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内定者のフォローで重要なポイントと注意点10選!

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内定者 フォロー

「せっかくコストをかけて内定を出したのに辞退されたらどうしよう」
「内定者が他の企業に流れてしまったら?」
「もし内定者が入社直前で辞退したらどうなるのだろう」

これらは多くの企業が抱える、内定後の不安な疑問です。内定を出した後、一安心と思っている企業は少なくありません。

しかし、実はその後が非常に重要なのです。なぜなら、内定を出したからといって、その人が必ず入社するわけではないからです。最近では、内定後に辞退されるケースが増えています。特に新卒採用においては、内定辞退は企業にとって大きな損失です。

この問題に対する解決策は何か?それは、内定者のフォローです。

内定者を放置して不安にさせないのももちろんですが、本来の目的は内定者が社会人として良いスタートをきってもらうための準備です。

では人事がどのように具体的なフォローをすればよいのか、外部に委託する方法はあるのか、といった疑問も多いでしょう。

この記事では、具体的なフォローのポイントや注意点について解説します。さらに、外部に委託する方法やよくある質問にも答えていきます。内定者との「良い関係」を築くためのヒントが満載ですので、ぜひ最後までお読みください。

はじめまして、この記事を執筆した佐藤政樹と申します。劇団四季出身の研修講師として【受講生を惹きつけながら気づきと学びを促すことをモットー】に、講演会やセミナーの講師だけに限らず大手企業などでさまざまな内定者研修を行っております。記事の内容をお読みいただき、もしご興味いただけましたら、ページ最下部のプロフィールや研修内容の詳細をご覧いただけますと幸いです。

そもそもなぜ内定辞退が起こるの?

内定を出しても、その後のフォローが不十分だと、せっかく採用した人材が辞退してしまう可能性があります。特に新卒者は、多くの選択肢から最適な企業を選びたいと考えています。そのため、内定を出しただけでは安心できません。

人材獲得競争の激化

人材獲得競争の激化

文部科学省と『厚生労働省の調査』によると、2023年の大学生の4月1日時点の就職率は、大学(学部)で97.3%(前年同期差+1.5ポイント)、短期大学で98.1%(同+0.3ポイント)、大学等(大学、短期大学、高等専門学校)全体では97.5%(同+1.4ポイント)、大学等に専修学校(専門課程)を含めると97.3%(同+1.3ポイント)という結果です。

これは、過去の調査と比較しても非常に高い水準であり、新卒採用市場は依然として「売り手市場」の状態が続いています。そのため、企業間での学生の獲得競争が激化しており、内定辞退の増加などの課題がますます問題視されています。

面接イメージ

内定者フォローの本当の目的は入社後に良いスタートをきるための準備

内定者フォローの目的は、単に内定者が辞退しないようにするだけではありません。その真の目的は、内定者が入社後に良いスタートがきれるよう、スムーズに業務に取り組めるように、事前に必要な準備と心構えを整えることです。

内定を出した段階で、その人物が会社にどのように貢献できるか、どのような成長を遂げられるかを見据え、それに向けての準備を始めることが最も大切です。

これには、業務内容のリアルな説明はもちろん、会社文化や働く環境なども含まれます。これらの情報をしっかりと内定者に伝え、理解してもらうことで、入社後においてもモチベーションを維持し、良いスタートを切ることができます。

また、内定者自身がどのようなキャリアを望んでいるのか、どのようなスキルを身につけたいと考えているのかを理解し、それに対する具体的なアクションプランを一緒に考えることも重要です。これにより、内定者は入社後に目標に向かって努力する意欲を持つでしょう。

このように、内定者フォローは入社後の成功に直結する重要なステップであり、単なる「辞退防止策」以上の意味を持つのです。

人事も検討したいフォローの具体的な10のポイントとは?

内定者のモチベーションを維持し、社会人になるまでの準備を整えるために重要な10のポイントを以下に挙げさせて頂きます。できているようでできていない企業は多いです。逆の立場になって考えてみると気持ちがわかると思います。

内定式の開催

内定者同士が初めて顔を合わせる場が内定式です。この場で友達や仲間を作ることで、会社に対する帰属意識が高まります。緊張する新入社員にとって、早めに仲間を作ることは心の支えになります。

定期的な連絡・面談

入社前に何かと不安や疑問が出てくるものです。定期的に連絡を取ることで、そのような不安や疑問を早めに解消できます。例えば、「どのような服装で出勤すればいいのか?」といった些細なことでも、未経験者にとっては大きな不安です。

インターンシップの提供

「実際に働いてみないとわからない」、それが仕事です。インターンシップで実際の業務を体験することで、内定者自身が「この仕事は自分に合っているのか?」ということを確認できます。

