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早口を直すという悩みを克服・解決する 驚きの考え方と方法

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早口の悩みを克服・解決する 驚きの考え方と方法

早口の悩みを克服・解決する 驚きの考え方と方法とは?

「早口のせいで相手に伝わらないことがあって、すぐに詰まる」
「早口のせいで相手にすぐに誤解されているように感じる」
「緊張すると早口になり自分のペースをコントロールするのが難しい」
「プレゼンとか公の場で自信を持ってゆっくり話すのが苦手」
 
あなたは早口に対するこんな悩みを持っていませんか?
そして早口を何とか矯正して直そうとすることにエネルギーを注いでいませんか?
 
結論お伝えしますと、早口を直そうとする必要はありません。
なぜならば話のスピード感や抑揚や強弱はあくまでも結果論だからです。
 
なぜそう言えるのでしょうか?
 
今回のコラムでは、私の経験を通して、その理由を論理的に分かりやすく解説していきたいと思います。動画付きですので、ぜひ繰り返し読んで聞いて、自分のものにしてみてください。
 

はじめまして、この記事を執筆した佐藤政樹と申します。劇団四季出身の研修講師として【受講生を惹きつけながら気づきと学びを促すことをモットー】に、講演会やセミナーの講師だけに限らず大手企業などでさまざまなコミュニケーションの研修を行っております。記事の内容をお読みいただき、もしご興味いただけましたら、ページ最下部のプロフィールや研修内容の詳細をご覧いただけますと幸いです。

 
【このコラムの動画セミナーはこちら】

早口を直そうとするよりも大事な3つのこと

早口で悩んでる人はとても多いです。あなたはどうでしょうか? 私は講演会や研修会をしていますが、先日の講演会後の質疑応答で『早口を直すにはどうしたらいいですか』という質問を受けました。
 
その方は学生時代に早口を注意されそこからずっと気にして早口を強制して直そうとしていたそうです。20年近く悩んでいて話し方講座やコミュニケーション研修に通って講師から早口を直す方向ばかりにアドバイスを受けてきたけれど結局直らなかったそうです。
 
しかし私から「早口を直そうとしなくていい」と、ズバッと即答で言われて衝撃を受けたそうです。
 
なぜ私が早口を無理やり強制して直そうとする必要はないと考えるのか。それを紐解く上で参考になるのが、演劇の世界で使われる『発声は発想』という概念です。『発声は発想』とは、その漢字の通り、声を発するからには想いが発している、つまり、声を発するからにはその理由が必ずあるということです。
 
例えば凍えそうな部屋で長時間開業していて暖かいコーヒーを差し入れてもらった時に「あぁ美味しい・・・」という言葉を発するのでしたら
 
・体が芯から温まって安心した
・人の優しさに触れて心まで温かくなった
 
など必ず声を発する理由があるから「あぁ美味しい・・・」という音が口から出てくるのです。
 
この発想が、「ゆっくり丁寧に話そう」「つまらないようにゆっくり話そう」「早口はダメだからゆっくり話さなくちゃ」などになっていると、言葉を発する理由が本来の発想とは異なり、真の意味で『発声は発想』が合致しないのです。
 
するとどうなるのか。言葉が全く口から出てこなくなるのです。このことをお伝えすると、早口で悩んでいる方の多くは『まさに言語化してくれた。誰もこの悩みを理解してくれなかったです。そう、ゆっくり話すと言葉が出てこないんです。』と言ってくれます。そうなんです。だから、直そうとしてはいけないのです。
 
それよりも大事なことは、
 
1自分が人前でその言葉を発する理由を自分の中で腹落ちさせること
2別人を装わず自然体の自分でいること
3言葉が粒立つように普段から呼吸の練習をすること
 
になります。
 
1は上記のコーヒーの差し入れで説明した通りです。あなたの中でその言葉を発する想いが埋まっていれば、自然と言葉が内側から出てきます。なぜ相手にその言葉を伝えるのか、どんなことを持ち帰って欲しいのか、どんな価値を届けたいのか、どんな悩みを解決してほしいのか、絶対に忘れてほしくないキーワードは何か。こういった質問に即答できるように、常に準備する方がよっぽど大切です。
 
2に関しては、早口を直して流暢に綺麗に話そうのような意識が生まれてしまいます。別人を装ってもうまくいかないんです。最終的に自分が苦しくなってしまいます。そうではなくて肩の力を抜いてありのままの自分として向き合っていくと気持ちもとても楽になります。そのような時は言葉が出てきやすくなるのです。
 
では3の言葉を粒立たせるとはどういったことでしょうか?ここから深追って考えていきましょう。

落語家の話し方は早いけど伝わる

さて早口で悩んでいるあなたには、一度落語を見に行くことおすすめします。なぜならばプロの話し手である落語家の話し方は非常にテンポがよくとても早いのですが客席の後ろの方までしっかりと言葉が届いているのがわかるからです。
 
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落語から学ぶ“人の心を掴む”プレゼンの極意
 
私は落語に限らず演劇など見に行く時は必ず舞台だけではなく観客の様子を観察しています。東京の新宿に末廣亭という落語が聞ける場所があるのですが、そこに行った際観客の様子を観察していました。
 
観客はご年配の方がかなり多かったです。すごいテンポ感・スピード感で落語家さんが話すのですがご年配の方は目をキラキラさせて話を聞いていました。ドッカンドッカン笑っていました。
 
