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レジリエンスとは何か?ストレスに勝ちビジネスで成果を出す心の鍛え方

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レジリエンスとは
 
今、多くの企業や人が、困難な局面下に晒されています。
 
世の中の変化や不測の事態などで困難や逆境は避けることができないものです。そのような状況の中でも柔軟に対処できる人こそが、この苦しい局面を乗り越えビジネスの世界でも大きな実績を残すことができます。
 
まさにこんな困難な局面で求められるのが、本コラムでお伝えするレジリエンス力です。
 
筆者である私は、もともと劇団四季という舞台芸術の世界で10年近くプロフェッショナルとして生きてきました。何千人という観客の前に望む直前は、肉体的にも精神的にも凄まじいストレスがかかります。まるで処刑台に登るような心境になるのです。
 
しかし、そのような逆境や数々の修羅場におかれながらも、マインドトレーニングと経験によって自分を忘れずに本来の自分を取り戻すことができるようになってきました。
 
私が特別とかもともと強いメンタルを持っているとか、言いたいのではありません。正直に申しますともともとは豆腐のようなメンタルの持ち主でした。だからもし皆さまがストレスへの耐性がないと嘆いていたとしても、心配することはありません。
 
レジリエンスは、鍛え方しだいで誰でも高めることができるものです。
 
レジリエンスを高めることで、困難や逆境で強いストレスに晒されてもしなやかに乗り切ることができます。本コラムでは、レジリエンスについて定義から鍛え方まで詳しくお伝えしていきます。

レジリエンスとは何か?

レジリエンスを一言でいうと「復元力」です。
 
逆境や困難な状況や強いストレス環境下に晒されたとき、適応する精神力と心理的プロセス(そこからしなやかに復元する力)がレジリエンスです。
 
ストレス耐性のある人のことを「鋼のメンタル」と呼ぶことがありますが、レジリエンスは鋼のメンタルとは全く異なります。どちらかといえば、「鋼」よりも「ゴムやバネ」に近いイメージです。
 
レジリエンスの高い人は、ストレス要因に晒されて平気なわけではありません。心と身体に危機が迫ったとしても、(あたかもゴムのように)そこから元に戻ろうとするスピードが早いだけなのです。「鋼」は一度折れたら元には戻りません。
 
冒頭でお伝えした通り、レジリエンスは生まれもった才能ではなく、鍛え方次第で誰でも身に付けることができるのです。
 
このレジリエンス力こそ困難な今の局面に求められているのです。

レジリエンス力が求められている背景

日本人の労働人口の減少
AI(人工知能)による労働の置き換え
震災や台風など度重なる自然災害
 
それだけでなく直近では新型コロナウイルスという勃発的な感染症の広がりによる世界的パニックなど、日本ではあらゆる危機的な環境下に晒されています。
 
このような予期できない突然のハザードに対しても、不可抗力な事態が起こったとしても、個人や家庭、企業や組織に関わらず、その状況で折れてしまうのではなく、事態が起こる前の状態に戻らなくてはなりません。
 
まさにレジリエンスです。

個人にレジリエンスが必要な理由

本来のレジリエンスが必要な理由は、健全な日常生活・社会生活を送るためです。
 
個人がレジリエンス力を高めれば、心身ともに健康であり、健康は仕事に対する集中力やパフォーマンスを高める土台となります。
 
しかし、現代社会では様々なストレス要因が溢れています。それによって、健康を害する人があまりにも多いのです。
 
下の棒グラフは、精神疾患による患者数の推移を表したグラフです(厚生労働省-みんなのメンタルヘルス総合サイトより)。

 
ご覧の通り、患者数は年々増え続けています。日本の人口は減っているにもかかわらずです。
 
私はストレス自体が根本の問題ではなく、ストレスが起因して生まれるネガティブな感情の連鎖こそが問題なのだと思います。
 
個人がレジリエンスを高めることは、ストレス要因に柔軟に対処し、健康的な社会生活を送ることにつながるのです。

組織にレジリエンスが必要な理由

組織で働く個々にレジリエンスが必要な理由は、複雑で変化の激しい経済環境下で生き残る力をつけるためです。
 
資本主義経済では、みんなが同じ土俵に立ってビジネスを展開しています。社会の変化や危機的な社会情勢が起きても、それをピンチはチャンスと柔軟に捉えて最善の努力をし対応してして行かなければなりません。
 
