目次
なぜ例え話が上手い人の話は腑に落ちるのか
「なんであの人は例え話がうまいんだろう?」
「なぜ瞬間的に絶妙な例えが思いつくのだろう?」
「自分もあんなふうに話せるようになりたい」
惹きつける話し方をする人って例え話が絶妙だと感じた事はありませんか?
例え話が上手い人って内容が腑に落ちます。 それだけでなく聞いてきてどんどん惹き込まれたりもします。
そこで今回は「例え話がうまくなる方法〜絶妙な例え話の作り方5STEP〜」というテーマでお伝えします。
はじめまして。佐藤政樹と申します。 私は現在研修講師をしております。もともと劇団四季というところで10年間舞台に立ってきた経験を持っていて今はその経験を生かしていろんな企業に行って研修を行っていて、これまで約300社3万人ぐらいの方に受講してきていただいております。
例え話がうまい人と言うのは、生まれ持った才能なのでしょうか?
もちろん先天的に才能として備わっている方もいます。瞬間的に例えを思い出しそれを即興でその場で使って説得力のある話し方をする人もいます。
しかしこの例え話と言うのは、生まれ持った才能でなくちょっとしたコツとトレーニングによって後天的に身に付けることもできるのです。
今回はその例え話の作り方を具体的な5つのステップで解説していきます。
このコラムでは例えが上手いと話が惹きつけられる理由と説明が腑に落ちる理由をまず解説します。そして最後に例え話を作るための5STEPを丁寧に解説していきます。
このコラムを熟読することによってあなたは、具体的な例えの作り方がわかるようになり、仕事で応用することができます。 またそれにより成果が上がるでしょう。
ぜひ最後まで御熟読ください。
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例え話がうまくなると話が惹きつけられる理由
なぜ例え話が上手い人は話が惹きつけられると思いますか?
惹きつける話し方ができる人は、これから自分が伝えようとしている聞き手にとってまだ未知の情報、まだ知らない情報、概念を、聞き手が既に知っている考えや概念と結びつけて話しているのです。
例えばあなたがテレビを見ていて、真っ白な画面にかぼちゃが置かれて、「みてください!こんなに大きなかぼちゃが収穫できました!!」 と言われてもかぼちゃの具体的な大きさがさっぱりわからないでしょう。
しかしもしそのかぼちゃの隣にマッチ棒が置かれていたらいかがでしょうか?
マッチ棒の大きさや長さは、多くの人が、正確ではなくとも、なんとなくわかっている事でもあります。
このように惹きつける話し方をしている人は、新しく入ってくる情報と聞き手の頭の中にすでにある情報とをうまく結びつけて話すことができるのです。
例え話がうまくなると説明が腑に落ちる理由
話の中で、先程のマッチ棒のような存在がなかったらどうでしょうか?おそらく頭の中で「??マーク」が生まれると思います。
新しい考え方や概念を伝える時などは、あまりに一般すぎて「それはわかっているんだけど」とか「だから何なの」など伝わらない理由にもなります。
一般論だけでは伝わらないのです。説得力もうまれないのです。
しかしマッチ棒のような例えがあったらどうでしょうか?例えがあると聞き手が自分で頭の中でイメージを広げるのです。そこで初めて自分事となります。
一般論や説明は、聞き手本人の中にあるすでにある情報と結びついて初めて当事者意識がうまれます。
その結果として、一般論や説明が自分の中に取り込まれ腑に落ちるのです。
絶妙にうまい例え話の作り方5ステップ
ではどうやって 例え話を作ったらいいと思いますか?
ここからは私が独自で行なっている具体的な作り方5STEPを解説していきます。
例え話の作り方5ステップ
STEP1. まず伝えたいことや概念を言葉にしてみる
STEP2. ゴールを設定し言葉にする
STEP3. その言葉の中からキーワードや効果音など抽出する
STEP4. そこからイラストなどを描き、類似物を探す
STEP5. “1と2″に紐づくか考える
ではさっそくやってみましょう!!
