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オンラインで内定者のチームワークや関係性や絆を強化する研修手法とは

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オンライン内定者研修
リアルで会えない内定者同士の関係性を深めるにはどうしたらいいか?
対面で会えない状況で内定者研修をどう実施したらいいかわからない
コロナで会えない中でも内定者と良質なコミュニケーションを取りたい
 
コロナ渦の中、かつてない状況で内定者を迎える必要のある企業の人事担当者はこのようなことで困っている方が多いのではないでしょうか?
 
緊急事態宣言が出てから新入社員研修から営業研修まで様々な研修をオンラインで行なってきた私たちのオンライン研修専門チームは、結論から言いますと
 
「コロナで会えない内定者同士の絆や関係性をオンラインで深める」という難題を試行錯誤の末、大成功させました。(内定者46名中満足度は93%、理解度100%)

オンライン内定者研修
 
このコラムでは、内定者だけでなく新入社員や採用のインターンなど、「リアルで会えない・会ったことのない」参加者同士の関係性を深めたいと思っている人事の方に役に立つ手法と情報をお伝えしますので、ぜひじっくりご覧き、自社のオンライン研修設計に役立ててください。

オンラインで参加者同士の関係性を構築するには?

オンライン研修における講師と受講生の関係性を縦軸とすると、オンラインで場所がそれぞれ別の参加者同士の関係性は横軸となります。
 

オンライン内定者研修
 
オンラインはこの縦軸の関係性、つまり講師と参加者との関係性の構築は工夫次第で効果を発揮します。しかし問題は横軸の関係性(参加者同士の絆)です。
 
ブレイクアウトルーム機能(Zoom)を使えば参加者同士が遠隔でもディスカッションはできるのですが、関係性強化はリアル研修には敵わないと私どもオンライン研修チームは最初考えていました。
 
ゆえに今回の関係性強化を目的としたオンライン内定者研修のオファーを頂いた時は正直、受けていいものかと悩みました。
 
リアル研修における参加者の関係性の強化を目的とした研修は「チームビルディング研修」といわれます。
 
子どもの頃、普段教室でしか顔を合わせないクラスメートと野外学習や林間学校でお泊まりなどした機会に「一緒に野外で遊んで、火を起こしてご飯を炊き、みんなで食べて、一緒に風呂入って、一緒に布団を並べて寝たこと」によりぐぐぐっと距離が縮まりクラスの仲がよくなり連帯感が生まれたという経験がおそらくこのコラムをご覧のあなたもありますよね。
 
リアルで行うチームビルディング研修もこれに近しく、「リアルで直接会う」「対面で温度を感じながら話す」「ゲームなどで協働ワーク(共通体験)をする」「身体接触(握手、ハイタッチ、円陣を組む、手を繋ぐ)をする」「自己開示をする」「参加者同士で食事をする」などを意図的に組み入れることにより、人の関係性を深くすることができるのです。

【リアル研修でのチームビルディング研修の様子】

 
しかし現実的に、こうしたリアルでつながりを生み出す研修ができなくなりました。そこで新しい研修の様式として関係性をどうやって構築したらいいのかを考えてみました。

信頼関係構築の過程を言語化してみる

オンラインで関係性を深めるためにはどうしたらいいだろう?私たちオンライン研修チームは、まず信頼関係ってどうやって醸成されるのかを分解して言語化してみました。
 
1・きっかけがある(何らかの理由で出会う)
2・お互いを理解する(背景を含めた理解をする)
3・共通体験をもつ(一緒に何かを取り組む)
4・自己開示をする(自分の本心や本音で話す)
5・共感が創造される(他者に対する感動や共感)
 
普段無意識で私たちは関係性を構築していますが、言葉にするとこれらのプロセスを得て、知らない人同士が仲良くなるのではないでしょうか。
 
普段のチームビルディング研修も、上記のようなプロセスとコンテンツが多分に入っています。これらの仮説から、オンライン上で、非対面・非接触でどのように「信頼関係を深める」のかを考えてみました。
 
ちなみに、今回のオンライン内定者研修の時間は合計4時間でした。今回の参加者は46名(内定者60名)ということで、オンラインの4時間のzoom研修だけでは、関係性を発生させることはできないと私たちは判断しました。

