目次
■営業力を向上させるには?
どうしたらお客様の心を動かす事ができるのだろう?
自分の営業力をあげるにはどうしたらいいのだろう?
営業力をさらに向上させて成果につなげたい。
このコラムは、上記のような向上心のあるビジネスパーソンに向けて書いた、新たな視点や気づきを得るための記事です。
筆者である私は劇団四季というプロの舞台という世界で20〜30代を自己表現力について追求して生きてきました。
相手に自分の想いが伝わるとはどういうことか。言葉により共感が生まれるとは?顧客の心に感動を創り出すには? これらを超プロフェッショナルの世界でです__。
そのプロの舞台の世界を引退後、厳しい営業の現場で、この「伝わる技術」を活用し、 多大なる貢献をした職員第2位ということで500名以上いる大きな会社で表彰を受けた経験もあります。
現在はその経験を活かして、研修講師として日本全国の企業で営業力アップ研修を実施しております。 さらに、ベースとなる「伝わる技術」を元に、医療機関や接客業などおもてなしを求められる企業様、団体様向けに接遇研修も実施しています。
私は営業力のある人、営業力のない人など様々な方を見てきました。 そこでこの記事では、自己表現の世界を追求してきた私の独自の視点と営業の現場で成果を出した経験から
営業力のあるビジネスパーソンとそうでない方との違いを“見える化”していきます。オンラインでの非対面営業でも本質は同じですので、熟読して新たな視点や気づきを得て、ぜひ明日からの成果に繋げて頂ければ幸いです。
はじめまして、この記事を執筆した佐藤政樹と申します。劇団四季出身の研修講師として【受講生を惹きつけながら気づきと学びを促すことをモットー】に、講演会やセミナーの講師だけに限らず大手企業などでさまざまな研修を行っております。人前で話す機会の多いビジネスマンのスピーチトレーニングを多数担当させて頂いております。記事の内容をお読みいただき、もしご興味いただけましたら、ページ最下部のプロフィールや研修内容の詳細をご覧いただけますと幸いです。
特徴と違い。説明営業か、イメージさせているか
営業力のあるビジネスマンと営業力のないビジネスマンの営業トークで明らかに違う点が二つあります。
一つは
“説明しているか”
“イメージさせているか”
です。
説明している営業マンはなかなか売れません。
逆に、顧客の頭の中にある願望をイメージさせるような話し方ができる営業マンは間違いなく成約率は高くなります。
(洋服や車などわかりやすいでしょう。その商品を購入後にどんな自分になっていたいのか?どんなことを実現したいのか?その商品を通じて成し得る世界観を言葉で空想させて顧客が気づいていない新しい感情を醸成させてみるのです)
では、この“説明する”営業と“イメージさせる”営業の違いどのような点があるでしょうか。
どうしたらイメージさせるような営業トークが出来るのでしょうか?
■イメージさせるにはどうしたらいいか?
商品購入前、購入後のイメージを頭に描いてもらうという事は、どこの営業力研修でも言っていることです。
当たり前すぎて「またか」と思うかもしれません。
多くの営業マンはこのことがわかっていながらも、
つい自分の商品のPRや自分を売ること
をまず第一に考えます。
ですから、成果を継続させるには常に自問し続けなければなりません。
「一方的に商品の説明していないか?イメージさせているか?」__と。
自分の世界観と顧客の頭の中の世界は全く違うということをあらかじめ理解しておく必要があります。
顧客は自分が思っているほど、その商品に対して知識はありませんし興味もありません。
仮に興味があったとしても自分が思っているレベルよりも興味レベルは確実に低いです。
ですから、まず顧客に土俵の上に立ってもらうためにはイメージしてもらうしかないのです。
プロの表現の世界も同じで、言葉を話す時は常に聞き手が自ら頭の中でイメージするよう意識します。
言葉の内容を説明していると、顧客の頭の中ではイメージするという脳の機能が働きません。説明するのではなくイメージさせるように語りかけます。
一方的に説明していると、顧客が頭の中でイメージする力をなくしてしまうのです。
これをプロの舞台の世界では「観客がイメージする頭の領域に土足で足を踏み込む行為」と言いました。厳しく繰り返し繰り返し言われ続けたものです。
特徴と違い〜言葉に感情を込めるか、実感するか〜
営業力のあるビジネスマンと営業力のないビジネスマンの営業トークで明らかに違う点のもう一つは
”気持ちを込めて話しているか?”
