劇団四季から学ぶチームワークというテーマで
「一人ひとりがリーダーシップを発揮し最高の職場を作る」ためにはどうしたらいいか?
そのヒントを三回にわけてお送りしています。
今回のコラムは第三回(三回のうち)です。
→第一回(言葉の意識編)はこちら
→第二回(コミュニケーション編)はこちら
■リーダーシップとは?
「リーダーシップを発揮する」
「あの人はリーダーシップがある」
「リーダーシップを身につけたい」
私たちは人が集まって目標に向かう際に、このリーダーシップという言葉をよく使います。
このリーダーシップというカタカナ言葉。これを、例えば◯◯力といった日本語で人に説明するとしたら、何と答えますか?
今回のコラムでは「一人ひとりがリーダーシップを発揮して素晴らしい職場づくりに貢献できるようになるにはどうしたらいいか?」を劇団四季の世界観を通して考えていきたいと思います。
■能力として発揮できるリーダーシップ
多くの人がリーダーシップというと“統率力”“指導力”“牽引力”といった言葉を思い浮かべるでしょう。“リーダーシップ”をどのように解釈するのかで答えは違ってきます。
例えば職場や組織の長としてチームを引っ張っていくと捉えると、統率・指導・牽引といった言葉が入るでしょう。
しかし地位や立場に関係なく“個々の能力”としてのリーダーシップと捉えてみるとどうでしょうか。
つまり、チームの勝利のため・目標達成のため・素晴らしい職場を作るために地位や肩書きや立場に関係なくどれだけ自分の能力を活かしてチームにとってプラスになることを率先してできたか?と捉えてみるのです。
こう捉えると、リーダーシップをプラスの影響力と表現することもできます。
■ライオンキングのリーダーシップ論
ライオンキングがロングヒットを続け圧倒的な動員数を現在も誇っている大きな要因のひとつにこのリーダーシップに対する考え方(プラスの影響力)があります。
舞台上でスポットライトが当たるのは主役(立場的なリーダー)です。製作側として注目されるのも演出家や脚本家です。脇役(その他大勢役)や大道具・小道具・音響はいわばスポットライトは当たりません。しかし彼らが一人でもいなかったら舞台は成り立たないのです。
スポットライトはあたらなくても草なら草、木なら木といった端役の人達が“自分に与えられた役割”の中でどうしたらチームに対してプラスの影響力を発揮できるのか?その視点で自ら考えて行動できるか?が作品が感動的なものになるか否かの紙一重の差になります。
そのため劇団四季では一人ひとりがリーダーシップを発揮し、一回一回の舞台を最高のものにするために「ゼロ幕」という“「全員が共通して意識できる言葉」”を作り全員に浸透させています。
このゼロ幕こそが、劇団四季が誇る組織文化なのです。ではゼロ幕とはいったいどういう取り組みなのでしょうか。ここから具体的に説明したいと思います。
チームワーク研修をする筆者
■リーダーシップの源。ゼロ幕の文化とは?
第一幕、第二幕といった言葉は聞いたことがあるでしょう。しかし、一幕や二幕よりも遥かに重要なのがゼロ幕。つまり、一歩踏み出す前に「自分はなぜここにいて、なんのために(職場という)ステージに出て行くのか?」を一人ひとりが必ず自分に問いかけ存在意義と目的意識を心に毎回セットするのです。
立場や地位に関係なく、一人ひとりが自分自身の存在意義と目的意識を考えて一歩踏み出す習慣が人を成長させ、自分がその場にいる理由を認識することにより周囲に対してプラスの影響力を主体的に発揮する能力が身につきます。
本当の主役は、その他大勢役一人ひとりという哲学です。
ライオンキングを見たお客様が口々にいう感動の言葉で「木の役とか草の役とか、だれも見ていないような端役の人が一切手を抜かないで一人ひとりが輝いていた」が多いのは、ゼロ幕の文化が組織の中で浸透しているからなのです。
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■最高の職場を作るには?
ゼロ幕、つまり一人ひとりがリーダーシップ(プラスの影響力)を発揮するという考えは舞台だけの話ではなく私たちの職場にも通じるはずです。
最高の職場を作るためにそれぞれが主体的にできることや発揮できる能力はあります。人の気持ちを汲み取る。話を聞く。掃除をする。声かけをする。最高の挨拶をする。・・・etc
結果、立場や地位や肩書きに関係なく、どんな役割でもリーダーシップを発揮できることにつながるのです。“立場的な長でないから常に指示待ち”ではプラスの影響力を発揮していません。どんな役割であれ、チームに対してプラスの影響力、つまり最高の職場を作るために自分が役立てることってなんだろう?と常日頃考えて行動に移せるかどうかが重要なのです。
このコラムをきっかけに自分にできるプラスの影響力は何かを考え行動し、最高の職場づくりに少しでも役立ててもらえたら嬉しく思います。
今回のコラムは第三回(三回のうち)です。
→第一回(言葉の意識編)はこちら
→第二回(コミュニケーション編)はこちら
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