オンライン研修で重要なコミュニケーション設計

60名全員(当日オンライン内定者研修に参加できない人も含めて)のことを知れて、お互いのコミュニケーションが発生する仕組みづくりは何かから考えるようにしました。
 
今回のオンラインで内定者の関係性を深めることに成功した1番のポイントは「コミュニケーション設計」です。
 
研修として受注いただいていますので、もちろん「学習設計」「実習設計」も大切ですが、「6ヶ月間のコミュニケーションをどのように設計するか」が最終的なゴールだと私たちオンライン研修チームは定義したのです。
 
私たちは参加者の「ITリテラシー」も念頭に入れました。どのツールが使えるか?セキュリティは大丈夫か?を考えました。また、凝ったツールより、普段参加者(学生)が使い慣れているツールを使う必要があります。
 
内定者は学生なので、就活用にgmailも持っているでしょう。Google系のサービスは使えるはずです。お客様の社内システムもGoogleへのセキュリティブロックはないことを確認。YouTubeも活用できます。
 
「入社まで、リアルで会えないけど、ウェブ上で盛り上げる仕組みをつくる。」この難題を打開するヒントは、各ツールや進行を工夫することでした。以下の4つの手法はオンラインコミュニケーション設計するうえでいますぐ再現できる可能性が高いですのでご参考にされてください。

オンラインで関係性を深める4つの手法

リアルとオンラインの違いの中でも「お互いの理解をどうすればよいのか」を考えた際に、感覚から得られる情報量はどうしてもリアルが大きくなります。その差を補完するにはどうしたらいいか?
 
まず考えたのが、内定者60名分の自己紹介シートをみんなで作ってもらうことでした。

1:Googleスライドで全員に自己紹介を書いてもらう

Googleスライドの1枚のシートに60名分の自己紹介を書いてもらうことにしました。
 
Googleスライドの1P目には講師(私)から内定者の皆様へご挨拶のメッセージ動画を貼り付けました。そして私の自己紹介シートを例と作成し、受講生と講師との関係性もここで作ります。
 
実際に使用したGoogleスライドの自己紹介シート記入例
オンライン内定者研修
 
60人分のシートを先に用意し、名前もアイウエオ順で記入し、目的(自分のことを他の退廷者に知ってもらう)も伝え、参加者それぞれに期限を設けて記入してもらいました。
 
こちらが驚くようなスライドの出来でした。やらされている感は微塵もなく、内定者それぞれがクリエイティブにスライドを作ってくれたのです。
 
しかしながら、文字情報だけだと相手のことはまだまだよくわかりません。
 
そこで私たちオンライン研修チームは、動画をアップするとお互いのキャラクターや人柄が、声・話し方・表情・テンションなどからわかるのではないかと考え、オンライン研修当日までの課題として自己紹介動画を作ってもらいました。

2:1分自己紹介動画を撮影しYouTube(限定公開)にアップする

自己紹介動画を1分で撮影し、YouTube(限定公開)にアップロードし、研修当日までに全員分を見てくる!という課題を出しました。(*YouTubeアカウントの作り方、アップデートの仕方、などITリテラシーも配慮して説明シートも作る必要があります。)
 
これは、内定者が乗り気になるのか正直不安でした。しかしその不安は即、消えて無くなります。次から次へと自分の自己紹介動画がアップされているではないですか!
私も、研修日前日に不参加の方含め、全員分のYouTubeを見ました。
 
はっきりいって最高でした。大爆笑もあり感動もしました。ジャグリングする人、カラオケで歌う人、音声とか、編集がとても凝っている人、それぞれのキャラが出まくっているのです!!これはイケる!と直感で思いました。
 
さらに驚いたのが、YouTubeのコメント欄に、同期が、びっしり動画の感想を書いてくれていたのです。

オンライン内定者研修
 
「有名YouTuberになったのではないか」と思うくらいコメント数で、この威力は圧巻でした。コメントをあれだけもらったら相当嬉しいはずです。
 
ちなみに当日のオンライン研修中に、内定者にYouTube撮影の聞いてみたところ、20回撮り直したとか、他の人の凝った動画を見て悔しかったとか、初めてYouTubeをアップした、難易度が高かったなどの声をありましたが、楽しかったという声が大多数でした。

3:たくさん参加者が話せるように15分に一度のシェア

オンライン内定者研修当日までのこうしたコミュニケーション設計により、当日私は「これはうまくいくな」という思いが大きく、不安はありませんでした。
 
逆に、これらの事前コミュニケーション設計もなしに研修当日を迎えて、オンラインでいきなり無気質に「みなさんこんにちは」と進めても全員がギクシャクしたでしょう。
 
すでにオンライン研修の開始前から参加者は温まっていますので、Zoomによるブレイクアウトセッションも意図的にたくさん入れました。
 
ここはオンラインのメリットが生かされます。リアルの集合研修の場合、ディスカッションの際は、席替えしてテーブルをたびたび変えるわけにはいきませんので、ある程度メンバーは固定されてしまい交流ができない人も中には生まれてしまいます。
 