”実感して言葉を語っているか?”
多くの方が、
「気持ちを込めれば顧客に伝わる」
「自分の思いを込めれば顧客に伝わる」と思いがちです。
しかし気持ちや思いを込めて感情的になっている時は、空回りしてしまう時でもあります。
「あんなに熱く話したのに、さーっと引かれたのを感じた。完全に空振りした。うるさいやつだなと軽くあしらわれた。」
という経験はありませんか?
自己表現のプロの世界でいいますと、全面的に自分を出して気持ちや思いや熱量を込めて情動的に表現する人は、自己満足しているアマチュアなんです。
話している本人はとても気持ちがいいのですが、聞いている側は不思議と逆に引いています。
ここを多くの方が履き違えて聞き手に向かって表現してしまいます。主観的になっているからです。プロは自分目線(主観)ではなく常に相手目線(客観)です。
自分はやった気になっているのに相手が響いていない時というのは往々にしてこういう時なのです。
では感情論と実感の違いと特徴とはなにか?次の章で深ぼってみましょう。
佐藤政樹の「成約率が飛躍的に高まる営業力研修」の様子
■営業力と頭、胸、腹の関係性とは
ではそれを理解するために、ここで営業マンのタイプを大きく3つに分けてみましょう。
頭の営業マン
胸の営業マン
腹の営業マン
にです。
頭の営業マンは、いわゆる頭のいい人。
頭の回転が早く、分析力があります。
商品の知識も豊富です。
胸の営業マンは、前述したような気持ちや思いを込める人。伝えよう、伝えようと全面的に自分を出す人。必死で頑張り屋。
腹の営業マンは、据わっている。
存在感がある。動じない。
それでいてリラックスしている。
私は、舞台で培った伝える技術と営業でトップになった経験を活かしてたくさんの営業力向上の研修をしていますが、
成果をあげる営業マンは間違いなく、「腹の営業マン」です。
頭の営業マンは、いわゆる説明してしまう人です。頭はいいのですが、なかなか成果を上げられません。予期せぬことがあると対応ができません。
胸の営業マンは、努力家で素晴らしいのですが、つい気持ちや思いで熱く伝えてしまい引かれてしまったり空回りしてしまうこともあります。
腹の営業マンは、腹が据わっています。言葉も気持ちも上滑りしていません。常に落ち着いていて相手に安心感を与えます。
腹の営業マンは、顧客にイメージさせるように自分が腹落ちした嘘偽りない言葉を淡々と実感して語っているのです。
実感とは腹底から溢れでる真実の想いです。
「観客(顧客)の前では常に透明であれ」
この言葉は世界的演出家である劇団四季創業者の浅利慶太氏から直接習った言葉で、私も営業の現場で顧客を前にしたときに必ず意識してしました。
胸の営業マンは、顧客がイメージする頭の領域に土足で足を踏み入れてしまいます。
だから気持ちが先行してしまい空回りしてしまうのです。顧客の視点に立ってみると胸の営業マンはうわっぺらで嘘っぽく感じてしまうのです。
【もっと知りたい方向け】お客様に会う直前に読むことを薦める究極のバイブル
頭、胸、腹の違いを研修で実際に表現する筆者
■イメージ力には個人差がある
ここで、顧客のイメージ力には個人差があるということを予め理解しておきましょう。
全員が同じレベルでイメージできると思ったらそれは間違いで、自分がどんなに素晴らしい商品だと思って顧客のニーズにもぴったりあっていて、イメージさせるように語れても売れない時もあります。
それは、顧客自身のイメージする力が弱い可能性が高いと言われています。
この場合は、割り切る必要があります。
顧客のイメージする力も配慮しなければいけないのですが、営業マンが顧客の頭の中で商品購入後に実現する世界観をイメージをさせるトレーニングはとても重要です。
プロ営業マンにとって最も大切な意識は
・普段の生活でも相手にイメージさせるような語り方
・言葉を腹落ちさせて実感する語り方
に変えてみるという事です。
話し方ではありません。語り方です。
■どうすればイメージさせる営業力がつくか?
