、そんな感覚が湧いてきそうです。現代人あるあるですが、ご飯を食べながらスマホを見てしまう行為も、マインドフルネスからは程遠いことです。
 
こうした余計な思考や感情、行動を削ぎ落とし、今この瞬間に自分がしていること、感じていることに目を向けることこそが、マインドフルネスな状態なのです。

この説明だけだと、宗教やスピリチュアル感がどうしても拭えません。しかし、マインドフルネスは後述するように西洋医学に応用されるだけでなく、ビジネスにおける健康経営や社員のメンタルヘルスにおいて劇的な効果をもたらしてくれるのです。

Googleだけじゃない!マインドフルネスを導入する一流企業5社をご紹介

【Apple】社内に瞑想ルームも設置!創造性が高まり製品・サービス開発にも寄与

Apple
Appleでは、社内に瞑想ルームを設置したり、業務時間内のおよそ30分を瞑想の時間にあてるなど、マインドフルネスに積極的に取り組まれている様子です。
 
iPhoneやiPad、Apple Watchといった画期的な製品を次から次へと世の中に送り出すApple。こうした製品群を素早く生み出す背景には、彼らの創造性によるところが大きいのだろうと思います。Appleがマインドフルネスを導入する背景には、社員の創造力を高めたり、エンジニアのパフォーマンスを上げることにあります。

【ゴールドマンサックス】社内で瞑想アプリの利用を推奨する動きもあり

ゴールドマンサックスといえば、米国ニューヨークに本社をおく大手金融系の企業です。日本法人に勤務する証券マンによっては年収2,000万円を超える人もいるとのこと。その分、日々ハードな仕事が求められることと思います。
 
そんなゴールドマンサックスでも、マインドフルネスが一部で取り上げられているようです。社員の健康プログラムの一環として、回復力(レジリエンス)に着目し、個人の自己管理能力を高めるためにマインドフルネスが利用されています。
 
また、社員の福利厚生の一環として「瞑想アプリ」の利用も促進しているそうです。瞑想アプリとは、リラックスした音楽を流し、瞑想によってマインドフルネスに入りやすい状態をつくるためのアプリです。

【ヤフー株式会社】800人以上が参加!リーダー育成の手段としてマインドフルネスを活用

マインドフルネスを企業内で積極活用しているのは欧米の企業ばかりではありません。ヤフー株式会社のように、マインドフルネスを人材育成の手段として積極的に取り入れている企業もあるのです。
 
企業内大学であるYahoo!アカデミアの中で、リーダー育成として「メタ認知トレーニング」を展開しています。「メタ認知」とは、“自己の認知活動(知覚、情動、記憶、思考など)を客観的に捉え、評価した上で制御すること”を意味します。
 
ヤフーの場合、マインドフルネスを単なるメンタルヘルスや仕事の生産性向上という狭い枠組みで捉えているわけではありません。マインドフルネスが、パフォーマンスの指標となる「プレゼンティズム」を改善することに着目し、リーダーたちの内面の気づきを促すためのトレーニングを実施しています。

(プレゼンティズムの詳しい説明はあとでじっくりさせていただきます)

【Sansan株式会社】社員の生産性向上策としてSIYを全社的に導入

「それさぁ、早く言ってよ」でお馴染み、クラウドでの名刺管理サービスを提供するSansan株式会社。
 
Sansan株式会社では、Googleが開発したプログラム「SIY(Search Inside Yourself)」を自社の管理職向けの研修として2017年に実施しました。マインドフルネスを取り入れる前より、当社では社員の健康増進およびパフォーマンス向上を図っていたとのこと。例えば、血糖値の上がりにくい食事や睡眠に関することなど。マインドフルネスを全社的に導入した日本企業は、Sansan株式会社が初めてだったそうです。
 
科学的な裏づけが取れていて、こうした導入事例が増えてくれば、日本の企業でもマインドフルネスの定着がこれから進んでくるのではないでしょうか。

【メルカリ】社員の自主的な活動によりプロコーチを招いて社内でマインドフルネスを実践

今や世界的にメジャーとなったフリマアプリを展開するメルカリ。皆さんも、一度は使われたことがあるのではないでしょうか。メルカリも、世間一般ではIT企業に位置付けられる会社であり、エンジニアを社内に多数抱えています。
 
しかし、他のIT企業のように残業時間や離職率が高いわけではなく、社員の会社へのエンゲージメントは高い様子です。一見すると、マインドフルネスなんて必要ないと思いませんか?
 