落語家の言葉は1音1音が粒立って聞こえました。私は客席の後ろの方に座っていましたが音がしっかりと届くのです。
 
私は劇団四季というプロの演劇の世界で10年間舞台に立ってきた経験があります。劇団四季では、セリフを正確に観客に届けることを徹底的にこだわっている組織でした。そのために絶対に必要だったことが呼吸の意識です。
 
お腹の底から1本の呼吸という線が遠くまで伸びていくイメージで、真珠のネックレスのように1本の線の上に言葉を乗せていくのです。呼吸がしっかりと流れると言葉が粒立ってくるのです。
 
つまり何が言いたいかというと、早口だからゆっくりと話そうということを意識するのではなく、やり方・方法論としてしっかりと深い息を流して言葉を粒立たせていく方が大事だということです。
 
私は講演会で講師をしていますがかなり早口です。しかし早すぎて聞こえないとか言われることはほとんどありません。なぜかというと言葉が粒立っているからだと思います。

早口でも問題ないが、普段から練習しておくと良いこと

ではここからは、普段やっておくと良いこと、意識して練習しておくということを紹介したいと思います。
 
繰り返しますが、早口を強制して直そうとすることや、ゆっくりと丁寧に話すことを目的には絶対にしないでください。言葉が出てこなくなります。

やるべきこと1:呼吸の練習

普段から深い呼吸を意識しましょう。多くの方が息が浅いです。そして息のラインが口から手前で落ちてしまっているので相手に言葉が聞こえなくなってしまうのです。逆を言うと、息のラインを遠くに飛ばせるようになると言葉が粒立ってきます。
 
あなたは今極寒の地にいるとします。手袋をしていません。指先が凍りそうです。自分の中で一番暖かい空気で指先を温めてみてください。「はぁぁぁぁぁぁぁ」と深い暖かい呼吸で温めますよね。この息がすぐに漏れてしまわないように細く長く遠くまで飛ばすような練習をするのです。ロングブレスと言ったりもします。
 
ご興味ある方はこちらの動画をご覧頂き、練習してみて下さい。
プレゼンテーションの基礎〜吐ききって脱力とは?〜

やるべきこと2:表情筋のトレーニング

表情筋のトレーニングです。顔も筋肉でできています。多くの日本人は表情筋がなかなか使えていないので口が開かず、もごもごとして聞こえづらくなってしまいます。
 
「え」という言葉を発した時は頬の筋肉が上に上がります。「う」という言葉を発した時は口が前に出ます。口の奥に小さな卵があると思って空間を意識し、あいうえおの口の形を表情筋をしっかりと意識して作ってみてください。
 
新しい普段の練習のみです。いざ人前で話すときは本番の時は全く意識しないで全てを忘れてください。

やるべきこと3:3歳児や外国人に伝える練習

あくまでも普段の練習の時のみですが、話す相手が日本語を覚えたての3歳児や外国人だと思って話してみるのもとてもいい練習です。気がつくとゆっくりと丁寧になっていたりもします。
 
もちろんゆっくりと丁寧に話すことを目的にしてはいけないのですが、普段の練習の時にこの感覚をつかんでおくと、本番では全く意識しなくても意外と気づかないうちにゆっくり丁寧になっていたりもします。
 
私は劇団四季退団後に飛び込み営業の仕事をしていたことがありました。一軒一軒チャイムを押しまくって営業するのですがその時1回だけ外国人の方がドアを開けてくれたことがあったのです。
 
その外国人の方は日本語は流暢ではなく覚えたてでした。私は何とかして伝えようと来たのですが客観的に、自分が捲し立てるように焦って話すのではなく全体でゆっくりと丁寧に話しているのを発見したのです。
 
「なるほど、ということは普段から相手が外国人だと思って練習しておくと自然と丁寧にわかりやすく話せれることができるんじゃないか」という発見もありました。だから相手が3歳児とか日本語を覚えたての外国人だと思って練習してみてください。

早口の悩みを克服・解決する 驚きの考え方と方法まとめ

いかがでしたか?
 
早口を直そうとして、ゆっくりと話すことを目的にすることや自分の話し方を強制することが良くないということが分かりましたか?
 
それよりも大切なことがあるということが分かりましたか?
 
是非このコラムや動画を参考にして、あなたのパフォーマンスをあげる練習をしてみてください。繰り返し見ることがおすすめです。
 
最後にひとつ。オンライン時代は早口はかなりの強みであります。特に若者はタイムパフォーマンスに対する意識は非常に高いです。オンラインなどでゆっくりとダラダラと話していたら、生産性や効率が悪いということで、一瞬で話を聞かなくなり手元で内職をしてしまいます。
 
オンラインで聞き手を惹きつけるためには、言葉をしっかりと粒立たせてテンポ感よく、ある意味早口で伝えていくことがとても重要です。私は意図的にかなりのスピード感を持って話すようにしています。
 
おかげさまで多くの方にオンラインでも非常に伝わると言っていただきます。その理由はオンラインでもしっかりと呼吸を流し、そしてそこに想いを乗せているからです。とにかくしっかりとなぜ話すのかを自分の中で埋めていく、腹落ちさせていく。腹で語れるようになる。
 
これが自分の中ではまってくるとたとえ早くしてやろうがしっかりと相手は共感してくれます。まずはなぜ話すのかをしっかりと明文化してください。そして普段から呼吸などの練習もしていきましょう。

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