組織における逆境や困難をどう捉えてどう行動するか。
 
そうした変化の激しい状況下で、組織のレジリエンスを高め、環境変化に柔軟に適応できるかどうかが、組織としても生き残っていくために重要となります。

レジリエンスを高めるメリット

レジリエンスを高めるメリットは計り知れません。実に多くのメリットが期待されるのです。ここではそのメリットをご紹介しましょう。

①健康的な生活を送ることができる

困難や逆境から生まれる強いストレスに柔軟に対応できるようになり、健康的な生活を送ることができるようになります。
 
いまやストレスと健康は切っても切り離せない関係にあります。人生において、ストレスを避けることはできないのではないでしょうか。
 
ストレスを避けるのではなく、ストレスに向き合い適応する力をつけることが、健康に生きるための一番の近道になります。

②仕事の集中力・パフォーマンスを高めることができる

仕事に集中することは、いまこの瞬間にいかに注意を向けられるかにかかっています。
 
以前、マインドフルネスについてコラムを書かせていただきましたが、そこにも通じます。
 
ストレスから生まれる負の感情の囚われから解放されることで、いまやるべき仕事に対して100%の意識を注ぐことができるようになります。ひいてはそれが仕事のパフォーマンス向上につながるのです。

③柔軟な捉え方と未来志向が身につく

レジリエンスの低い人は、逆境に晒された時に過度のストレスにより自信を失いマイナスの感情が連鎖して不安や恐れに常に囚われた状態になります。
 
その状態では、どうしても顔をあげ未来に意識を向けることはできません。
 
以下は経営の神様、松下幸之助翁の言葉です。
 
「不況またよし」と考える
不況に直面して、ただ困った困ったと右往左往していないか。不況こそ改善、発展へのチャンスであると考える前向きな発想から、新たな道も開けてくる。

原点に帰って志を堅持する
ともすれば厳しさに流され判断を誤りやすい不況時にこそ、改めて原点に振り返り、基本の方針に照らして進むべき道を見定めよ。そこから正しい判断も生まれ、断固とした不況克服の勇気と力が湧いてくる。
 
レジリエンスの高い人は、困難や逆境な局面な時こそ、改善と発展のチャンスと捉えて原点に回帰するときと考えるのです。
 
レジリエンスを高めると、柔軟な捉え方とプラスの未来志向(組織においては新たしいビジョン)を生み出すの能力が身につきます。

④人生の幸福度が高まる

柔軟な捉え方が身につき未来にプラスの意識が生まれ、レジリエンスを高めて健康的な生活が送れるようになれば、人生の幸福度も自然と高まります。
 
人生は仕事だけで成り立っているわけではありません。仕事、家庭、地域社会、趣味など、いろんな要素のバランス関係で成り立っています。
 
これらのバランス関係を上手に取ることが、豊かさと幸福度を高めることにつながります。

⑤他人へポジティブな影響力を発揮できる

レジリエンスの高い人は、苦境や困難な時でも、他人に対してポジティブな影響力を発揮する力が高いです。
 
苦しい時や逆境の時こそ、人はその人の本質があぶり出されるものです。その局面にレジリエンスの力を備えているか。
 
レジリエンスを備えている人は、コントロールできない困難な状況や起きている問題という事実を決して人のせいにせず、その事実の捉え方や対応力を自らコントロールし、困難な状況でもポジティブな影響を持って他人を巻き込みながら、自分のなり遂げたいことを素早く成し遂げます。

レジリエンスを構成する6つの能力

レジリエンスを高めるトレーニングを世界的に手がけるカレン・ライビッチ氏は、『レジリエンスの教科書〜逆境をはね返す世界最強のトレーニング〜』の中で、レジリエンスを構成する能力を7つのにまとめています。
 
