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接遇力を劇的に高める〜劇団四季元主役が教えるおもてなし研修〜

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ライオンキング研修

接遇力を上げるカギは劇団四季のプロマインドにあり

 
「劇団四季のプロマインドから学べば接遇力が上がる」

 
こう聞いて、皆さんはどう思われますか?

 
冗談に聞こえるかも知れませんが、私は劇団四季で主役まで務め、その後人材育成トレーナーとして日本全国の企業で年間7500名以上に講演や研修をしている経験を活かし接客力向上のノウハウを理論と体験でお伝えしています。

 
皆さんのように接客がメインとなる仕事においては、お客様との信頼関係と接遇力がそのまま売上に直結します。

 
(元劇団四季主役で現在日本全国の企業で年間7500名に研修や講演をしている人材育成トレーナー佐藤政樹のプロフィールはこちら)

接遇に慣れてしまうほどお客様は離れてしまう

皆さんは普段、お客様に対して、どのような心構えで接していますか?私は最近、ショッピングモールなどで洋服や靴などを見ていると、お店の店員さんの発する言葉に違和感を感じることがあります。

 
「いらっしゃいませ~
「どうぞ〜ご覧くださいませ~

 
店員さんたちは、こんな風に尻上がりで歌うように挨拶することが多いです。その言い方には、本心でゆっくり見ていって欲しいという思いはなく、お客様への接し方が形骸化しているように感じるのです。

 
新卒の社員が、初めて店舗で接遇をしたときの場面を思い浮かべてください。彼らは、先に述べたような実感値の伴わない形だけの接遇をしているでしょうか?

 
まったくゼロとは言いませんが、新卒の社員たちは緊張感を持ってお客様と接しているはずです。至らぬ点も多々あるとは思うのですが、彼らの真摯な姿勢がお客様からの信頼獲得に繋がっていることもあるのではないでしょうか?

 
しかし、接遇の仕事に慣れてくると、そんな緊張感もどこかへ行ってしまい、お客様に接する態度も形だけのものになりがちです。

 
このように、仕事への慣れで言葉が形骸化していくのは、昨今の接客業に関する1つの問題であると考えます。慣れた態度で仕事をしていては、お客様に満足して頂くことはできません。

接遇の形骸化を防ぐ、劇団四季の組織文化とは?

実際、私が所属していた劇団四季では「慣れ・垂れ・崩れは去れ」という言葉が稽古場に大きく貼られていました。本番に慣れを感じさせている出演者は本当に舞台の座から外されてしまいます。

 
代わりに二番手・三番手に出番とチャンスがまわってくるのです。

 
劇団四季の出演者として舞台に立つためには、毎日が初日という意識を持たなければいけません。なぜならば、自分にとっては何百・何千回とする講演のうちの一回だとしても、お客様にとっては特別な一日だからです。

 
例えば、ある日の公演には、一年間お小遣いを貯めて新幹線で見に来ている子供がいるかもしれません。そんなときに慣れて形骸化した公演をすることは、その子に対する裏切りに他なりません。

 
出演者にとってお客様の前に立つ事は日常でも、お客様は非日常です。

 
劇団四季が絶対に慣れた公演をしないのには、その組織の文化に関係があります。私が行う研修では、劇団四季の組織文化をお仕事の現場に変換して、参加者の皆さんの中にしっかりと落とし込み接遇の現場で活かせるようにお伝えさせていただきます。そういった一歩踏み込んだ視点で劇団四季のプロマインドを学ぶことによって、接遇マインドを養うことができるのです。

接遇の「慣れ」は「ゼロ幕」を意識すれば防げる

組織文化とは、その組織に所属している限り常に頭に置いておくべき考え方から生まれる行動の源泉で、劇団四季の全員がその考え方を当たり前のこととして言葉に落とし込んでいます。だからこそ、1万回を超えるライオンキングの公演において慣れという概念は存在しないし、公演の最中に気を抜いている人など一人もいないのです!

