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”声帯は生き物”。声が商売道具のプロなら皆知っているその概念とは?

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■声帯は生き物という概念とは?

自分の声帯は、生き物と考えよう。

今回のコラムでは人前で話す機会の多い方向けに新しい発想となるようなお話を、百戦錬磨の元プロ舞台俳優で現在は研修講師をしている私が解説します。

この記事を読むことによって

・自分の声に対する扱い方が変わる
・声を壊しにくくなる
・声を保護するための具体的なやり方がわかる

こんなメリットがあります。

ぜひ最後までじっくりご熟読ください。
(この記事はたくさんの方に拡散されました、誠にありがとうございます。)

さて

人事採用担当者の方やセミナー講師・研修講師の方々そしてリーダーの方は人前で長時間話す機会が多くなります。そしてセミナー会場は非常に乾燥しているところが多いです。そのため、枯れやすいなど声に関する悩みをお持ちの方によく相談を受けます。

1日だけでなく連日話し続ける方もいらっしゃるでしょう。そんな方々にとって声というものは商売道具であり、内容をしっかり伝えるうえでも重要な要素です。

はじめまして佐藤政樹です。

私はトレーナーとして沢山の方に発声の指導した経験がありますが、もともとは声に関してコンプレックスがある人間でした。しかし劇団四季というプロの世界に入ってその方法論を学び、数えきれないほどの本番を通して自分の声を加速度的に成長させることができました。

そんな私は、様々なプロの方々の声を客観的に聴いてきましたので、ビジネスシーンにおいて講師としてパフォーマンスされている方の発声法はとても気になります。「ああ、この人は声を潰していってしまうな」とか「力で出しているな」とか「あ、声を出すのが辛くなってきて軟口蓋を上げて話し始めた」など感じてしまうのです。

そこで今日は、人前で長時間話す機会の多い方々に、知っていて損はない
”声帯は生き物”という新概念について私なりにお伝えしたいと思います。

■私が経験してきた環境について

発声法に関する本や専門家は沢山いますが、私がそういった方々と違う点をあげますと

1: 声に関する専門的な教育を本格的に受けたのは、28才から
2: 一回3時間、週に8回、年間に250回という過酷なスケジュールを乗り越えてきた。
3: 上記のスケジュールで、少人数ではなく1000人を超える聴衆全員に声を届けなければならない環境だった
4: 会場(劇場)によって状況(空間の響き・音の吸収具合・ほこり)が違う中、柔軟に対応してきた
5: 日本全国を連日激しい移動でツアーするという過酷な条件を乗り越えてきた。(毎日寝床が変わるという環境)

などがあります。これから登壇するうえで私の経験が参考になれば幸いです。

佐藤政樹の研修の様子

 

■声帯は生き物という意識

プロのスポーツ選手は戦いに望む前に、その日の調子を過去の経験から照らし合わせながら、入念に自分の身体と対話しています。じっくりと時間をかけて正しいストレッチをし、身体を最高のパフォーマンスができる状態まで持っていきます。モータースポーツでしたら、ドライバーはまずエンジンをしっかりと温めてその日の調子を敏感につかみます。

これと同じように、声を出すための声帯とまず対話をし、使う前には必ず温める事が想像している以上に大切です。

私も、自分の声帯と対話をしてその日のコンディションを繊細につかむということを本番前に必ずしていました。スポーツ選手がストレッチやウォームアップもせずに本番に臨むことはありえません。エンジンを充分に温めずにレースに望んだら即故障につながります。

これと全く同じで、人前で話す機会の多い方は、声帯といういわば“声のエンジン”の部分に対して生き物のように繊細に接する必要があります。

調子はどうか対話をし、必ず使う前に十分に温め、血を充分に通わせる必要があるのです。具体的なスキルはここでお伝えするのは難しいですが、必ず身体を動かして一汗をかき、身体のスイッチをONにしていました。そして、声帯をゆっくりゆっくり使って起こしていきます。

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■本番中に絶対に意識すること

過酷なスケジュールの中で、仕事として1000人以上の聴衆の前で連日声を出し続けるのは想像以上に大変です。その中で、意識をしておかなければならないことは、シンプルですが常に喉を潤わせておく意識を忘れないということです。