先輩社員との交流

入社後すぐに仕事がスムーズに行くかどうかは、先輩社員とのコミュニケーションに大いに依存します。先輩社員と事前に交流することで、入社後の人間関係の不安を減らすことができます。

キャリアプランの共有

「この会社で何を成し遂げたいのか?」それを明確にすることで、目標に対する意欲が高まります。また、会社側もその目標に対してどのようにサポートするかを考える良い機会になります。

入社前内定者研修

社会人として働く上での基本的なマナー、例えばビジネスメールの書き方や会議での発言の仕方など、入社前にしっかりと教えます。これは、新入社員が入社初日から「何をどうすればいいのか」を明確に理解し、自信を持って業務に取り組むための重要なステップです。

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メンター制度の導入

入社後も不安や疑問は出てくるもの。そんな時に相談できる「メンター」がいると、心強いですよね。メンターは業務の疑問だけでなく、人間関係の悩みにも対応します。これにより、新入社員はスムーズに会社生活に適応できます。

社内イベントへの参加

会社で働く以上、業務だけでなく社内文化にも馴染むことが大切です。社内のイベントや懇親会に参加することで、他の社員と自然体で交流でき、会社の雰囲気や文化を肌で感じることができます。

情報提供

会社のニュースレターや業界の最新情報を定期的に送ることで、内定者は「自分がこれからどんな環境で働くのか」を具体的にイメージできます。これは、内定者が自分の将来をより明確に見据え、モチベーションを高めるために重要です。

フィードバックの収集と改善

最後に、内定者からの意見や感想は非常に貴重です。これをしっかりと収集し、それを基にフォローの方法を見直すことで、次回からの内定者フォローがより効果的になります。例えば、入社前研修で「もっとこんなことを知りたかった」という声が多ければ、次回の研修内容に反映させることができます。

以上のように、内定者が安心して入社でき、かつ、社会人としてしっかりと準備ができるように、これらのポイントを心がけることが重要です。

スーツ姿の人々

内定者フォローのうえでの10の注意点とは?

内定者のフォローは、単に入社を確実にするためだけではありません。それは新入社員として入社後にがスムーズに職場に適応し、早期に成果を上げられるようにするための重要なステップでもあります。

しかし、この過程でしばしば見落とされるのが、内定者自身の心理やニーズです。過度なプレッシャーをかけたり、逆に甘やかしすぎたりすると、内定者がストレスを感じ、最悪の場合、辞退を決意してしまう可能性もあります。

そこで、内定者をしっかりとサポートし、良いスタートを切れるようにするための10の注意点をご紹介します。これらのポイントを押さえて、内定者が安心して入社できるような環境を整えましょう。

1:過度なプレッシャーをかけない

内定者がストレスを感じると、その後の業績やモチベーションにも影響が出ます。例えば、「入社前から業績を上げなければならない」といったプレッシャーは避けましょう。

2:プライバシーの尊重

内定者も一個人です。個人の趣味や家庭環境など、プライベートな情報に踏み込むことなく、仕事に関する情報共有に努めることが大切です。

3:過度な情報提供を避ける

会社の詳細な内部情報を早い段階で提供しすぎると、内定者は情報過多で混乱してしまう可能性があります。必要な情報だけをタイムリーに提供するよう心掛けましょう。

4:期待値と現実のギャップを埋める

採用活動での美化された話と実際の業務内容が大きく異なると、内定者は失望してしまいます。採用の場面ではリアルな業務内容をしっかりと伝え、期待値と現実のギャップをなくす努力が必要です。

5:コミュニケーションの透明性

「何をして評価されるのか」「どのように成長していけるのか」など、これからのキャリアに関する点で透明性を持たせることで、内定者が「安心してこの会社で働こう」と感じてもらうための環境を作ります。

6:過度な依存を防ぐ

内定者が人事や上司に過度に依存すると、自立心が育まれません。例えば、小さな問題でもすぐに上司に相談するような状態は避けたいです。そのためにも、問題解決能力を高めるような研修や指導が必要です。

7:多様性の尊重

人それぞれ価値観やスキルが異なります。その多様性を理解し、一人ひとりに合った指導や仕事の割り当てをすることが大切です。

8:リアルな業務内容の説明

採用活動では業務内容が美化されがちです。美しいホームページには明るく働く先輩社員の方々の写真。いざ現実は暗い表情で仕事をし内定者に挨拶もしない企業もあります。社員は採用活動で伝えていることをしっかりとした姿勢でみせる意識が、内定者が後でガッカリすることを防ぎます。

9:入社後のフォローも忘れずに

入社が決まっただけでフォローが終わるわけではありません。入社後も継続的なサポートが必要です。その点を内定者にも明確に伝え、安心感を与えましょう。

10:フィードバックを受け入れる姿勢

内定者からの意見や感想も大切にし、それを次の採用活動や研修に生かすよう努力することが重要です。

これらの点を考慮することで、内定者が安心して入社し、その後もしっかりと成長していけるような環境作りができるでしょう。

外部に委託もできる?内定者フォローの研修や方法とは?

