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新入社員が早めに知っ得。時間割引率
「給料が入ったら、楽しいことにパッと使ってしまう」
「仕事が終わったら、スキルアップの勉強よりもスマホやテレビでリラックス」
「資格の勉強や読書は“いつかそのうち”と思いながら、なぜか手がつかない」
あなたにも、こんな経験はありませんか?
頭のどこかでは「このままで将来大丈夫かな…」と不安を感じていても、つい目の前の楽しさやラクさを優先してしまう。そんな自分に、モヤモヤしたことがある方も多いのではないでしょうか。
それは決して、あなたの意思が弱いからでも、意識が低いからでもありません。人間にはそもそも「今すぐ得られる利益」を「将来の利益」よりも強く評価してしまう性質があります。
これを「時間割引率」と呼びます。
特に若い世代ほどこの傾向が強く、「将来の自分の利益のため」と言われてもピンとこないことが多いため、どうしても目先の選択に流されがちです。
けれども、この「時間割引率」という考え方を早いうちに理解しておくだけで、日々の行動に対する捉え方がガラリと変わります。何気ない選択の積み重ねが、未来の自分への投資になるのです。
本記事では、新入社員研修を多数手がけてきた筆者が、「時間割引率とは何か」「なぜ社会人生活のスタート時点で知っておくべきなのか」を、わかりやすく解説します。
読み終える頃には、未来の自分が「ありがとう」と言いたくなるような、前向きな行動のヒントがきっと見つかるはずです。
ぜひ最後までご一読ください。
この記事を書いた人:佐藤政樹(研修講師・著者)
劇団四季出身元主役の講師。「人を惹きつける話し方」(プレジデント社)著者。受講生を惹きつけながら“気づき”と“学び”を引き出す研修をモットーに、新入社員研修から行政・金融・教育・医療分野まで幅広く登壇。詳しくはページ下部のプロフィール・研修情報をご覧ください。
新入社員こそ知っておきたい「時間割引率」とは?
「時間割引率」とは何か?
一言でいうと、「将来の価値を、どれだけ“今よりも低く”見積もってしまうかを表す考え方」です。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、簡単にいえば、「人は将来より今を優先しがち」という心理を数値化したものだと考えてください。
時間割引率が高い人ほど、「将来の利益より、目の前の快楽を重視する」傾向が強く、逆に低い人ほど、「目先の快楽よりも、将来の大きな利益を優先できる」性質があります。
◆例:10万円を今もらうか、1年後に12万円もらうか?
もしあなたが「今すぐ10万円をもらう」のと、「1年後に12万円をもらう」のどちらかを選べるとしたら、どちらを選びますか?
おそらく多くの人は、1年後に2万円多くもらえるとわかっていても、「今すぐの10万円」を選ぶのではないでしょうか。「1年も待つくらいなら、今もらった方がトクだ」と感じてしまうのです。
(※もちろん、「今すぐの10万円を投資して増やす」「インフレによる貨幣価値の低下」といった合理的な判断は別の話です。ここで扱っているのは、特に運用や計画もないまま、“なんとなく待てない”という心理的傾向のことです。)
このように、将来の価値を大きく割り引いて“今”を優先する人は「時間割引率が高い」といいます。反対に、「多少時間がかかっても将来の利益を選ぼう」と考えられる人は、「時間割引率が低い」とされます。
◆時間割引率の違いが、将来の資産やスキルの差になる
時間割引率が低い人は、今の利益は小さくても、将来の自分により多く残る選択ができるため、結果的に資産やスキルを着実に積み上げていくことにつながります。
この考え方は、お金だけでなく、健康・学び・人間関係など、あらゆる場面に当てはまる人間の性質でもあります。
なぜなら、人は時間が経つにつれて報酬の価値を“感じにくく”なるからです。たとえ将来の報酬の方が大きくても、「今すぐでないと価値が感じられない」と考えてしまうのです。
逆に、時間割引率が低い人は、「将来のほうが得なら我慢して待とう」と判断できます。
この差が、いわば「目先のことしか考えられない人」と「将来のメリットに目が向けられる人」の違いとなって表れていきます。
◆ なぜ新入社員が時間割引率を知っておくべきか?