さて、営業の現場で顧客の頭の中で商品購入後に実現する世界観をイメージをさせるトレーニングはとても重要だとお伝えしましたが、具体的にはどんなトレーニング方法があるでしょうか。ここからはあなたのイメージさせる語り方を向上させるために5つのポイントで解説していきます。
ポイント1:絵画教室の先生の立場になってみる
オンラインなど含めて、いざ現場で顧客を前にすると、焦ったり緊張したりして、イメージさせることの重要性を忘れ、ふわふわと浮き足立って胸の営業マンになってしまう人がいます。
誰もがそうなってしまうものと決して自分を責めないでください。ただ、以下のマインドセットがあるか否かは大きな差です。
一度絵画教室で生徒に絵を教える先生の立場になってみましょう。
あなたがもし絵画教室の先生だったら、生徒の真っ白なキャンパスに自分の筆を入れますか?決して入れないと思います。白いキャンバスをカラフルの色に描いていくのはあくまでも生徒自身です。
自分との関わりによって生徒が自ら手を動かし絵を描くと思います。それと同じように、相手の頭の中にある白いキャンパスに様々な色で自分でイメージを自由に描いてもらうのです。
つい一方的に説明したり、成約を取りたくて情動的に関わってしまいがちですが、絵画教室の先生になってみるというマインドセットは忘れないで下さい。
ポイント2:質問して相手の脳のスイッチを入れる
では、生徒さん(ここでは顧客となりうる人)に自らの頭のキャンパスにカラフルな絵で未来を描いてもらうためにはどうしたらいいでしょうか。
そのヒントとなるのが質問(問いかけ)です。
「おとといの晩御飯は何を食べましたか?」
私があなたの目の前でこの質問をしたら、考えるのを放棄しなければおそらく、「あれなんだっけ?」と頭の回転が始まったはずです。
たとえ思い出せなくても、「おとといは何曜日でしたか?どんなスケジュールでしたか?最後に会ったのは誰でしたか?駅を降りてからどこに向かいましたか?」などと質問を掘り下げていくと様々なことが頭の中で浮かび上がり、あるところで「焼肉を食べた!」と思い出されたりします。
これが質問の力です。
たった一つの質問が脳の思考スイッチを入れるのです。
これを図解するとこうなります。
あなたのこの質問の質が上がれば上がるほど、相手は自然とその質問に答えるために考えを深耕させ、本人が持っている願望やまだ自分でもわかっていなかった気づきを促すのです。
しかし質問は強制力が強いものです。一歩間違えると尋問になったり相手の脳に負担をかけるだけの独りよがりのものになってしまいます。それほど質問力は奥が深いのです。
そして、質問するためにはまず相手の話を”聞く”必要もあります。パフォーマンスの高い営業マンは間違いなく傾聴力が高いものです。
心の底から相手の話を聞いてニーズを聞き出し、顧客の願望や商品購入後のイメージを膨らませるような有効的な質問の引き出しをたくさん日々蓄えておきましょう。あなたのキャラクターや業種や扱ってる商品によって質問はかわります。試行錯誤しながら時間をかけて見つけていくしかありません。しかしこの引き出しを持っているか否かは大きな差となっていきます。
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部下育成のための質問力の高め方/鍛え方。メリットと9つのトレーニング法を解説
ポイント3:シンプルにイメージしてみてくださいと最初に伝える
私は結婚式の司会業をしていたことがあります。100回以上経験のある中堅司会者だったのですが、初対面の新郎新婦と打ち合わせをする際に気をつけていたことがありました。
新郎新婦は何百万もの大金をかけて結婚式の準備をしています。この司会者に私たちの一生に一度の晴れの舞台の司会を任せていいのかと不安になっているのです。
ですから私は新郎新婦に披露宴当日の様子をイメージしてもらうことを非常に重要視していました。オープニングのドアが開きスポットライトが当たりゲストの方々が自分たちに向けて大きな拍手をしてくれている。そんな中自分達は拍手に包まれて幸せな感情を味わいながらメインテーブルへと向かう。
これをイメージしてもらうとほとんどの新郎新婦が安心した表情になるのです。そしてこの人に任せて大丈夫だと思ってくれる確率が高くなるのです。
その際に私は絶対に最初に言っていた言葉があります。
それが「イメージしていただいていいですか?」です。
本当にシンプルですが、この一言が抜け落ちている人が意外と多いです。
・商品購入後の自分がどんな自分になっているのか
・どんな未来が実現するのか
・どんな問題や悩みが解消されるのか
・その時には自分はどんな感情を味わっているのか