メルカリでマインドフルネスを導入したきっかけは、社員からの自主的な働きかけでした。メルカリでは社内で自発的に部活動を立ち上げる文化があり、その一環として社員が自主的にマインドフルネス部を立ち上げたとのことです。
 
初めは独学で瞑想を行なっていたそうですが、それだと本当にマインドフルネスを実践できているかどうか、効果が出ているのかが分かりづらかったのです。
 
社員にマインドフルネスを定着させるべくプロコーチを招いた本格的なワークショップを行うまでになりました。参加した社員からも、マインドフルネスを取り入れることで集中力を取り戻すことができるという声が上がっているようです。

マインドフルネスがビジネスで求められる時代的な背景

マインドフルネスが世の中でここまで求められる背景には、マインドフルネスが不確実性の高い世の中を生き抜くために必要なスキルであると認識されたことにあるかと思います。
 
いまのビジネス環境は、いわゆるVUCA(Volatility:不安定さ、Uncertainty:不確実さ、Compeity:複雑さ、Ambiguity:曖昧さ)と言われる環境です。ビジネスの成長分野も大きく変わり、過去に成功したビジネスモデルが今は通用しなくなっています。安定と言われる大企業ですら破綻するような世の中です。
 
特に、企業の経営者やマネジメント層は、のんびりしている暇がないくらい都度の意識決定が求められるのです。ストレス極まりないですよね。けれども、そのようなストレスフルな環境に振り回され、ピリピリした空気感で冷静な意思決定ができると思いますか?部下との間で良好なチームワークを築けると思いますか?
 
また、こうした環境下に晒され続ければ、企業にいる誰もが健康を損なうリスクもあります。先ほど事例を挙げさせていただいた企業の多くは、激しい変化の求められるIT企業です。社内のエンジニアも常にハードワークを求められます。
 
いかに頭の良い(IQが高い)人材がたくさんいても、このような環境では歯が立ちません。そこで、IQだけでなくEQにも着目されるようになったのです。
 
EQとは、心の知能指数(Emotional Intelligence Quotient)ともいわれます。グーグルがマインドフルネスを取り入れる理由の1つは、マインドフルネスがEQを高めることにつながることにあります。
 
昔は頭のよさ(IQの高さ)がビジネスマンとして優秀かどうかの指標になっていましたが、今ではEQの重要性が取り上げられるようになりました。
 
IQが思考や論理を司るのに対し、EQは情動や感覚を司ります。もっと簡単に表現するならば、以下の言葉で表現できます。
 
・直感力
・集中力
・思いやり
・クリエイティビティ
・リーダーシップ
 
こうしたものは、IQではなくEQの高さによって左右されます。一言で言うならば、「人間力」の高さ=EQとも言えるかもしれません。会社の中で昇進する人、部下から慕われる上司は、少なからず上記のような要素を持ち合わせています。
 
逆にいくら頭がよくても、すぐにカッとなって部下を怒鳴る上司や融通の効かない社員は、会社の中でも大きな成果を上げることはできません。

マインドフルネスが医療にもたらすもの

上述のように、今では多くの企業で取り入れられているマインドフルネスですが、元々マインドフルネスが取り入れられたのはビジネスの世界ではなく医療の分野です。
 
アメリカの医師のジョン・カバットジン博士は、禅やヨーガの思想、実践を西洋医学に応用し、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)というプログラムを立ち上げました。1970年代というだいぶ昔の話です。
 
ジョン・カバットジンの研究によると、乾癬(かんせん)という皮膚の病気の治癒をマインドフルネスが大幅に進めることが明らかになっています。ストレスという目に見えないものではなく、皮膚の病気という目に見えるもので結果が出たというのは大きいですね。
 
1990年代に入ると、マインドフルネス認知療法としてうつ病の治療法にも応用されるようになりました。
 
海外ではとっくの昔から医療としてマインドフルネスが取り入れられている一方で、日本ではどうしてもスピリチュアルとか宗教的とかいう偏見を持つ人がいるのが個人的に少し残念です。

マインドフルネスがビジネスのパフォーマンスにもたらす効果

上述のように医療の分野に応用されているマインドフルネスですが、ビジネスの世界では健康増進に加えて仕事のパフォーマンス向上にも注目されています。

日本では健康経営を推進する動きがあるくだりで、「プレゼンティズム」という指標がよく使われるようになりました。プレゼンティズムとは、会社に来ているのに何らかの身体的な要因(風邪とか花粉症など)で本来出せるはずのパフォーマンスが出せていない状態をさします。
 
プレゼンティズムを計測する指標は、WHO(世界保健機関)によって定められています。この指標に基づいて、マインドフルネスをする前後におけるプレゼンティズムの改善を調査したところ、マインドフルネスをやる前よりも経験した人の方がプレゼンティズムが20%改善することも分かりました。
 
日本でも健康経営の一環として、経済産業省が企業の生産性向上の指標として使い始めました。経産省の調査では、プレゼンティズムによる経済的損失が、一人当たり30万円にも及ぶという調査結果も出ています。
 