うまい例え話の作り方 例1
実際に使ったイラスト
例えば、あなたがスマ歩ばかり見ていて完全に スマホ依存になっている子どもや部下に対して注意する場面を想定してみましょう。
STEP1伝えたいことや説明したいことを言葉にします。
・伝えたいこと
スマホに依存すると自分の人生がスマホに奪われます。スマホにコントロールされるのではなくスマホをコントロールすることが大切です。
次にSTEP2でゴールを設定し言葉にします。
ゴールとはわかりにくいかもしれませんが、簡単に表現すると、あなたの伝えたいことや説明を聞いた相手が最終的にどういう状態になって欲しいのかを言語化してみるということです。
・話のゴール
スマホとの向き合い方を変えてもらう。スマホが主人になっている人を見るたびに気をつけようと思ってもらう。
そしてSTEP3として、その言葉の中からキーワードや効果音など抽出します。
ここでは効果音はありませんが
「スマホ依存」
「コントロールされる」
「コントロールする」
「向き合い方」
「主人」などです。
ここからSTEP4のとおりにイラストなどを描き、日常の中から類似物を探します。
ここで私は主人というキーワードをきっかけにいろんな視点で類似物を探しました。 目に飛び込んできたのは首輪をつけて犬を散歩する人間の姿です。
主従関係で言ったら主は人間です従は犬です。 人間は犬が自分勝手に動かないようにコントロールしています。
ここから私は発想を変えました。 リードを持っている主人がスマホ、そして首輪をつけてコントロールされているのが四つん這いになって歩く人間の姿をイラストとしてイメージしてみたのです。
STEP5これをステップ1とステップ2に紐付くか検討します。
私はとてもいい例えだと思いました。採用です。
この例えを応用すると以下のようになります___。
スマホに依存していると自分の人生が奪われてしまいます。スマホにコントロールされるのではなくスマホをコントロールすることが大切です。
例えば、 首輪をつけて犬を散歩をする人間の姿をイメージしてみてください。犬をコントロールしているのは人間です。 これが逆の立場だったらどうでしょう?人間が首輪をつけられ、四つん這いで歩いています。首輪のリードを持って、その人間をコントロールしているのがスマホだったらどうでしょう。
スマホが人間の人生をコントロールしていることになります。現実にこういうことが起きているのです。
ぜひこの機会にスマホとの向き合い方を変えてみましょう。スマホが主人になってはいけません。 電車などでスマホにコントロールされてる人を見るたびに 今日お話ししたことを思い出してください。
いかがでしょうか?「スマホにコントロールされるのではなくスマホをコントロールしましょう」と言うだけとは全く説得力が違うと思いませんか?このように、例えば説得力を持たせる上で非常に大事なのです。
うまい例え話の作り方 例2
実際に使ったイラスト
次に、自分の伝え方や話し方を向上させて、何とか部下や後輩が自分で考えて行動できるように 育成したい人に、話し方よりも関わり方の方が大事だと伝えたい場面としましょう。
STEP1伝えたいことや説明したいことを言葉にします。
人を動かすためには伝え方や話し方だけではなく、まず信頼関係をしっかりと構築していくことが重要です。 どんなにいいことを言ってもそもそも関係性が悪かったら内容や言葉は全く入らないからです。
次にSTEP2でゴールを設定し言葉にします。
日ごろの自分の関わり方を見直してもらう。それにより自分の言葉がズバンとその相手に入り心が響くようになる。
そしてSTEP3として、その言葉の中からキーワードや効果音など抽出します。
例えばここでは
「伝え方」
「信頼関係」
「内容も入らない」
「関わり方」
「ズバンと入る」
「心に響く」などです。
ここからSTEP4のとおりにイラストなどを描き、日常の中から類似物を探します。
ここで初めて効果音が出ました。「ズバンと入る」です。
私が想像したのがピッチャーがキャッチャーのミットに対して豪速球を投げるシーンです。 ピッチャーがどんなに良いコントロールや素晴らしいボールを投げても、キャッチャーとの信頼関係ができていなくてキャッチャーが受け取る気がなかったらボールが後ろのほうに飛んでいってしまうと思います。
STEP5これをステップ1とステップ2に紐付くか検討します。
これはとてもいい例えだと思いました。
この例えを応用すると以下のようになります。
人を動かすためには話し方や伝え方だけではなく、まずは信頼関係をしっかりと構築していくことが重要です。どんなに良いことを言ってもそもそも関係性が悪かったら内容も全く入らないからです。
例えばピッチャーとキャッチャーを想像してみてください。ピッチャーがどれだけ素晴らしいコントロールやどれだけ速い球を投げても、キャッチャーとの関係が悪くキャッチャーがボールを取る気がなかったらそのボールはバックネットのほうに飛んでいってしまいます。
これと同じように私たちは、コミュニケーションをとる上で、日ごろの関わり方がとても重要です。日常からしっかりと信頼関係を作る関わり方をしていれば、言葉という目に見えないボールをしっかりと相手にズバーンと届けることができるでしょう。 信頼関係がしっかりとできていれば相手の心は強く響くでしょう。