最初にまず「イメージしてもらっていいですか」と伝えその後にこれらの世界観を味わえるような語りをいていくのも顧客を安心させるうえでも大事です。
ポイント4:みたものをそのまま言葉に出す練習をする
ヒントは日常の会話の中にあります。
日常の会話から相手にイメージさせるように語りかけ習慣化することが、自分の表現力を磨くための一番の方法です。
例えば、あなたがスーパーに買い物に行った時に店の入り口近くで焼鳥屋さんがパタパタとうちわを仰いで鶏肉を焼いていたとします。
その匂いに惹かれて購入して食べてみたらあまりに美味しかったという経験を日常でした、とします。
上の写真とその美味しさを相手に細かくイメージさせるように、家族や同僚に伝えてみましょう。
「今日ね、洗剤を買いにスーパーに行ったら、お店の入り口近くに焼鳥の出店があってね。
おじさんが赤いうちわをパタパタ仰いでいるの。
そのうちわから漂う香りが“とってもいい香り”で、思わず分厚いレバーとネギ間を買って食べたら“本当に美味しかった”んだよ」
この話をする目的は、「私も食べたい!!」と言ってもらうことです。雑談ではありません。日頃から自分の表現力を磨く感度をあげておくのです。
もう一つ、例を出します。
あなたが朝早く起きて江の島にサーフィンをしに行ったらその日は快晴で富士山が綺麗に見えて感動したとします。
上の写真を仲間にイメージさせるように語ります。
目的は「行ってみたい!!」と思ってもらうことです。
「昨日朝からサーフィンに行ったらね、とても天気が良くて最高のコンディションだったんだよ。左手には江の島、右手には手に届きそうなほどはっきりとした富士山が見えるんだよ!そんな最高の景色の中でサーフィンが出来て“本当に感動した”んだ。〇〇さんにもぜひあの富士山の美しさを観てらいたいな」
“〜〜”の部分は実感して語るとよりいいでしょう。
このように、日常に対しても自分のスキルアップのためのチャンスだという視点を持てれば意識が変わり、とても鍛えられるでしょう。日々の努力・成長によってあなたのセールストークの質は十分にあがります。
ポイント5:時には黙って沈黙を作る
わたしたち家族が今住んでいるマンションを購入することに決めた時の営業マンのスタンスが非常に印象的だったのでここで共有します。
彼はまさに腹の営業マンでした。
マンション購入は一生に一度の大きなお買い物です。失敗しないか?買った後に後悔しないか?色々な不安を抱えながら購入を決定するのはお分かりかと思います。
私たち家族が今住んでいるマンションの部屋に内覧をしにリビングに入った瞬間にそこから広がる景色を私たち家族は眺めていました。ここに住んだらこんな景色が味わえるのか、新しい生活をイメージしながら、様々なことに想いを馳せていました。
その際、彼は落ち着き払っていて、びくともしない大木かのようにそこに立って黙っていたのです。彼は一言も話しませんでした。
別のマンションを見に行った際は、営業マンが必死に妻をよいしょしたり良いところを説明したりしていました。私はその二つの営業マンのタイプを対比してみたところ前者はまさに腹の営業マン、後者はまさに胸の営業マンでした。
もちろん購入を決めたのは腹の営業マンです。
黙って沈黙を作ることにより相手はイメージを膨らませます。沈黙は怖いものです。しかし土俵に立ってもらうために沈黙を恐れずにあえて沈黙を作るのも必要でしょう。
営業力の高め方まとめ
これらの5つのポイントはあくまでも、相手の頭の中に光景をイメージさせる意識に変えるために日常からできることです。
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ここから営業の現場で応用するために大切なのは、顧客の頭の中にある願望を聞き出し、商品購入後にある世界観(光景)をイメージさせることです。
トップセールスマンが私の講義を受けた後に、突然成約率がぶれた理由が明確になったと言って頂けるのはこのためです。
「感覚的だったものが論理的に整理されてはっきりとした。」
「見える世界が変わってしまった。」
「クロージングが安定して成果につながった」
という方もいます。
この記事を参考にして、日常にあなたの営業力をあげるヒントが隠されていると思って意識を変えてみてください。
今日から営業の際には、腹の人を意識しませんか?
あなたの成果に繋がることを期待します。
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佐藤政樹の異色のプロフィール
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話し方やプレゼンどうこうの前に
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