この「時間割引率」という考え方を、新入社員のうちに知っておくことには大きな意味があります。社会人生活のスタート段階でこの視点を持てるかどうかが、将来の成長と成功に大きな影響を及ぼすからです。
若手のうちは、どうしても「今この瞬間の快楽」に意識が向きがちです。しかし、そこで少し立ち止まって、「未来の自分はどう感じるだろう?」と考えられるかどうか。
この“ひと呼吸の思考”が、数年後・数十年後に大きな差となって現れてきます。

では次章では、もし時間割引率が高すぎるままだと社会人としてどんな落とし穴が待っているのか、具体的に見ていきましょう。
時間割引率が高いとどうなる?社会人に起こる落とし穴
「時間割引率が高い」──つまり、目先の快楽や利益ばかりを優先してしまう状態を放っておくと、社会人生活ではさまざまな落とし穴にハマりやすくなります。
ここでは、新入社員に特に起こりやすい3つの例を見ていきましょう。
①金銭面の落とし穴
将来のための貯蓄や投資よりも、目の前の欲を優先してしまい、なかなかお金が貯まりません。
時間割引率が高い人は、お金が入ると全額自分の今この瞬間の快楽に使ってしまい、給料日前にはいつもギリギリ。結果として、将来の自分に残るものが少なくなってしまいます(極端なケースでは、ギャンブルにのめり込んだり、高金利の借金に手を出してしまうことも)。
一方で、時間割引率が低い人は「これは生きていくのための消費か?ただの浪費か?それとも将来の利益のための投資か?」と考えることができ、堅実に資産を築いていく傾向があります。
②健康面の落とし穴
「将来の健康よりも、今の快楽」を優先してしまうのも時間割引率が高い人の特徴です。
たとえば「体に悪いと分かっていても、今この一本のタバコでストレス発散したい」そう考え、目の前の快楽を優先させます。──そうした判断の積み重ねが、やがて深刻な健康的リスクにつながります。将来的に医療費もかさみ、金銭面でもマイナスの影響が出ます。
逆に、時間割引率が低い人は、「ストレスを運動で洗い流そう」「タバコ代を書籍代に回して知識を得よう」と、健康を“未来への投資”と捉える視点を持っています。
③学びの落とし穴(資格・スキルアップ)
時間割引率が高い人は、「今すぐ成果が出ないこと」に対してモチベーションを持ちにくい傾向があります。
たとえば、仕事終わりに「資格の勉強をしよう」「本を読もう」と思っても、ついスマホやテレビを優先してしまう──そんな経験はありませんか?
将来のキャリアや収入アップのためには、今のうちからスキルを積み上げることが不可欠です。しかし、目先の快楽を優先して学びの時間を失い続けると、数年後に「あの時少しでもやっておけば…」と後悔することになりかねません。
一方、時間割引率が低い人は「すぐに成果は出なくても、いずれ必ずリターンがある」と信じて、コツコツと学びという自己投資を続けることができます。その小さな積み重ねが、将来の大きな成果となって返ってくるのです。
◆「将来の自分」がツケを払う前に…
このように、時間割引率が高いままだと、金銭面・健康面・学びの場面など、あらゆる領域で「将来の自分がツケを払う」ような状況に陥りやすくなります。
新入社員の今はまだ実感が湧かないかもしれませんが、5年後、10年後に「あのとき、もっと将来を見据えて行動しておけばよかった…」と後悔する先輩社会人は、決して少なくありません。

では逆に、時間割引率の考え方を理解し、早いうちから意識できれば、どんなメリットがあるのでしょうか?次章では、新入社員が時間割引率を知るメリットを具体的に紹介していきます。
新入社員が「時間割引率」を知る5つのメリット
時間割引率という考え方を知り、意識できるようになると──社会人1年目のうちから“未来を変える力”が自然と身につきます。
ここでは、新入社員だからこそ押さえておきたい「5つのメリット」をご紹介します。どれも、将来の自分に大きな財産をもたらすものです。
1. 将来を見据えて行動できるようになる
時間割引率を理解すると、「今この瞬間の結果」よりも「5年後・10年後の自分にとって何がプラスになるか?」という視点が自然と身につきます。
たとえば、ミスをして落ち込んだときも「この経験を糧にすれば、きっと将来に活きる」と前向きに切り替えられるようになります。
短期的な浮き沈みに一喜一憂せず、長い目で自分の成長を描けるようになると、少しずつ自信が育ち、未来への歩みが力強いものになっていきます。
