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ベストな時間は?惹きつける乾杯スピーチのコツ

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乾杯スピーチの時間とコツ:はじめに

あなたが乾杯のスピーチをしているとき、周りの人たちは本当に耳を傾けていますか?

経営者やビジネスパーソンの方々は乾杯のスピーチをする場面が多いと思いますが、実は聞いている多くの聴衆があなたの話を「早く話し終わってくれ」と思っていることも少なくありません。

このような状況は、特に懇親会や結婚式、講演会後のパーティーなど、フォーマルな場でよく見られます。

私も講演会の講師として、頻繁に懇親会に参加しますが、そのような場面に何度も遭遇しています。そして、聴衆が飽きてしまっているスピーチと、心をつかむスピーチとの間には明確な違いがあります。

では、その違いは何なのでしょうか。
何が聴衆を惹きつけ、何が彼らを飽きさせてしまうのか。
そして、最も重要なのは、どうすれば誰もが心を打つスピーチができるのか。

この記事では、その具体的なテクニックと方法を深堀りしていきます。

3分以内に効果的なメッセージを伝える「カップラーメンルール」、興味を引くオープニングの作り方、個人的なストーリーの効果的な使い方、そしてスピーチの締めくくりとしてのクロージングの重要性など、多角的に解説していきます。

はじめまして、この記事を執筆した佐藤政樹と申します。劇団四季出身の研修講師として【受講生を惹きつけながら気づきと学びを促すことをモットー】に、講演会やセミナーの講師だけに限らず大手企業などでさまざまな研修を行っております。記事の内容をお読みいただき、もしご興味いただけましたら、ページ最下部のプロフィールや研修内容の詳細をご覧いただけますと幸いです。

乾杯スピーチの時間とコツ:乾杯スピーチの重要性

乾杯のスピーチは、一見すると単なる儀式の一部かもしれません。

しかし、その実態は違います。

経営者やビジネスパーソンが乾杯スピーチをする場面は多く、それが懇親会であれ、結婚式であれ、講演会後のパーティーであれ、その重要性は高いです。

乾杯スピーチは、その場の雰囲気を左右するだけでなく、ビジネスの展開にも影響を与える可能性があります。

みんな早くお酒を飲みたいと思っている中で、ダラダラと話し続けると、仕事ができない人と見られてしまう可能性もあります。

一方で、短くても印象的なスピーチをすることで、一瞬で信頼され、その後の名刺交換依頼者が増えたり、人脈が広がる可能性もあります。

乾杯のスピーチでその人の魅力をしっかりと聴衆に印象付けることができれば、それがビジネスの新しい扉を開くきっかけにもなります。

つまり、乾杯のスピーチは単なる形式ではなく、その場の雰囲気を作るだけでなく、ビジネスの展開にも大きく影響しているのです。

【この記事の次はこちらの熟読をお勧めします】
一度学べば一生使える!気持ちの良いスピーチのコツ5選

乾杯スピーチの時間とコツ:カップラーメンルール

乾杯スピーチにおいて、時間は非常に重要な要素です。特にビジネスの場では、時間は金なりと言われるほど。

そのために、乾杯スピーチは3分以内にまとめることを絶対にお勧めします。この3分以内というのは、一種のマジックナンバーとも言えるでしょう。

なぜ3分なのか。それは、あなたの話を聞くよりも、みんなお酒を早く飲みたい!話したい!と思っているからです。

しかし、短すぎると軽い人間と思われてしまう可能性が高いです。そのバランスを取るために、3分が最適な時間です。この3分という時間は、聴衆が注意を払いやすい「ちょうど良い」時間でもあります。

ここで「カップラーメンの哲学」を例に取りましょう。カップラーメンは3分で美味しく作れますが、それ以上時間がかかると味が落ち、短すぎるとまだ硬いままです。

乾杯スピーチも同様に、短すぎず長すぎず、ちょうど良い時間で心に響く言葉を伝えることが大切です。

乾杯スピーチにビジネスの意識を持つことで、その後の名刺交換や人脈作りにも良い影響を与えます。シンプルであればあるほどいいが、そのシンプルさが3分以内に収められるように工夫する必要があります。

練習や準備の段階から3分ルールを守ることで、スピーチがより効果的になり、聴衆とのコミュニケーションもスムーズに行えるでしょう。

乾杯スピーチの時間とコツ:興味を引くオープニング

乾杯スピーチの成功の鍵は、最初の数秒にあります。スピーチは最初に興味を喚起するかどうかが天と地の差を生むのです。そのため、オープニングは非常に重要な部分と言えます。

「私の話を聞くとこんないいことがありますよ」と最初に提示することで、聴衆はあなたの話に興味を持ちます。この興味喚起は、聴衆が「この3分間で一体どんな効果がもたらされるのか?」と期待を持つためのスパイスです。期待を持たせることで、聴衆は最後まで飽きずに聞いてくれるでしょう。

