▪️プロの表現者として口酸っぱく言われたこととは?
私が劇団四季に入ってから、人前に立つプロの表現者として口酸っぱく言われ続けたことがあります。
「人前に立つ人間の役割は、作品の内容を聴衆に届けること!!」
ということを絶対に忘れてはならないということです。
この心構えは、士業・講師業・先生業など登壇する機会の多い方にも通じます。
今回は、あなたの話を聞いている聴衆を満足させるための、その心構えを共有したいと思います。
▪️感動が作られるまでには階層がある
芸術の世界では、観客に内容を届けるまでの段階を大きく分けて三つに分けることができます。
第一芸術家から第三芸術家です。
第一芸術家は、作品の作者。
第二芸術家は、ディレクター(演出家)。
第三芸術家が、演者です。
第一芸術家は例えばモーツァルト
第二芸術家は例えば小澤征爾さん
第三芸術家が例えばヴァイオリニスト
小澤征爾さんは、モーツァルトの書いた一流の楽譜を深く深く読み込み、それを観客に届けるために深い知識と高度な技術で指揮をします。
ヴァイオリニスト(演奏者たち)は、自分が積み重ねてきた技術と、人生を音に乗せて観客に届けるのです。
▪️内容が伝わる・伝わらないの決定的な差とは?
ここで、経験と技術の足りない演奏者は、何をするか???
作品に自分の色をつけて表現してしまうのです。
そこには自我が生まれる。
そして作品の内容や魅力が半減して観客に届いてしまうのです。
ここでいかに自我を捨てられるか?にかかってきます。
たとえ満員の観衆の目が自分に向いていても。
身内や仲間内だけが集まる会であろうとなかろうと。
▪️講師として登壇するときも同じ
これは、講師として登壇するときも似ていると思います。
よく見せようとか
上手くこなそうとか
泣いて感動を誘おうとか
こういう上部の表現や色を削ぎ落として、聴衆に楽しんでいただき満足していただけるような内容の奥(本質)を磨くことが最初に求められるのです。
魅せるためのテクニックやノウハウはそのずーーっと後です。
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