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■なぜ、いつもモチベーションは一過性になってしまうのか?
組織の生産性を高めるうえで、働く人のモチベーションは重要な要素です。モチベーションが上がれば成果に好影響を与えるでしょう。ですから、モチベーション向上などの研修は投資効果のとても高い重要な教育だというのは当然の事です。
モチベーション研修などでよく取り上げられるのは、“モチベーションが上がるような感情を創り出す”というものです。確かにその通りです。その感情によって行動が変わり成果も変わってきます。しかし、モチベーションを感情論で捉えると、一過性に陥る可能性もあります。
モチベーションが上がって結果が出たものの、数カ月で元の状態に戻ってしまったなどということはよくある話です。今回は、再現芸術という世界の観点から、もう一歩深く踏み込んでモチベーションについて考えてみたいと思います。
■商品の質とモチベーションが一致する場合
再現芸術とはその名の通り、繰り返し・繰り返し同じことを再現していく芸術の事です。ミュージカルの舞台はまさに再現芸術です。
この再現芸術をする上で問題になるのは、質の維持と出演者のモチベーション維持です。質が低下すれば商品価値が下がり、お客様が離れてしまいますので、出演者のモチベーション維持もとても重要です。
この再現芸術に従事している出演者は、芸術家です。しかし、一歩考え方がずれてしまうと、すぐに思考が芸術家から肉体労働者に変わってしまいます。
「このタイミングで舞台上に入り、数字の何番を通って〇〇とすれ違ったあと、数字の何番にたつ。」とすべての動線とタイミングが決まっているからです。
その状態で、年間200ステージ以上を演じ続けなければなりません。毎回毎回同じ動き同じタイミングです。
すると、ちょっとした考えのずれにより、自分が歯車の一部のような感覚になってくるのです。さらに疲労の蓄積がその感覚を生み出す原因の一つにもなります。同じことの繰り返しは、想像以上にモチベーションの維持が難しいのです。
■モチベーションに左右されないプロの心構え
では、どうやって出演者はモチベーションを維持するのでしょうか?モチベーションに対する考え方を紹介しますのでビジネスの現場に結び付けて頂きたいと思います。
仕事の定義づけを浸透させる
一番大切なことは「仕事の定義づけ」つまり何のために舞台に立っているのかを毎回毎回自分に問いかけることです。 商品を提供する側は、それが日常です。しかし提供される側は、非日常だからです。
出演者は毎日ステージに立ちますが、観客は一生に一度の観劇かもしれないのです。ですから、毎回定義を問いかけることが必要になります。この「仕事の定義づけ」を自分に問いかけることにより モチベーションのアップダウンに左右されず一回一回の舞台が、初日のように新鮮にできます。
舞台の世界の「何のために舞台に立つのか?」という定義づけは顧客に”生きがい”を価値として提供しているという事です。 顧客が、感動によって明日からがんばろう!!と思ってもらえるような”生きがい”をお客様に提供しているのです。
ステージに立つ前に、この定義を確認するのとしないのとでは舞台のクオリティーに大きな差が出るのは明らかでしょう。
舞台の本番前のお話をしましたが ビジネスシーンにおいてはどう考えられるでしょうか。例えば、営業でいうなら、上司に「飛び込みで開拓をしてこい」と指示されて、嫌々会社を出ていくような心境でしょうか。「やらされている感」が満載でモチベーションは日に日に下がっていきます。
店舗型スタッフが顧客をお迎えする時はどうでしょうか?大きな声と作り笑顔で「いらっしゃいませ!!」とスタッフに言わせることがモチベーションのアップに繋がるでしょうか?
「何のためにこの仕事をするのか?」という仕事の定義は マネジャーが何度も仕事に入る前に考える時間を作ることが大切です。
御社の仕事の定義はどんなものでしょうか?
年に数回伝えられるだけでなく、 日々語られているでしょうか?
社員全員に共通認識として浸透しているでしょうか?
この「仕事の定義」の個への浸透は、 会社の業績に繋がる大切なことです。
社員の価値観・ビジョン・信念を引き出す
私は劇団四季で主役を演じた後に、自分の中で「もうこれでいいかな」という気持ちが生まれ、そこから燃え尽き症候群になった経験があります。
それまでは、人から認められたい、承認されたいという欲求だけで倒されては気合で起き上がってきました。逆流を根性論で突き進んでいくような人生でした。
少し休めばすぐに回復するだろうと思っていたのですが、一向に良くならずやる気が全くなくなったどころか、精神的不調にまで陥りました。
どうしてこんなことになったのでしょうか?それは、人から認められたいという事が目標になっていて自分の人生の目的(大義)と一致していなかったからです。
自分が何のために生きていったらいいかわからなくなってしまったのです。私は自分を責め続けていたとても苦しかった時に、それに気づきました。
そして、23才のフリーターから劇団四季の主役まで登りつめた経験と技術を、人材教育を通して活かしたい・貢献して生きていきたい。と心に誓いました。するとすこしずつやる気が湧いてきたのです。
そして行動することによって、多くの人に喜んでいただき、人のために貢献が出来ているのだなと実感することによって“自分は生きている”と思えるようになりました。人は信念が決まれば、やる気が湧いてきます。信念は不滅のエネルギーだということを私は確信しています。
自分自身が大切にしている価値観やこうなりたいというビジョン、そして信念を明確にすることによってモチベーションに左右されない確固たる自分軸が打ち立てられます。
社員がどうなっていきたいのか?
どんなビジョンや夢があるのか?
どんな価値を持っているのか?
社員に興味を持ち傾聴して質問をして引き出し、今は、それらに向かっていくためのプロセスだという事を言葉で伝えて励ますのが、マネジャーの仕事です。
これらがプロの世界のモチベーションに対する考え方です。一流はこれらの考え方が備わっているため、まるで生存欲求を満たすために食事をするかのごとく、モチベーションのあるなしを超えた域で淡々と仕事をします。
仕事の定義が社員に浸透し、一人ひとりが価値観を大切にして信念を持って仕事に望むことにより、その会社の業績は大きく変わるでしょう。働く一人ひとりがモチベーションに左右されずに自分軸をもって輝くことがとても大切なことではないかと、私の舞台経験から感じてなりません。
佐藤政樹のモチベーション研修について詳しく知りたい方はこちら
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・お荷物赤字社員で営業をクビ
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ダメダメフリーターだったコラム筆者が劇団四季の主役にまで上り詰め人気講師となったリアル人生逆転物語です。
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