水を携帯するのは当たり前ですが、喉が渇いたからゴクっと水を飲むというよりは、
大切に育てている苗に優しく水をやるようなイメージで私は喉を潤わせます。これにより摩耗は相当防がれます。(※持ち運びできるネブライザーを袖にスタンバイしている人もいました)。

※この苗に水をやる意識で講義中に尿意が起こりにくくなります。

私は、舞台上に出っぱなしで水を飲むチャンスすらない役を演じたことがあります。この時は、数回訪れる“一瞬だけ袖に入る瞬間”に舞台袖であるものをスタンバイしておきました。それは、プロポリス入りの蜂蜜です。

水をさっと飲み、しっかりと水分補給をし、そして蜂蜜を吸引して口中に膜を作りました。それにより水分を取るよりも長時間喉を保護できている感覚があったからです。

自分に合うプロポリスの蜂蜜と合わない蜂蜜もあったためいろいろと試した結果、一つの商品を愛用していました。沢山購入して地方巡業にでて、無くなってしまいそうになったらインターネットで数日後に泊まることになっているホテルに届くように注文をしていたくらいです。それくらい声帯に対して繊細な心遣いをしていました。
商売道具ですから当然のことです。

※トイレに行きたくなる回数が多い方は、プロポリスの蜂蜜を携帯しておくのもとてもお薦めです。

■ホテルでのケアの仕方

人によっては、ホテルを転々とし講演やセミナーをされているかたもいらっしゃるでしょう。舞台上はセミナー会場と同様とても乾燥しますが、ホテルの乾燥はひどいものがあります。

乾燥していないホテルなどないほどです。よってホテルに宿泊時の乾燥対策はとても大切です。私が行っていた以下の4点をご紹介します。

1:就寝時は必ずマスクをする。

マスクをすることによって、就寝中の口内の保湿効果が高まります。
多くのパフォーマーが、マスクをして寝るのとしないで寝るのでは翌日のパフォーマンスがまったく違うといいます。

私もその実感がかなりあります。

マスクをしないで寝るなどという事は考えられません。はじめは違和感があるかもしれませんが、マスクをして寝ることには段々と慣れてきます。マスクをして寝ると、前日使った声帯の回復具合が明らかに違います。

2:お風呂に湯船を張ったまま、就寝します。

ホテルによって、全室に加湿器が備わっているところもありますが、レンタル式なため部屋に加湿器がない時も多々ありました。その時は、必ずお風呂に湯船を張ったまま就寝しましょう。

そして、お風呂のドアを開けて寝るのです。これにより乾燥がひどいホテルという部屋の空間の保湿効果が高まります。

3:枕元に濡れタオルを置く

枕元に濡れタオルを置いて寝ましょう。口のすぐ近くに濡れタオルを置いておくだけで気持ちも違います。

湿った空気を吸引しながら寝続けている感覚があります。私は毎日ではありませんが、声帯と会話をして調子が悪い時は、この濡れタオルを枕元に置くということをやっていました。気分的な要素もかなりありますが、これはお薦めです。

4:絨毯に水を撒く

乾燥とともに注意しなければならないのが、埃です。埃によって翌日咳が出たり、それにより声の調子が悪くなってしまうこともありました。

ですから、就寝前にホテルの部屋の絨毯に水を軽く撒くということもしていました。

これにより咳の一因となる埃を抑えられます。

しかも翌日には絨毯はカラカラに乾いています。それほどホテルの乾燥はひどいのです。乾燥は声帯の大敵です。

■まとめ

会場に入ったら、手を叩いて音の吸収具合を確かめるのもとても大事です。人が入ったらさらに音が吸収されます。

響きのいい会場と悪い会場をあらかじめ意識しておくことも大切です。
すべては声帯という繊細な生き物を取り扱う上です。

発声法や使い方などまだまだ挙げたらきりがありませんが、あなたのパフォーマンスが向上し、それが成果につながるように参考になさってみて下さい。

※シェアはご自由です。
この記事を必要としている方にあなたの分かち合う素敵な心を届けてください。

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