いかがですか?ピッチャーとキャッチャーの例えがあるだけで最初の概念がより伝わりやすくなると思います。
うまい例え話の作り方 例3
実際に使ったイラスト
次に、自分の部下や後輩が目標達成に向けて進んでいるときに、何か問題にぶち当たりつまずいている場面を想定しましょう。
STEP1伝えたいことや説明したいことを言葉にします。
目標達成に向かう過程で何か問題にぶち当たったときには、ある程度自分で考えてどうしても無理だったら、すでに達成したことがある人に素直に助言を求めることが大切です。
次にSTEP2でゴールを設定し言葉にします。
ひとりで抱え込まず、プライドも捨てて、心を開いてアドバイスを求める姿勢を持つ。悩んでいたことがするすると解決する。
そしてSTEP3として、その言葉の中からキーワードや効果音など抽出します。
ここでは
「問題」
「達成したことがある人」
「助言」
「心を開く」
「アドバイス」
「するする解決」とします。
ここからSTEP4のとおりにイラストなどを描き、日常の中から類似物を探します。
私はするすると言う言葉に反応し、類似物として“絡まった糸”を想定しました。何かのきっかけで1本糸を抜いた引いた結果、絡み合っていた一気に糸がほどけて長い1本の糸として使うことができるようになったというイメージです。
つぎにSTEP5としてSTEP1STEP2に紐づくか考えてみます。
私はどうもピンときませんでした。絡み合った糸が直近の自分事の問題としてイメージがつかなかったのです。
そこで私は”するする”と言う効果音を少し変形させスパーン!!に変えて考えてみました。身近なもので、困ったときにスパーンと解決するものって何かないかと考えたのです。
その時私はたまたまワインを買って飲もうとしていました。普通にコルク抜きを使ってコルクを抜いたのですが、もしワインを見たこともない人、ワインを初めて飲む人、コルク抜きと言う存在すら知らない人がいたら このワインを飲むのは難しいのではないかなぁと考えました。
そこで今回の例え話に応用してみました。ステップ1とステップ2に紐付くか検討すると、 結構いけそうです。
この例えを応用すると以下のようになります。
目標達成に向かう過程で、何か問題にぶち当たったときにはある程度自分で考えてみてどうしても無理だったら、素直にすでに達成したことがある人に助言を求める事は大切です。
例えば、ワインを飲んだ事がないあなた、 ワインと言う存在すら知らなかったあなたにコルク栓がつけられたワインを渡したとします。 あなたは生まれて初めてワインを見たのですが開け方が分かりません。押したりなにかでほじったりしても開けることができません。怪我をしそうにもなりました。
結局開けることができず、あなたはワインのコルクを開けるのを諦めてしまいました。 しかし身近にワインを飲んだことがある人がいたらどうですか?「これを使ったらすぐに開けられるよ」とコルク抜きを渡してくれると思います。
コルク抜きと言う考えやアイテムはあなたの中にはないものでした。しかしあなたはこのコルク抜きによってワインを簡単に開けることができると思います。
これと同じように何か問題に当たったら、 既にその問題を解決したことがある人に助言を求めることが大切です。達成経験のある人や問題解決経験のある人はコルク抜きのような情報や考えやアドバイスを必ず持っています。
ひとりで抱え込まず、心を開いてプライドをしてアドバイスを求めましょう。悩んでいたことやどうしても解決できなかった事はスパーンと一気に解決するでしょう。
いかがですか?
最初の一般論だけ言っているよりもはるかに説得力が高いと思います。
まとめ 例え話をメモに残し自分のストックとする
最後に重要なことをお伝えします。自分で考え出したこの例え話は必ずメモに残して引き出しとして自分の中にストックしていきましょう。
なぜストックする必要があるかと言うと応用が効くからです。
例えば今回はピッチャーとキャッチャーという話をしましたが、違う場面ではダーツの的と例えた方がいいかもしれません。 目的から逆算することの大切さを伝える場面だったら、応用してカーナビの例なんかも使えたりもします。
このストックが増えれば増えるほど、あなたの話し方は非常に魅力的になるでしょう。惹きつける話し方ができるようになるでしょう。
自分の扱う商品をお客様に提案する時などもこの例え話を使う事は非常に有効的です。 例え話を使うことによって顧客は自分の頭でイメージを広げます。
自分でイメージを広げることによって初めて同じ土俵に立てるのです。
逆に相手が同じ土俵に立っていない状態では、どんなに自分の商品の素晴らしさを説明したところで相手に購入の意思は生まれないでしょう。
結果や成果を出す上でも、相手のイメージを引き出す例え力はとても重要です。
ぜひ今回のコラムをきっかけに、自分の例え話の力を培ってみてください。きっと素晴らしい未来が待っているでしょう。
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