2. 小さな努力を“続ける力”が育つ
勉強やトレーニングなど、すぐに成果が出ないことは誰でもつい後回しにしてしまいがちです。
でも、「この努力は、きっと未来の自分を助けてくれる」と信じられるようになれば、不思議と続ける力が湧いてきます。
英語の勉強を毎日30分。筋トレを10分。そういった“小さな積み重ね”を続ける人ほど、未来のチャンスをつかみやすいのです。
3. 学びに投資できるようになる
「勉強しても、今すぐ役に立つかわからないし…」と悩む気持ちはよく分かります。そして気がついたらスマホで意味のないネットサーフィンをして人生の時間を浪費してしまう・・・。
でも、時間割引率を知ると「今の学びが、数年後に大きな成果を生む」と理解できるようになります。
語学、資格、人間関係、読書…。どれも“すぐにリターンが出ないからこそ”、若いうちから仕込んでおくことで将来に圧倒的な差が生まれます。
4. 感情に流されず、落ち着いて判断できる
「つらいことがあったら、お酒で解消しよう」「ストレスがたまって、ついタバコに手が伸びてしまう…」──そんなふうに、目先の感情で行動すると、あとで後悔することもあります。
でも、「この一杯や一本が、将来の自分にどう影響するだろう?」と立ち止まれるようになると、自然と冷静な判断力が育ちます。
それは我慢ではなく、“自分の未来を大切にする力”。ストレスの多い場面でも、地に足のついた選択ができるようになります。
5. キャリアに「自分なりの軸」ができる
時間割引率を意識しながら行動を積み重ねていくと、少しずつ「自分の選択に自信が持てる」ようになります。まわりに流されず、「自分はこの方向で努力している」と信じられる軸ができるからです。
そうすると、多少の困難があっても、「これは自分の未来のために必要な経験だ」と前向きに受け止められるようになります。
不安の多い時期だからこそ、自分の行動に“意味”を見出せることは、大きな安心につながるのです。

【体験談】若い日の自己投資が「最高の利回り」になる
私自身、20代の頃に「未来の自分のために、今をどう使うか」を真剣に考え、行動してきました。今振り返ってみて、その時の選択は本当に間違っていなかったと、心から言い切れます。
たとえば、28歳で劇団四季に合格するまで、私はアルバイトで生計を立てながら、稼いだお金をすべて自己研鑽に投資していました。ダンスのレッスン、ボイストレーニング、演技レッスン、舞台研究──そのすべてに、汗水たらして働いたお金を惜しまず注ぎ込みました。
当然、貯金はゼロ。でも不安はありませんでした。なぜなら、「今の自己投資が、将来必ず大きくなって返ってくる」と信じていたからです。
学生時代にしていた飲酒・喫煙もやめました。そのお金と時間も、未来の自分への“贈り物”に変えたかったからです。
そして5年後、劇団四季という大舞台への合格という目に見える成果が現れました。その後の人生でも、あの頃に積み上げた経験や鍛錬が、確かな糧となり、収入や仕事として形になって還ってきたのです。
今ならはっきりと言えます。
若いうちの自己投資は、「この世で最高の利率の“天の蔵”」への貯金のようなものです。
何に時間とお金を使うか。
その選択が、未来の自分を豊かにも、苦しくもする。
だからこそ新入社員の皆さんにも伝えたいのです。「未来の自分が“ありがとう”と言ってくれる今日の選択を、今から始めてほしい」と。
新入社員が「未来の自分」のためにできる選択を
社会人としての人生は、始まったばかりです。これから先の長いキャリアをどう歩んでいくかは、日々の小さな選択の積み重ねにかかっています。
つい目の前の快楽やラクな道に流されそうになることもあるでしょう。けれども、そんなときこそ「この選択は未来の自分にとってプラスになるか?」と、自分に問いかけてみてください。
時間割引率という考え方は、そうした“選ぶ力”を育てるヒントになります。
今日の努力や習慣が、5年後・10年後のあなたをつくる。そう考えるだけで、日々の行動の意味が変わってくるはずです。
人生100年時代。長いキャリアのなかで、未来の自分が「ありがとう」と言いたくなるような選択を、今この瞬間から始めてみませんか?
あなたが、自分自身の未来に誇れる日々を歩んでいけることを、心から応援しています。
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