 
そのプロフェッショナルともいえる接客マインドを作り出しているのが「ゼロ幕」という考え方です。

 
ゼロ幕とは、舞台の最初の「第一幕」が始まる前のことを指しています。そのゼロ幕の最中に「なぜ自分はお客様の前に一歩踏み出していくのか」ということを毎回考えます。

 
自分の行動の目的、自分の行動の意義や理由を毎回見出し、自分の中に落とし込んでから舞台に立ちます。そうすることで、慣れを感じさせない毎回気を引き締めたパフォーマンスが生まれます。

 
ゼロ幕をセットするかしないかで

「クオリティが上がるのか下がるのか」
「プロになれるかなれないのか」
「お客さんがつくのか離れるのか」

が決まってきます。

 
もし皆さんが劇団四季の舞台を実際に鑑賞する際には、そのような観点で役者たち一人ひとりに注目してみて下さい。舞台の中で慣れている者など一人もいないはずです。

 
先ほど例に挙げた、アパレルショップの例をもう一度見てみましょう。

ライオンキング研修

研修中にディスカッションする受講者

接遇の態度・言葉の一つひとつに明確な意味がある

「いらっしゃいませ~
「どうぞ〜ご覧くださいませ~

 
皆さんも、接遇の中でお客様にこんな言葉がけをしたことがあるでしょう。それでは、これらの言葉にはどんな意味があるでしょうか?皆さんは無意識で挨拶をしているだけかもしれないですが言葉には一つひとつに意味があるはずです。

 
「お客様自身が気づいていない本来の魅力を私たちの洋服を通して知ってほしい」
「お客様にあった服は本人の自信につながることを実感してほしい」
「このお店に来て人生が変わったと思ってほしいから」

 
上記の通り、アパレルショップの店員としてお店に立っている理由はいろいろ思いつきませんか?こういった1つひとつの言葉に対してどんな意味があるのかをしっかりと落とし込むことが大事です。

 
もし皆さんが、尻上がりで歌うように言っているだけならば、自分がどうしてお客様の前に一歩踏み出しているのかを忘れているのではと思います。

 
お客様の前に立つ時、これらのことをマインドセットすることによって、より良い接遇ができるのではないかと考えます。

 
では、どうすればゼロ幕を作ることができるのでしょうか?

「居て・捨てて」語ることでゼロ幕をつくる

ゼロ幕を作るための大切な言葉、それは「居て・捨てて」語ることです。

 
「居る」とは、自分が本当にその場でその役として存在できているのかを意味します。

 
ライオンキングにおいては、ライオンやチーター、ハイエナなど、一人の出演者がさまざまな動物を役割として演じています。さらには、草も1つの役割です。

 
ライオンならライオン、チーターならチーター、草ならば草と、舞台上ではその役になり切らなければなりません。草を演じるならば「なぜ自分が草を演じるのか?」を深く落とし込むのです。それができなければ舞台の上で浮いてしまい草の格好をしているだけのお遊戯会になってしまいます。

 
「捨てる」というのは、舞台上にいる限り自我や私情を捨てるということを意味します。

 
人は人前に立つと、自分を盛ろうとしたり自分をよく魅せようとしたり、上手く演じようとしてしまいます。そんな私情や嘘を削ぎ落として舞台に立たなければなりません。

 
皆さんも、仕事現場の中でお客様からよく見られたいと思うことはありませんか?また、部下と上司の関係であれば、部下は上司からよく見られようと、本来の自分でない嘘の自分を演じてしまうこともあるでしょう。 しかし、そんな見せかけだけの自分を演じていては、いつまで経ってもお客様と良好な人間関係をつくることはできません。

 
よく見られたいという欲求を手放し、自分の中にある嘘を削ぎ落とす。それができて初めて、お客様の前で本当の意味で「語る」ということができるのです。

 
皆さんがアパレルショップの店員だったとしましょう。皆さんは、何のために店員として店舗に「居る」のでしょうか?嘘偽りのないありのままの自分で、お客様に対して誠実な接客をしているでしょうか?何も考えずに店舗に立っているだけならば、それはロボットと何ら変わりがありません。お客様の前で格好つけたり、自分をよく見せたりしようとしてはいけません。

 
お客様が求めているのは人間味があって誠実な態度で接客をしようとしている店員さんの接遇ではないでしょうか?

 
これらの講演を踏まえたうえで、なんと今回は私、佐藤と社員メンバー全員で福利厚生も兼ねてチケットを20枚購入し、劇団四季の公演を実際に見に行きました!