具体例としては、ビジネスの場でよく使われる「今日は皆さんにとって、ビジネスにおいて非常に重要なポイントをお伝えします」というフレーズがあります。この一言で、聴衆は「何が重要なのか?」と興味を持ち、続きを聞きたくなります。

懇親会などでよく使われる具体例としては、「今夜は皆さんと一緒に素晴らしい時間を過ごすための第一歩として、私から一つ大切な話をさせていただきます」というフレーズがあります。

この一言で、聴衆は「何が大切な話なのか?」と興味を持ち、続きを聞きたくなるでしょう。さらに、このフレーズは「素晴らしい時間を過ごす」というポジティブな言葉を使っているため、聴衆はより一層期待感を持ってスピーチに耳を傾けます。

また、オープニングで短いストーリーや引用を使うテクニックも効果的です。例えば、「有名な作家が言っていたように、成功するためには○○が必要です。今日はその○○についてお話しします」といった形です。

繰り返しますが、聴衆への期待をさせることが重要です。「これからどういう話をしますか」ということをしっかりと提示してから話を始めると、聴衆が期待を持って最後まで聞いてくれます。

乾杯スピーチの時間とコツ:ストーリーを入れる

乾杯スピーチで心に残る印象を与えるためには、自分だけが話せるオリジナルなストーリーを織り交ぜる方法があります。

誰もが話しても同じような一般論だけでは、スピーチは全く面白くないのです。あなたでしか話せないようなストーリーをどう組み込むかが重要です。

まず、ストーリーがなぜ効果的かというと、それは聴衆の感情面に関与するからです。人は数字や事実よりも、感情やストーリーに共感します。例えば、ビジネスの成功につながった失敗談や、人生でのターニングポイントとなった出来事など、自分自身の経験をシェアすることで、聴衆とのつながりを深めることができます。

そして、ストーリーはとてつもなくすごいエピソードでなくても大丈夫です。日常の心が少し温まるような些細なことでも構いません。

例えば、「先日、電車で見かけた親子の微笑ましいやり取りが、私にとってその日の一番の癒しでした」といった話も、聴衆に感情を呼び起こす力があります。

具体例として、あるビジネスマンが懇親会で「私がビジネスで成功を収めたのは、実は小学生の頃に母から教わった『お金の大切さ』にあります」と始め、その後にそのエピソードを展開したケースがあります。

このような個人的なストーリーは、聴衆がその人物に感じる共感や信頼を高め、スピーチ全体の印象を向上させます。

このように、ストーリーを話す際は、そのストーリーが持つ教訓や意味をスピーチの目的や締め(クロージング)に結びつけられるかが重要です。それが乾杯スピーチを単なる話から、心に残るものへと昇華させます。

乾杯スピーチの時間とコツ:ウケを狙わない

乾杯スピーチでよく見られる誤解の一つは、必ずしも笑いを取らなければいけないという考えです。しかし、笑いというのは非常に難しい要素であり、狙ってやると逆効果になることも多いです。

まず、笑いを狙うと、その狙いが透けてしまい、自然な笑いや感動が生まれにくくなります。

私は劇団四季時代に舞台上で笑いを起こすシーンがありました。観客を笑わせようと思ってやると必ず失敗しました。

笑いというものは狙うものではなく、起こるものです。真剣にその場に取り組むことで、自然と笑いや感動は生まれます。

次に、笑いを狙わないことで、より深いメッセージや感情を伝える余地が生まれます。乾杯スピーチでは、笑いよりも「心に響く言葉」が重要です。

例えば、会社の成長やチームの絆について語る場合、笑いを取るよりも、真剣な表情でその重要性を訴える方が、聴衆にとっては印象深いものとなるでしょう。

また、笑いを狙わないことで、スピーチが自然体であり、より人間味が出ます。人は完璧なスピーチよりも、少しの瑕疵(かし)がある、でも心のこもったスピーチに感動するものです。

笑いを狙わないスピーチは、聴衆それぞれに異なる形で心に響く可能性があります。一人一人が何に感動するかは異なるため、一つのポイントに固執するよりも、多角的なアプローチで心に響く言葉を選ぶことが大切です。

乾杯スピーチの時間とコツ:1対1の双方向の会話感

乾杯スピーチは、一方的に話すだけの場ではありません。実は、双方向のコミュニケーションが大切です。質問を投げかけたり、手を挙げてもらったり、何かを尋ねたりすることで、聴衆との繋がりを深めることができます。

まず、双方向にするためには口だけではなく、例えば、質問を投げかける際には、目を見て話すことで、相手が自分に話しかけられていると感じやすくなります。アイコンタクトは、相手との繋がりを強く感じさせる強力なツールです。

次に、声を出してもらわなくても双方向にする手段はたくさんあります。例えば、質問に対する答えを手挙げで示してもらうことで、聴衆をあなたの話しに集中させることができます。

また、聞き手が飽きてスマホをいじったり、寝たり、話を聞かないで雑談をするような状況は避けられます。これは、スピーチが聴衆との「会話」であるという原則に基づいています。

聴衆が参加していると感じることで、注意力が維持され、メッセージがしっかりと伝わります。

このように、1対1の会話感を出すことで、乾杯スピーチは「早く飲みたい!」という気持ちを押し殺しながら聞く苦行の時間から、有意義な時間に変わります。

乾杯スピーチの時間とコツ:間(ま)の力

乾杯スピーチでの「間」の使い方は、非常に効果的なテクニックです。

話している最中に、聴衆が自分の近くの人と雑談に夢中で、自分のスピーチを聞いていないと感じたことはありませんか?