日本でここまで健康経営が推進される中で、もはや日本企業にとってマインドフルネスの導入は他人事ではなくなっているのが分かります。

瞑想だけにあらず!マインドフルネスの方法はこんなに沢山ある

「マインドフルネス=瞑想」のように思われる方が多いのですが、それは大きな勘違いです。瞑想は、あくまでマインドフルな状態に入りやすくする方法の1つに過ぎません。
 
マインドフルネスの定義は、「意図的に、今この瞬間に、評価や判断とは無縁の形に注意を払うこと」です。ですから、マインドフルネスになるための方法は、瞑想だけにありません。
 
今回はマインドフルネスの代表的な方法をいくつかピックアップしてご紹介させていただきます。

①呼吸法

呼吸法のやり方はいたって簡単です。初めに息を吐き切ります。もう吐けないというくらいまで息を一度吐ききってみます。吐ききったら、今度は吸うのではなく身体全体を意識的に弛緩させます。
 
すると空気が腹そこにスッと取り込まれるのを感じられると思います。

この「息を吐き切って取り込む」の繰り返しです。呼吸だけに意識を向けてください。途中で雑念が湧いてくるかも知れませんが、その雑念が、紙くずのように真っ赤に燃えた炎の中に投げ込まれて燃えてなくなるのをイメージしてみます。そして、その都度呼吸に注意を向ける状態に戻すのです。
 
私もこれまで波乱万丈な人生を生きてまいりましたが、呼吸法によって人生を切り開いてきたと言っても過言ではありません。(詳しい話は次の章でお伝えいたします)
 
この「息を吐き切って取り込む」はプレゼンテーションの基礎でもありますので以下の動画で詳しく解説しております。興味がある方はご覧ください。

②瞑想

もっともメジャーな瞑想といえば、座った状態で目を閉じて呼吸を繰り返すというやり方になります。
 
ですが、瞑想は何も座らなければできないわけではありません。Googleが開発したプログラム「SIY(Search Inside Yourself)」では、歩く瞑想も紹介されています。足の裏全体で地面を感じながら、ゆっくりと片足を上げ、地面に着地します。呼吸法と同じように、歩くことだけに注意を向けるのです。

それ以外にも、食べることだけに意識を向ける食事瞑想(マインドフルネス・イーティング)もあります。食べ物をすぐに飲み込んではいけません。舌の上でゆっくりと味覚を味わい、ゆっくり噛み締めながら食べ物の硬さ・柔らかさも感じます。普段飲み込んで終わりの味気ない食事も、30分くらいかけてゆっくり味わってください。
(食事瞑想をやると少量の食事で満腹になるので、ダイエットにもなるという説があります)
 
チョコレートをゆっくり食べるチョコレート瞑想、ビールを飲みながらヨガをするビールヨガという方法もあります。

③ボディスキャン

ボディスキャンでは、先ほどのように呼吸ではなく自分の身体に注意を向けます。

忙しくしていると、自分の身体の疲れや不調に気づきにくくありませんか?今や職場でも家庭どこもかしこもパソコンやスマホ漬けの日々を過ごすことが多いです。私も無意識のうちにスマホをいじってしまうことがたまにあります。

現代社会では、それほど自分の身体に無関心になっているのです。

たとえば、頭に意識を向けてみてください。いま、頭はどんな感覚ですか?ありのままの状態を感じ取ってください。普段からスマホばっかり見ている人は、頭痛や重だるさを感じるかもしれません。

ボディスキャンでは、こうしたことを頭、首、肩、胸、背中、腰、お尻、太もも・・・・といった順番にやっていきます。呼吸や瞑想と同じように、ボディスキャンもいまこの瞬間に注意を向けることが目的です。途中で雑念が湧いてくるかもしれません。雑念が湧いても、その都度身体に注意を戻してください。

ボディスキャンの詳しいやり方は、ジョン・カバットジン博士の著書『マインドフルネスストレス低減法』が非常に参考になります。

④ジャーナリング

ジャーナリング
ジャーナリングとは、いま自分が感じていること・考えていることのありのままを紙に書き出す作業です。何も考えずにとにかく書き出すことがポイントです。マインドフルネスの定義とおり、そこに一切の評価や判断は入れずに書き出します。

・私がいま感じていることは
・私が楽しいと思うことは
・いまやってみたいことは
・私の長所は

こんな風に、テーマを一つ決めて、そのテーマについて感じたこと・浮かんだことを紙に書いていきます。3分なら3分と制限時間を決めてやると良いですね。

無理に答えをひねり出そうとする必要はありません。「私になんて何も長所もない!」と感じたならば、それをそのまま書き出してください。「何かこのテーマについて考えるとモヤっとする」と思ったならば、それもそのまま書き出します。