レジリエンスの本質を以下の7つの能力を指数測定し、レジリエンスの向上に役立てています。これらは全て人間が後天的に育むことのできる心理的要素です。
 
①感情調整力
②衝動調整力
③楽観性
④自己効力感
⑤原因分析力
⑥共感力
⑦リーチアウト力(他者へ働きかける力)
 
これらは測定し、高めることができるものとしています。上記の能力を高めることがレジリエンスを高めることにつながるのです。もう少し納得感をいただけるように、上記6つの能力について詳しく見ていきます。

①②感情・衝動調整力

感情・衝動調整力とは、自分の内側から沸き起こる感情や衝動(ついつい咄嗟にやってしまうこと)とうまく付き合う能力のことです。
 
ネガティブな感情は衝動的で役に立たない行動を引き起こす原因にもなります。怒りの感情を調整(コントロール)できない人は人を傷つけたりパワハラをしたり人間関係を破壊します。
 
たとえば、職場において思い通りにならない自分の部下を「ついカッとなって」感情任せに怒ってしまうことが、今までありませんでしたか?
 
沸き起こってくる感情や衝動に対して、自分がどんな行動を取るかは自分で自由に選択することはできます。
 
これは、アメリカの著名な心理学者であるウイリアム・グラッサー博士が提唱した選択理論心理学として確立された理論にも通じます。
 
下のイラストのように、人間の思考・行動・感情は車の前輪と後輪のような関係になっています。


 
感情(後輪)のコントロールは難しいが、思考と行動(前輪)は自分で思うようにコントロールできます。つまりコントロールできる思考と行為が感情に影響を及ぼしてきます。私たちは健全な感情を保つために物事の捉え方や習慣(行為)にフォーカスしていく必要があります。

②楽観性

レジリエンスでいう楽観性とは「将来はなんとかうまくいく」といったポジティブ・シンキングではありません。また、将来について都合よく想像し悪いことが起こるリスクを現実よりも低く見積もる「非現実的楽観論」ではありません。
 
レジリエンスに求められるのは、仕事や人生の苦境や逆境を現実的に捉えリスクを無視せずにしっかりと準備する心構えを持ちつつ、今できることにフォーカスして行動し「最終的には何とかなる」と思える力を備えることです。
 
逆境や困難な状況に対して「最終的には何とかなる」「きっとよくなる」と地に足をつけた楽観性を持ち、今できることを一生懸命にやることか。
 
レジリエンスを高めるためにはこの地に足をつけた楽観性も必要です。

③自己効力感

自己効力感とは、自己の能力への確信、つまり「やればできる!」という信念をもつことです。
 
自信過剰やおごり、根拠のない自信ではありません。度重なる行動と実績の積み重ねによって得られた、強固な自分に対する自信のことです。
 
この自己効力感は、レジリエンスの高い人の重要な心理的資源であり、自己効力感を培ってきた人は多少のことで心が折れることはありません。
 
自己効力感を鍛えるためには「実体験」つまり小さな成功体験を持つ習慣形成が重要です。
 
筆者である私自身も、困難な時、もうダメだとくじけそうになるときは、これまで生きてきた中での大きい小さいに関わらず自分の成功体験や困難を乗り越えてきた経験を思い出すようにしています。
 
・高校受験に失敗した経験を乗り越え猛勉強して第一志望の大学に合格できた経験
・就職氷河期真っ只中で就職できずにフリーターをしていた5年間を乗り越えたこと
・劇団四季でのプロの厳しい世界での様々な困難を乗り越え目標を達成した経験
・劇団四季退団後の地獄の飛び込み営業時代を乗り越えた経験
・お金も人脈もない中、多くの人の協力を得てビジネスで市場を切り開いてきた経験
 
