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どうする?新型コロナウイルス感染症(肺炎)による新入社員研修の影響と今後の対応

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新型肺炎の新入社員研修の影響と対応

新型肺炎コロナウイルスによる新入社員研修の影響

刻一刻と状況が変わる新型肺炎コロナウイルスによる世界の動向。
 
イベントなど自粛の要請方針が政府から出てエンターテイメント界はじめ、研修業界もキャンセルや延期が相次いています。
 
このままの状況が続き、新入社員研修も延期や中止になったら企業は新人の教育にどう対応したら良いのでしょうか?
 
四月は会社にとって心新たに全員が一つになるための重要な時期です。その中でも重要なのが、社会人として第一歩を踏み出した新入社員の教育です。
 

今回は
 
①通常通りの新入社員研修ができない企業(延期や中止、日数短縮、少人数への分割など)の人事面や能力面などへの影響
②例年通りの研修ができなかった企業や社員に今後、求められること
③研修ができないことでのその対応について
 
について大手メディアより「専門家の意見が欲しい」と取材を受けましたので、コラム読者の皆様には私どもの研修チームの回答内容をフルに共有したいと思います。(ほぼ割愛されて一部の情報しか載らないことが予想されるためです。)

①通常通りの新入社員研修ができない企業(延期や中止、日数短縮、少人数への分割など)の人事面や能力面などへの影響について

 
当然のことながら影響はあります。集まる価値と集まらないでできる価値がより明確になるでしょう。
 
学校のテストのように覚えて記憶するためのものは、web教育にして、テストをすればよいです。一方向の知識習得は、積極的に活用すればよいと思います。
 
しかし、集まらないとできないことは
 
•双方向のコミュニケーションが発生することで、理解や習得につながるもの(顧客対応や、電話対応等)
•フィードバックがあり、技術的向上が望まれる分野
•結束感をつくりだし、チーム学習し、帰属意識を高めること
•学生意識から社会人の意識の切り替え
•なぜ仕事をするのかという目的意識の醸成
 
などの分野です。
 
オンラインでの技術的イノベーションもあるかと思いますが、今のところ集合研修でないとできない要素でもあります。
 
Webは頭で理解する部分や、報告的な部分では活用のしがいがある一方、集中力が散漫になる傾向があります。
 
製薬会社やエンジニアのように、非常に長い研修期間があったりする業種もあります。しかしウェブや遠隔で意欲を維持し続けることはなかなか難しく、学びを深める上でもチーム学習や相互コミュニケーションはとても重要になるのです。
 
海外旅行にひとりで行って帰ってくるのと、仲間で行って観たこと知ったことを共有し、それぞの気づきをコミュニケーションをとって帰ってくるのでは、記憶の上でも感動の上でも深みが違うのと似ています。
 
教育とは
 
「”情報を伝えた”が終わりではなく”会社の方向や価値観を腑に落とし、その上で技術的、人格的な向上を目指すこと”が本来の目的」だと考えます。
 
であることから、ウェブやイーラーニングのやり方だけに頼ると、理解度に偏りが生まれる可能性があるのです。
 
集合研修ができない場合は、現場での育成が肝になるが、導入教育がおそろかになると現場の負担が増えてしまう可能性も考えられます。
 
「今年の新人はこんなことも、挨拶もまともにできない。初歩的な勉強をしてない。」
 
などの声が上がるケースも考えられたり、働く動機づけが例年よりされないため、帰属意識や同期との繋がりが希薄になり早期離職が例年に比べて起こりやすくなることも考えられます。

②今後、例年通りの研修ができなかった企業や社員に求められること

 
“企業は人なり。人の成長なくして企業の成長なし”です。
 
これまで、仕事のやり方、進め方、マナー、技術的研修など”情報を伝える”だけだった企業は本来の教育目的にこの機会に社員全員で立ち返る必要があります。会社の未来のためにもそれを教えてもらっているチャンスと考えてもいいでしょう。
 
その上で集まる価値と集まらないでもできる価値を明確化しそれぞれが今できることを判断して今だからできる研修を行う必要があります。
 
現場での育成に負荷がかかる状況もしっかりと共有しておく必要があり、本人の希望や願望、能力の資質は1on1などで対応していく必要があります。
 
今後の課題として内定から入社までの期間で内定者フォローも兼ねて働く動機づけや帰属意識を高める密な関わり方も求められてくるでしょう。

③新型コロナウイルスの感染が拡大する中、どのような新入社員研修が求められているのか

集まることで価値を得られる集合研修が新型肺炎コロナウイルスの影響でやろうにもできないのであれば今は集まらないでもできる価値の教育にフォーカスしかありません。Web教育などで、です。
 
この機会にマナー研修などは反転学習を積極的に取り入れるのも面白いでしょう。
 
例えば、講師が一方的に教えるスタイルではなく、新入社員に課題本を何冊か渡し、数名のチームでコニュニケーションを取らせて先輩社員の前で先生をやってもらう。などです。
 
実はこの方が学習効果は高いのです。
 
Educationの日本語訳を調べると「教育」。
ちなみにEducationの本来の語源の意味は、”引き出す”です。
本来、教育とは教え育むというよりも問いを与えて引き出す、この方が、ニュアンスが近いです。つまり啓発、啓育です。
 
コロナ騒動はマナー研修など一般的なビジネススキルの習得においては教育スタイルの変換期(教えるから引き出すへ)になり得るでしょう。
 
 
これまで通りの研修概念は、基本、第一歩を踏み出した四月に社会人としての心構えを植えつけ、現場へと送り込む流れです。
 
しかし四月の研修は仕事の厳しさや現実の厳しさを実感する前のある意味理想論です。大抵の新人は5、6月などで壁にぶち当たり、思っていたのと違う業務に就くなど、理想と現実の違いを知り、悩みます。
 
もし四月に集合研修ができないのであれば、この意欲が下がったタイミングで(コロナ騒動が落ち着いていると信じて)集まらないとできない研修(プロの心構え、チームワーク、困難の乗り越え方、仕事の意義)を会社が用意すれば、内容が実感とともに身にしみ大きな成長や帰属意識の醸成を促進するのかもしれません。

新型肺炎コロナウイルスによる新入社員研修への影響まとめ

以上が私の回答全てです。

個人的には、その場で体感し、気づきを共有し、学びを深め、自分の発想や視点を拡げて意識改革いくことこそ新社会人が高くはばたくために重要と思います。(もちろんオンラインを駆使して研修にイノベーションを起こしていくことの重要性も理解しておりますしその動きも追っています。)
 
一つ、誤解しないで頂きたいのは、全ての企業が新入社員研修を延期や中止にしている訳ではないということです。今のこのタイミングが重要ということで衛生面を徹底的に考慮し通常通り行う予定の企業も今の段階で(2020年3月14日)あるということです。
 
当然のことながら政府の今後の方針に常に注目して判断していかなければなりません。
 
新入社員のマインドセット研修とは?
仕事におけるプロ意識とは?
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