ジャーナリングについては、面白い研究結果もあります。失業したホワイトカラーに対して、20分間のジャーナリングを5日連続でやらせたところ、ジャーナリングをやらなかったグループよりもその後の再就職率が40%以上も高かったという研究結果があります。

繰り返しになりますが、ありのままを書くことがポイントですからね。
 
私も心がモヤモヤした時は頻繁に行います。普段発することのできないような言葉でも書き殴る事によりスッとして問題の原点が浮かび上がったりするから不思議です。

⑤銭湯とマインドフルネス

銭湯とマインドフルネス
小杉湯という、都内で革新的な動きを行っている銭湯があります。「銭湯×マインドフルネス」という面白い企画を小杉湯三代目の平松佑介氏が行いましたので私も参加してきました。
 
私はいわゆるマインドフルネスと言う名前がつく前から心を整え方や呼吸など興味を持って取り組んでいました。マインドフルネスがメジャーになってからも自分で色々とセミナーに参加したりもしたのですが正直マインドフルな状態に入るのは簡単ではないと感じていました。
 
しかし銭湯でのマインドフルネスは別次元でした。熱湯と冷湯を交互に入る交互浴によって一瞬でマインドフルなゾーンに入っていったのです。小杉湯は交互浴のメッカと言われます。これは凄いと思いました。小杉湯の交互浴で救われたという人はかなりいると聞きます。心のバランスが崩れやすい現代には小杉湯マインドフルネスは必須だと私は実感しました。
銭湯とマインドフルネス交互浴の後に座椅子でマインドフルネスをする

⑥マインドフルリスニング

マインドフルリスニングは、ただただ相手の話すことに耳を傾けるというマインドフルネスの実践法です。相手の話に対して、「僕だったらこう思う」とか、「いや、それは違うんじゃないかな」とか、評価や判断をくだしてはいけません。
 
マインドフルネスリスニングのやり方はとてもシンプルです。2人1組で行います。一人は何かのテーマについてひたすら話します。もう一人は、その話をただただ聴くだけです。自分の呼吸や身体に注意を向けたのと同じように、相手の話に注意を向けます。
 
世間一般では、「傾聴」に近い概念かもしれません。マインドフルリスニングができるようになれば、家族、友人、職場などあらゆる人間関係が良好になり、人生を好転させることは間違いありません。ただし、これまでのマインドフルネスと違い、相手が絡むことです。体得するのは非常に難しいでしょう。
 
マインドフルリスニングの詳しいやり方は、『サーチ・インサイド・ユアセルフ-仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』がとても参考になります。

マインドフルネスと劇団四季

最後に、わたくし佐藤政樹について少しだけお話しさせていただきます。
 
私は劇団四季という日本屈指の演劇集団の中で、10年に渡り舞台に立ち続けてきました。1000人を超える観客の前に立ち続けるのです。それこそ、処刑台に登るかのような心境になります。常人であれば、平常心を保つことが非常に困難な環境下に置かれていたのです。

本番中の私現在は大型講演もする筆者
 
大観衆の前に一歩踏み出す直前に、「ミスったらどうしよう」「あの場面がうまくいくか不安だ」「声が出なくなったらどうしよう」といった自己疑念にかられる事は頻繁に起きます。
 
そのような気が気でない環境で10年もやってこれたのは、舞台に上がる直前に、マイナスの感情もいったん受け入れてやり過ごし、呼吸に意識を向け、心を今に向け集中力を高めていたのです。

本番前の私本番直前に呼吸に意識を向けて集中する筆者
 
ビジネスの世界ならば、意識が多少乱れても支障ありませんが、プロの演劇の世界はそうはいきません。「心ここにあらず」の状態で舞台に出ることは大きな事故をも起こしてしまう危険な事なのです。
 
上記にあげましたマインドフルネスリスニングはプロの舞台俳優にとっては基礎中の基礎技術です。大観衆の前でお芝居する際に必要なことを、相手のセリフを超傾聴することです。雑念があると「次の自分のセリフ」を準備してしまいます。それでは本物の演技になりません。
 
そういう環境だからそこ、「いまこの瞬間」という状態を否が応でも作らざるを得ない状態でした。当時はマインドフルネスという言葉こそ知りませんでしたが、長年に渡ってマインドフルネスを実践し定着させてまいりました。
 
本番前の呼吸やマインドフルネスリスニングなど10年以上当然のようにやってきたことがカタカナになっていて正直、多少の違和感を覚えます笑。
 
呼吸を整えることは、声の質を上げることにもつながります。これまでの経験を元に、ビジネスマンやアスリートの方々向けに、マインドフル呼吸法のワークを提供してまいりました。
 
これまでの経験をいかし、世の中で夢をもってワクワク生きる人材の育成に貢献していきたいと考えております。佐藤政樹に興味をお持ちいただけましたら、ぜひお声をおかけください。私なりのやり方で皆さまのお力になれることは間違いありません。

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