これらを思い出すことにより「あれだけ苦しかったことをなんとか乗り越えてきた。だから自分はやればできる!」と思えるようになるのです。
 
逆にまだ社会人としての経験が浅い若者は、困難や苦しさがやってきた時に、これらに向き合い乗り越える経験をこれから積み上げることで高いレジリエンス力を身に付けることができるでしょう。

④原因分析力

原因分析力とは、ものごとを大局的に捉え、問題の本質にアプローチできる力のことです。
 
真面目な日本人がよくやりがちなのが、問題が起きたときに人のせいにしたり「自分のせいで」と自分を責めてしまうことです。しかし、人のせいにしたり、自分を責めたとしても、それは本質的に問題解決につながりません。
 
自責の思考をいったん置いておいき、システム全体から問題にアプローチできるのが、レジリエンスの高さに直結します。
 
レジリエンスの高い人は、問題の本質を理解しようとし大局的に捉えて乗り越えるために自分が源となって自ら対応、行動していく人です。
 
こうした捉え方は「システム思考」とも呼ばれますが、詳細は筆者のコラム学習する組織とは?本の要約と解説で徹底解説をご覧いただければと思います。

⑤共感力

共感力とは、相手の感情や心理的状態を読み取る力のことです。
 
世の中には、顔の表情や声のトーンなど非言語の情報から相手の気持ちを繊細に読み取ることできる人とそうでない人がいます。後述しますが、相手に共感して思いやりを示すことのできる人は、自分自身のレジリエンスを高められるのです。
 
共感や思いやりは人とのつながりや絆を深めます。人生で辛い時に人とのつながりで救われた経験がある方は多いはずです。ゆえに共感する力はレジリエンスと深い相関関係があるのです。
 
共感力の低い人は、他人の意欲や感情を破壊するブルドーザーのように振舞うことがあります。これでは人とのつながりが得られません。ちなみにレジリエンスに関わるこの共感力は高めることができる能力なのです。
 
近年、ビジネスの世界ではEQ(心の知能指数)が重視されるようになってきましたが、EQの高さはまさに共感力そのものです。

⑥リーチアウト力(周りへ働きかける力)

リーチアウト力とは、周り(人や組織、社会)に働きかける力のことです。
 
レジリエンスの本質は個人のストレス適応力や問題解決力を高めることではありません。自分一人で完結するものではなく、周りとの関わりを通して初めて完結するものです。
 
周りを圧倒的な熱量で巻き込むことで、組織や社会の課題を解決するのがレジリエンスの本質であると、ライビッチ氏は話しています。
 
そして筆者である私自身は自分のWill(意志)に立ち返えることが、未来に希望を見出し、逆境を乗り越える秘訣だと思っています。
 
経営者やビジネスリーダーにとっても、逆境や困難な時こそ、自分のWill(意志)に立ち返り、周りにWill(意志)を問いて、周囲の行動意志を促すことが大切だと思います。それが組織の将来に向けての意欲を生み出すからです。

レジリエンスを鍛える方法

本コラムを通して何度もお伝えしていることですが、レジリエンスは生まれつきの才能ではなく習慣やトレーニングによって誰でも高めることができます。

ここからはレジリエンスの鍛え方について学んでいきたいと思います。

レジリエンスを鍛える方法①:マインドフルネスの実践

マインドフルネスとは、いまこの瞬間に注意を向けている状態のことです。
 
過去への後悔や未来への不安に焦点を当てるのではなく、いまこの瞬間のみに意識を集中させ自分で自分をクールダウンする習慣を持つのです。
 
ネガティブな感情も含めて今自分自身の中に生まれている感情を認めてそれを都度都度、マインドフルネスによって浄化させていく__。今ストレスにより苦しい状況なのは自分だけではないと客観的視点をもち、自分自身を思いやる。
 
マインドフルネスはヤフーやメルカリ、sansanなどのIT企業を中心として、企業の研修プログラムとして導入されるくらい注目が集まっています。
 
『スタンフォードの自分を変える教室』で一躍有名になったケリー・マクゴニガル氏によると、ストレスに対する考え方を変えれば、ストレスは味方になるとのこと。
 
そのためには、まずは自分のストレスに対する考え方に気づく必要があります。マインドフルネスは、まさに自分の思考・行動・習慣に気づきやすくするのに絶好のトレーニングとなります。
 