私も多くの懇親会に参加していますが、そのような状況は非常に痛々しいものです。

ここで重要なのが「死に間」です。これは、話の途中で一切何も言わず、一瞬の静寂を作るテクニックです。人は自然と「間」を嫌がります。その静寂を前方の人が気づき、その異変が会場全体に広がります。すると、ざわざわとした雑談が一瞬でシーンとなります。

私は劇団四季時代に「美しい日本語の話し方」という授業を小学校に向けて行っていました。子供たちが全く聞く気がなく教室がザワザワして大変な時は、この「間」を使うことで、一瞬で静まり返ったのです。

このように、「間」は、話者は場の雰囲気を一瞬で変え、聴衆の注意を引き戻す力を持っています。大勢の人がいてそれぞれが話に夢中になるのは仕方がないことですが、その雑談を一瞬でシーンとさせる方法がこの「間」の力なのです。

乾杯スピーチの時間とコツ:クロージングの重要性

乾杯スピーチの最後、つまりクロージングは非常に重要な部分です。なぜなら、これがスピーチ全体の印象を決定づける瞬間だからです。最後が緩くなると、それまでの良い部分も台無しになってしまいます。

ビジネスのプレゼンなどのクロージングで大切なのは、プレゼンの要点を再確認し、聴衆に何を持ち帰ってほしいのか明確にすることです。例えば、「今日は○○についてお話しましたが、最も大切なのは△△です。これを忘れずに、明日からの行動に生かしてください」といった形です。

これと同じように乾杯のスピーチも、クロージングは感情も大切にしたい部分です。ここで感謝の言葉を述べたり、未来に対する期待を話すことで、聴衆にポジティブな印象を与えることができます。

最後に、クロージングでの「ありがとう」は特に重要です。これがないと、何か物足りない、と感じる人も多いでしょう。短い一言でも、その後の印象に大きな影響を与えます。

このように、クロージングはスピーチの締めくくりとして非常に重要な要素です。最後にどう締めるかが、人々がどれだけそのスピーチを覚えているか、そしてどれだけあなた自身を印象づけるのかに直結します。次回の乾杯スピーチで、このポイントを意識してみてください。

以下に締めの例をあげておきます。

ビジネスの懇親会
「本日は貴重なお時間を割いて、この懇親会にご参加いただき、誠にありがとうございます。今夜が皆様のビジネス、そして人生において新たな一歩となるよう心より願っております。最後に、この素晴らしい夜が、皆様にとって有意義なものでありますように。乾杯!」

結婚式など祝いの場
「今日は二人の新しい門出を祝う素晴らしい一日です。私たちがここに集まった意味、それは新郎新婦のこれからの幸せを願うためです。この場にいるすべての人々が、二人の未来に温かい光を注いでいます。最後に、新郎新婦へ。これからの人生が、今日のこの瞬間以上に幸せでありますように。乾杯!」

誕生日パーティーや記念日
「今日は○○さんの素晴らしい一年を祝う日です。○○さんがこれまで歩んできた道、そしてこれから進む未来に、心からの拍手と祝福を送ります。新たな一年が、今日以上に素晴らしいものとなりますように。乾杯!」

まとめ:ベストな時間は?惹きつける乾杯スピーチのコツ

この記事では、乾杯スピーチの時間の重要性から具体的なテクニックまで、多角的に解説してきました。スピーチは単なる言葉以上のものです。それは、人々とのつながりを深め、印象を高める大事な手段です。特にビジネスの場では、良いスピーチが将来の仕事の展開につながることも少なくありません。

3分ルールや興味を引くオープニング、そして心に響くクロージングなど、短い時間で効果的なメッセージを伝えるテクニックは、日常生活でのコミュニケーションにも応用可能です。また、ウケを狙わない理由や1対1の会話感を出す方法などは、人々に真剣に聞いてもらい、印象に残るスピーチを作るための不可欠な要素です。

最後に、スピーチの力は練習によって磨かれます。今日学んだテクニックを活用し、次の乾杯スピーチで実践してみてください。

必ずカップラーメンを食べる時のように3分のタイマーをセットして行うこと。

失敗しても大丈夫、その都度改善していくことが大事です。そして、良いスピーチはただの一度の成功ではありません。それは継続的な努力と改善によって、真に力強いものになります。

さあ、次は何を学びますか?スピーチのテクニックは無限です。この記事が皆さんのスピーチライフに新たな一歩となることを心より願っています。次もお楽しみに!

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