コラム|佐藤政樹 劇団四季元主演 オフィシャルHP

夢と感動を届ける人材育成トレーナー 佐藤政樹
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顧客満足度1位の劇団四季。その理由はビジョンの共有と人事にあり。

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■脚本はビジョン・配役は人事

 
 プロジェクトを達成するうえで、組織の理念やビジョンを働く個々にしっかりと伝える事、そしてそれに向けた人材を集めることはとても重要なことです。

 
プロジェクトのビジョンがなかったらチームがどこに向かっているかわからなくなりますし、そのプロジェクトを実現するための人材がそろわなければ達成は遠のいてしまいます。

 
このことはフィールド・業種は違えども、どの分野でも共通しています。プロジェクトの大きい小さいも関係ありません。

 
私が経験してきた劇団四季の世界は、2015年あらゆる企業を押しのけて、顧客満足度1位をとりました。しかも2年連続です。
劇団四季がなぜ、このような顧客満足度を生み出しているのでしょうか?
今回はその背景にある考え方をお伝えしたいと思います。

 
脚本のテーマ=ビジョン 配役=人事

 
ここに最もエネルギーを注いで仕事をするのが演出家という存在です。

 
今がまさに、新たなプロジェクトやイノベーションを起こそうとスタートアップの段階でしたら、改めてビジョンとそれに向けての人材について考えてみるきっかけになれればと、私の体験してきた特異な世界からの切り口でお伝えさせて頂きます。

■ビジネスにも結び付く超一流演出家の最も重要な仕事とは?

 浅利慶太氏をご存知でしょうか?60年前、劇団四季をゼロから立ち上げ売上180億・年間動員数300万人の日本トップの劇団に育て上げた超一流の演出家&プロデューサー&経営者です。

 
私は23才のフリーターの時、どうなって行きたいのかさっぱりわからず、人生を彷徨っていました。

 
その時に劇団四季の舞台を観て、出演者の魂の表現に全身の血が沸騰するくらいに感動し、そこから本気の勉強を始めて、素人あがりの私をプロの世界に引き上げてくれたのが浅利慶太氏でした。

 
そこから育てて下さり、最後には主役にまで抜擢して下さった私の恩師です。

 
その浅利慶太氏はよく、こうおっしゃっていました。

 
「脚本を選ぶ力・その脚本の内容を忠実に再現するために的確なキャスティングをすること。これが演出家の最も重要な仕事である」

 
どんなにすばらしい俳優がそろっていても脚本が一流でなかったら、感動は生まれません。脚本を選ぶ力・作る力はとても重要という考ことです。

 
まさに、ビジネスの世界でいうまずビジョンを明確にするということです___。

佐藤政樹の研修の様子


 
そして次の段階で、その一流の脚本の内容を忠実に再現するために配役(キャスティング)をします。

 
素晴らしいビジョンを実現するために、的確な人材を探すということです。

 
プロの演劇の世界では個性(キャラクター)・専門能力・体系・容姿。すべてを熟考して選び、実際に試します。

 
厳しいプロの世界では、トライアルによって合わないと分かった場合は、即その俳優から変えて別のキャスティングをします。なぜならば、一流の仕事によって選んだ一流の脚本の中身を忠実に再現するのが一番の目的だからです。

 
この脚本を正しく再現するために「まさにこの人だ」という人材を選んでいくのです。

 
配役が変わるというとネガティブなイメージがあるかもしれませんが、演出家は忠実に自分の仕事に責任を持って行っています。

 
そして演出家が自らの仕事を全うして再現させたキャスティングによる観客の評価の責任は、すべて演出家にあるのです。

 
「リハーサルで高い基準のクオリティーを超え最善を尽くして出演した俳優が、観客から批評を受けても落ち込む必要はなく、すべてはキャスティングした演出家の責任。」と言われます。

 
 非常に面白いところは、キャスティングに「スターはいらない」という考えです。テレビで有名なスターをキャストティングすると観客は集まりやすくなります。しかし、そうして集まった観客は、作品ではなくそのテレビスターを見に来ているのです。

 
それでは一流の脚本から得られる真の感動ではありません。スターではなく脚本の感動を正しく伝えるのが第一優先という強い志をもって、一流の仕事をしているのです。

■プロの演劇やスポーツの世界だけの話ではない

 適役が絞られリハーサルが進む過程では常に、その脚本のテーマ・コアメッセージを演出家(トップ)が繰り返し繰り返し再現する俳優に語ります。

 
ビジョンを繰り返し繰り返し社員に語る経営者のようにです。

 
 
サッカーなどプロスポーツの監督も全く同じことをしています。目標に向けて、緻密な戦略(ビジョン)をたて、その目標を達成するためのポジションごとの人材を的確に絞って配置しています。

 
和を乱してまで個人プレーに走るスター選手はポジションをすぐに失うものです。監督はどこに向かっているのか、どこを目指しているのかを選手に繰り返し語ります。

 
ビジネスの世界でいうと、脚本こそまさに企業理念やビジョン。キャスティングこそ、そのビジョンを達成するための人材配置やリクルーティングということです。

 
プロの舞台の世界やプロスポーツの世界と同じように、今手がけているプロジェクトがどういう想いを持ってどういう方向むかっているのかを明確にし、そのための人材を的確に慎重に選び配置することが重要だと考えられます。

 
 ここで間違えてはいけないのが、なんとなく出来そうな人を集めてそこから選ぶのではなく、「まさにこのポジションを任せられるのはあなたしかいない」とリーダー自身が目標を達成するためのキャスティングに重点を置くことなのではないかと思います。

 
そして、過程でチームに自分たちの理念を繰り返し語ってチームビルディングしていくのこそ達成への道ではないでしょうか?

 
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