筆者のコラムマインドフルネスが続々と企業に取り入れられている理由と理由と導入事例と方法にて、ぜひ学んでいただければと思います。
 
今すぐできることとしてマインドフルネス呼吸法があるのでご紹介します。
 
お腹の底にボールがあると思って、そのボールを膨らますようにゆっくりと息を取り込んでください。そしてその取り込んだ時間よりも、3倍以上長い時間をかけて腹の底から負の感情を絞り出すように息を吐き切る。
 
これを繰り返すだけで、心に落ち着きが取り戻ってくるのを実感するでしょう。ポイントは長くゆっくりと吐くということです(以下の動画で解説)。


 
【関連記事】レジリエンス効果とは?人生に光をもたらす「呼吸」の魔法

レジリエンスを鍛える方法②:自己認識する

『レジリエンスの教科書〜逆境を跳ね返す世界最強のトレーニング〜』の著者であるカレン・ライビッチ氏は、レジリエンスを鍛える土台となるのは、自分のABC分析を行うことだと述べています。
 
ABC分析とは、逆境(Adversity)に直面したときに、感情的に行動に移して不利な結果(C:Conscequence)を招くのではなく、逆境に対する自分の思い込み・信念(B:Belief)に気づき、望ましい結果を得るための手法です。
 
パラダイムシフトやビリーフチェンジという言葉があるように、自分の思い込みに気づき変えていくことは、心理学と自己啓発の領域においても重要視されてきました。
 
ここまで本コラムを読まれた方ならばお気づきかもしれませんが、レジリエンスを鍛えるということは、自分の思考・行動の習慣を変えていくことに他ならないのです。
 
そして思い込みに気づくことだけでなく、自分の強みを正しく認識し直すことも重要です。
 
自分の強みは何か?自分では気づけない部分もありますので、プロのコーチからコーチングを受けたり、信頼できる相手と何度も対話の時間を設けるなど、人の力を借りるのも一つの手段です。
 
私は個人的に「ストレングスファインダー」という名著を使って、自分の強みを客観的に認識することをお勧めします。逆境や困難に直面した時に、ストレングスファインダーによってでた結果を改めて認識して自分の強みに立ち返るようにしています。
 
そして、自分の大切にしている価値観や人生の目標をときおり立ち止まって定期的に振り返りをすることもレジリエンスを鍛える上で大切なことです。

レジリエンスを鍛える方法③:感謝や他者を思いやる心をもつ

『スタンフォードの自分を変える教室』のケリー・マクゴニガル氏によれば、他者を思いやる心や感謝の心を持つことが、レジリエンスを高めることにつながるとのことです。
 
これは、「愛情ホルモン」「幸せホルモン」とも呼ばれるオキシトシンの分泌と深く関わっています。オキシトシンは、他者を思いやる行動をとるときに分泌されるホルモンです。
 
赤ちゃんの純粋な笑顔を見るだけで、優しい気持ちになりませんか?これは、皆さまの脳内でオキシトシンが分泌されている証拠です。
 
しかも、オキシトシンはストレス環境下において分泌され人とのつながり・絆を深めるのに役立っているとのことです。にわかには信じられないかもしれません。
 
冒頭でも述べましたが2020年に入った直後に全世界を襲った新型コロナウイルス。賛否両論はあるかもしれませんが、これは人間一人ひとりのレジリエンス力が問われているのではないかと筆者は考えています。
 
新型コロナウイルスによって、経済活動が悪化していくのは紛れもない事実です。不安や恐れを選択して衝動的にトイレットペーパーやティッシュの買い溜めをし、奪い合う心を優先してしまうのか。
 
それとも、その状況に対して「最終的には何とかなる」「きっとよくなる」と地に足をつけた楽観性を持ち、心の余裕と豊かさ優しさ、人への思いやりを忘れずに、今できることを一生懸命にやることか。
 