採用業務を行っている企業を3社ご紹介し、内定者フォローの研修や方法を解説していきます。

【1】株式会社マイナビ

株式会社マイナビは、内定者研修ムビケーションを行っています。内容は、映像を用いることで、従来の研修手法に比べて内定者に楽しんでもらいやすい研修プログラムとなっており、内定者の「自分自身に対する不安」「会社への不安」「仲間への不安」を解消し、前向きに社会へ飛び立つための研修を提供しています。また、ムビケーションの無料セミナーや体験会も行っています。

【2】株式会社ネオキャリア

株式会社ネオキャリアは、10,000社以上の採用に携わる、採用業務専門会社です。採用をトータルサポートとしてくれるのはもちろんの事、人材紹介やセミナーの開催、採用された人材への教育・研修サービスも手掛けているのが特徴です。

ルーキーシップ研修を行い、内定後の新卒の育成・離脱防止のための内定者研修としてご導入することが出来ます。内容は、「社会人としてのモラル」、「教えられ上手になる知識」、「上司が評価するスキルの3つの必須ポイント」中心に研修を行い、個別コーチングも行っています。

【3】株式会社トライアンフ

株式会社トライアンフは、人事領域のあらゆる課題に対応してくれます。内定者フォロー企画として、内定者の入社意欲を高める効果的な企画を提案してくれます。内容は相談内容に応じ柔軟に対応してくれます。

期間や価格は内容により変動するので、お問い合わせください。内定者フォローの特徴として、スキルセット系の1Dayプログラムからプロジェクト型の長期プログラムまで、入社意欲を高め内定辞退を防止するサービスを提供している事です。また、インターンシップ参加者のステータスや選考参加率、内定率等。インターンシップ実施後、そして本選考終了後に効果検証を行い、次期インターンシップの施策も提案してくれます。

内定者フォローに関するその他のQ&A

【Q1】内定者フォローの一般的な流れとは?

内定者フォローの一般的な流れは、「複数回の面談」「内定者懇親会」「社内報送付」「職場見学」「合宿研修」となります。内定者の意思の確認や、企業理念や事業の理解を高める事が目的です。

【Q2】入社前研修を内定者に義務付けてもよいでしょうか?

「業務に必要な知識を習得するための研修」ということなので、この場合の研修の義務付けは、労務の提供を命じているものと見なされます。また、新卒者の場合、入社前は学業に本分があるわけですから、入社前研修を行う場合は学業を阻害しないような配慮も必要です。

【Q3】内定者との面談で注意する点や、ポイントはありますか?

内定者と直接会うことによって、その段階での心理状況や、「見えている不安や疑問」

「見えていない不安や疑問」をケアしていきます。注意点として、企業側の意見を押し付ける事の無いよう内定者に寄り添った姿勢が重要です。ポイントとして、継続的に何度も会うことにより、学生との距離感を縮めます。

これにより、言いづらかった悩みや、本人も気付いていなかった潜在的な問題を発見、解決していくことも期待できます。

まとめ

内定者のフォローは、新入社員が職場で成功するための第一歩とも言えます。この記事で紹介した10の注意点は、人事担当者やマネージャーが内定者に対してどのような心構えで接するべきかを具体的に示しました。すべてが内定者が安心して、そして積極的に新しい職場環境に適応していくために不可欠な要素です。

しかし、これだけで十分というわけではありません。内定者一人ひとりの多様性を尊重し、リアルな業務内容をしっかりと伝え、入社後も継続的なフォローを行うことが重要です。そして何より、内定者からのフィードバックを真摯に受け入れ、改善に繋げていく姿勢が求められます。

この記事が、内定者フォローの新たな指針となれば幸いです。最後に、内定者フォローは単なる手続きではなく、未来の才能を育む大切なプロセスです。その重要性をしっかりと認識し、日々の業務に活かしてください。

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内定辞退6つの理由と解決策|今すぐ真似したい内定者フォロー成功事例4選をご紹介

<参考文献>

株式会社ネオキャリア

株式会社マイナビ
筆者の3分講師紹介動画

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