しかしオンラインではコンテンツのたびにグループを変更することができます。事前動画やスライドを全員分見てきてもらっていますので初対面の会話もスムーズです。
 
通常オンライン研修で初対面の人とのディスカッションの場合は「・・・」とお互いが固まってしまうことがあるのですが、今回は「あー、あの動画の人!」とスムーズにコミュニケーションが始まっていました。
 
参加した内定者のアンケートで「ディスカッションの時間が短かった」という意見がちらほらあったのですが、実はあえて短い時間を設計していました。なぜかというと、オンラインの場合はスライドやYouTubeなどコンテンツが残っています。つまり話し足りない場合はあとで、接点があった同期のコンテンツを見返すはずです。この辺りもオンラインチームビルディングのメリットですね。(ディスカッションの時間はあえて「もう少し話したかった・・・」を作り出すのが研修設計のポイントでもあります。)
 
反省点としては、ディスカッションに入る前に、講師である私が、最初に話す人をしっかりと誘導(名前が”あ”から数えて一番近い人から…など)する必要があったことです。
 
最初に話す人を決める時点で変な間と空気がうまれて、時間がもったいなかったという意見を頂きました。オンラインで講師がブレイクアウトセッションの前にファシリテーション する際はぜひご注意ください。
オンライン内定者研修

アイデア出しは参加者主体でやってもらう

最後に、「このオンライン内定期間中にどうやってみんなで仲良くなる?」というお題をだしました。
 
オンライン研修前の設計→オンライン研修→オンライン研修後の設計
 
の最後の重要なフローの設計です。
 
ここの設計も私たちオンライン研修チームは悩んだのですが、「私たちが決めるのではなく、研修当日に参加者主体となってアイデアをだしあって決めてもらおう」と決めました。
 
これが大成功でした。ディスカッションの際は4名チームのローテーションを意識しましたが、アイデア出しは8名ほどのチームをオンライン上でつくり、時間をたっぷりと与えてGoogleスライドを使いアイデア出しをしてもらいました。
 
ここで重要なのが役割を決める。ということです。
 
1:ファシリテーター
2:でたアイデアの記入者
3:メインセッションでの発表者
4:タイムキーパー
 
これらをディスカッションに進む前に講師である私が「各グループで役割を決めてください。」とアナウンスすることでまとまりと主体性がうまれます。
 
ファシリテーター にはアイデアの発散→収束(一つに)→合意形成を意識してもらいました。
 
【関連記事】ファシリテーション研修とは?
 
参加者主体でどんどん斬新なアイデアが生まれました。私どもが思いもしなかったオンラインコミュニケーションのアイデアも出ました。リーダー格の子が現れて、その場でグループLineを作るという取り組みを始めてくれました。
 
今回の生まれたアイデアも様々なSNSやツールを使って、関係性をつくろう!という動きができたのです。

オンライン内定者研修受講者の感想

当日の4時間のオンライン研修はあっという間に終わりました。93%学生が、満足をしてくれる結果となりました。
 
デジタルネイティブということもあって、アンケートが非常に好評でした。特に研修そのものに対しても、すごい学びを得ていただき、研修理解度は100%になりました。
 
私たちの感覚からすると、すべての世代とオンラインの講座をやってきましたが、やはり「学生の方が、ITリテラシーが格段に高い」ということがわかりました。彼らは遊びながら、いろいろなアプリとか、ツールを試しまくっているいわゆるデジタルネイティブ世代です。このオンライン内定者研修も抵抗が少なかったようです。
 
アンケートを見ていても、それを深く感じる内容でした。
 
オンライン内定者研修受講者の感想
オンライン内定者研修
オンライン内定者研修
 
今回は、内定者同士の関係性が深まり盛り上がるための様々な工夫を入れました。細かい工夫やニュアンスについて詳しいことを知りたい人事の方はぜひお問い合わせください。ご相談に乗ります。

【関連記事】オンライン内定者研修をプロデュースした志村智彦著
コロナで会えない内定者同士(46名)の絆や関係性をオンラインでどうやって、深めるか?
 
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