あなたは前者ですか?後者ですか?
私はこんな時こそ後者でありたいです。
 
自分を取り巻く経済環境はコントロールできませんが、それに対して楽観的になるか悲観的になるかは自分次第でコントロールできます。
 
職場のなかで明るく挨拶する、電車でお年寄りや身体の不自由な方に席を譲ってあげる、普段連絡を取ってなかった両親に連絡をしてみるなど、日常生活の中でできることはたくさんあります。
 
余談ですが、暗い時こそ、挨拶で組織を明るくすることはとても大事です。会社の業績にも直結するほどとても大事なことです。詳しくは、「挨拶の重要性」これで組織はまとまり士気も高まるをご覧ください。

レジリエンスを学べる本

ではここで、あなたのレジリエンス力を高めるためのオススメの本をご紹介します。このコラム記事の作成にあたり大変参考にさせて頂きました。

①スタンフォードのストレスを力に変える教科書

著者:ケリー・マクゴニガル氏『スタンフォードのストレスを力に変える教室』です。

本書で一貫して伝えられているのは、思い込みを変えることでストレスは力になるということ。

つまり、ストレスそのものが健康を害する要因ではなく、ストレスに対する考え方が健康を害しているのです。

 

 

マクゴニガル氏のこの理論は、TEDで「ストレスと友達になる方法」として公開されています。著書と合わせて学んでいただけると理解は深まります。

筆者個人として、レジリエンスを学ぶ入り口として真っ先に読んでいただきたい本です。

 

②レジリエンスの教科書〜逆境を跳ね返す世界最強のトレーニング

著者:カレン・ライビッチ氏『レジリエンスの教科書〜逆境を跳ね返す世界最強のトレーニング〜』です。

いま現在のレジリエンスを点数づけし、それを高めるための方法が体系的にまとめられています。

レジリエンスは自分の思考・行動習慣を変えることで強化できるということが、本書としっかりと熟読していただくことで腹落ちしてきます。

 

読み解くのが少し難解に感じるかもしれませんので、初めての方は上記で挙げたマクゴニガル氏の本から先に読むことをオススメします。

 

③リーダーのための「レジリエンス入門」

著者:久世浩司氏『リーダーのための「レジリエンス入門」』です。

私もこの著書に感銘を受けたあと、ビジネスパートナーから偶然紹介を受けて、久世さんと食事をさせてもらったことがあります。ゆったりとした空気感の中にもオーラがある素晴らしい方でした。

今でもこの本を読むとモリモリっと力が湧いてきます。

 

 

今すぐできる!リーダーのためのレジリエンスの7つの習慣は、すぐに実践できる考え方が紹介されています。ビジネスリーダーがレジリエンス力を育むのに必読の書です。

レジリエンスとは?まとめ

レジリエンスについてここまで学んできましたがいかがでしたでしょうか。本コラムを通して一貫して申し上げたいことは以下のことです。
 
・レジリエンスは生まれ持った才能ではなくトレーニングによって鍛えられる
・自分の思考・行動の習慣を変えることがレジリエンス強化のカギになる
 
ただし誤解しないでいただきたいのは、誰でもできるからといって今すぐ簡単に身に付けられるものではないということです。
 
私は文頭にも書きましたが劇団四季というプロの舞台生活だけでなく、劇団四季に入団するまでのフリーターとしての5年間や劇団四季退団後に飛び込み営業職をしていた期間など、逆境につぐ逆境の人生でした。(筆者プロフィール)
 
しかしそれらと向き合い、乗り越えることで少しずつレジリエンスの思考が身についてきました。身体に落とし込まれて豆腐メンタルから少しづつしなやかなメンタルに変わっていきました。
 
つまり、レジリエンスはトレーニングをしていきなり身につくものでもなく、このコラムで紹介したベースの知識を元にトレーニングの積み重ねることによって「身につけていくもの」だと考えています。
 
本コラムをきっかけにして、ぜひご自身でレジリエンスを高めるための学びを深めていただければ幸いです。
 
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