ライオンキングを見に行く

接遇力を本当に高めるために、五感で体験できた

・劇団四季におけるゼロ幕という組織文化
・「居て・捨てて」語る

 
これらの内容を、私が座学研修を通してお伝えしていきます。そうすることによって実際のライオンキングの鑑賞は非常に学び深いものになりました。

 
今回、劇団四季の舞台をみんなで見に行ってよかったと思ったことは、理論を学んだまま終わらなかったということでした。

 
理論を理解したうえで、実際に劇団四季の舞台を生で見ることによって、プロのマインドを肌で感じることができたのです。

 
劇団四季の舞台では本当に五感をフル活動して圧倒的な体感が得られます。人間の脳は楽しみの要素をもって五感をフル活動しながら体感すると重要なことが起きていると解釈し、気づきが記憶として圧倒的に定着すると言われます。

 
劇団四季の舞台を肌で反じると自分の中で深く学びが落とし込まれ現場で活かせるのではないか?と感じました。

【関連記事】
接遇研修の本来の目的と意義

劇団四季の舞台を生で見た受講者の感想

以下は劇団四季の舞台を観に行った受講生の感想の抜粋です__。

 
・確かに尻上がりで歌うように言う中身の伴わない「いらっしゃいませ♪」には自分自身も違和感を持っていた。「いらっしゃいませ」ならシンプルに自分の言葉で「いらっしゃいませ」でいい。音をつける必要など何もない。完全に慣れによる言葉の形骸化。お客様にとっては耳から耳に抜ける実感値の伴わない音でしかなくなる。何百回と出演しているという出演俳優の生命感のある新鮮な言葉を聴いてその通りだと思った。

 
・印象に残ったのは出演者達の眼の輝きです。私が尊敬している先輩や成果を出している先輩はみんなあのような輝いた眼をしている。あの眼の輝きの理由は自分の中のゼロ幕が自然と腑に落ちてそこに居れているからだと感じた。

 
・ゼロ幕を意識する事、自分たちがしている仕事の意義を毎回自分に落とし込む事は舞台の世界だけでなく人と接する仕事の人はみんな同じだと感じた。ゼロ幕が落とし込まれれば毎回新鮮にモチベーション高くお客様に接する事ができると感じた。自分で自分をモチベートする魔法の言葉のように感じた。

 
・ゼロ幕があるかないかの違いが、結果を出せるか出せないか、プロかアマチュアの違いではないかと解釈しました。 今回の学びをこれからの行動に活かしていけるように精進します。

 
・仕事のすべての箇所にゼロ幕は活かせる。 思い返すと仕事が上手くいった時はゼロ幕ができている時だった。自分はなぜそこにいるのか、自分はなぜ今からやろうとしていることをやるのか。仕事を始める前、先輩に同行する前、研修を受ける前。プロジェクトの成功にはゼロ幕が重要なファクターだということに気がつきました!

 
・普段の業務やミーティングにおいても、自分自身がちゃんとゼロ幕をできているかどうか。惰性になっていないかどうか。惰性になった瞬間に崩れて去らざるを得ない。

まとめ:劇団四季を観れば接遇力が上がる

劇団四季の組織文化という哲学を知り、実際に舞台を観てそれを体感する。その圧倒的体感により自分自身で考え気づき、普段の仕事に落とし込んでいく。

 
これこそが「劇団四季の舞台を観れば接遇力があがる」理由であり醍醐味だと感じました!

 
※研修をやるにあたって重要な要素は、効果的で目的に沿ったものに設計することです。研修を通し受講生がどのような心構えで望むのか、そして何を目指してなぜ研修を行うのか目的を設定します。そこがぶれるとただ楽しくてユニークな研修になってしまいます。この重要性について詳しく知りたい方はユニークで効果が出る面白い企業研修7選をご覧ください__。

 
自社の社員の接遇力向上をしたいと考えている企業の人事担当者様は、ぜひ佐藤政樹に一度ご相談ください。

問い合わせフォームへ

 
ゼロ幕を作るというのはどういうことか、そうすることでどんなパフォーマンスを発揮できるのか、ぜひとも観劇して劇場で感じてみてください!

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